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高度生殖医療センター

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患者一人ひとりに寄り添った不妊治療を目指して

●センター長

  • ・教授 / 万代 昌紀 Prof. Mandai Masaki

部門等のご案内

近年生殖補助医療(ART)を受ける方は増加し、本邦で出生する児の14人に1人は体外受精児です。もはや特別な治療ではなくなりつつあります。
体外受精の過程で実施する採卵や胚培養、胚移植などを集約して、高度生殖医療センターでは医師や看護師、胚培養士などスタッフが協力し、高度生殖医療に関わる検査や治療を行なっています。患者さん一人ひとりに対応した治療を行い、安全な生殖医療の提供に努めています。

●業務内容

基本的な診療や治療はすべて外来で行っており、高度な生殖補助医療(採卵・胚培養など)を高度生殖医療センターにて行います。
一般的に、初めて受診された場合には原因検索を目的としたスクリーニング検査を行い、タイミング療法、また人工授精などから段階的に治療を開始します。また、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの婦人科疾患を合併していることで妊娠に至らない方に対しては、腹腔鏡手術や開腹手術を含めた手術療法を行っています。さらに、顕微授精(ICSI)を含めた体外受精-胚移植(ART)も行なっており、近年体外受精患者数も増加しています。
当施設は「高度医療を提供する地域の中核病院」という大学病院の特色から、不妊治療や妊娠中に全身管理を必要とする基礎疾患を背景にもつ方が多く受診されます。大学病院内で多くの診療科や専門家と連携をとることで、困難なケースにも柔軟に対応することができます。他院での不妊治療継続が難しい方が治療を希望されて受診するケースも見られます。

●特色ある取り組み

1) 着床前診断(PGT-A)
通常の体外受精や胚移植で妊娠が成立しない場合に、受精卵の一部から細胞を採取し、細胞内の遺伝子を解析することで染色体の数的異常の有無を確認する「着床前診断(PGT-A)」に積極的に取り組んでいます。
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2) 着床前診断(PGT-M)
ご本人および家系内に重篤な遺伝性疾患を保有する患者さんに対して、特定の遺伝性疾患の有無を検出する「着床前診断(PGT-M)」については十分な遺伝カウンセリングのもとに実施しています。

3) 自己末梢血リンパ球(PBMC)療法
不妊症の原因の一つである「難治性着床不全」の患者さんに対して、再生医療法に則り、ご自身の血液から採取した自己末梢血リンパ球(PBMC)を胚移植前の子宮内に投与する免疫治療にも積極的に取り組んでいます。
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4)小児・若年がん患者に対するがん生殖医療
小児・若年がん患者に対してがん治療前もしくは治療寛解期に妊孕性温存目的の卵子・卵巣組織・精子凍結保存に積極的に取り組んでいます。がん生殖医療を行うためには、生殖医療治療医とがん治療医が密に連携することが重要です。院内のみならず、京都府内のがん治療施設とも京都・がんと生殖医療ネットワーク(KOF-net https://www.cancer.kuhp.kyoto-u.ac.jp/kof-net/)を通じて迅速に連携しています。
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