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頭蓋底腫瘍センター

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治療困難な頭蓋底腫瘍の最先端技術を駆使して最適治療を提供する

●センター長

  • ・教授 / 荒川 芳輝 Prof. Arakawa Yoshiki

部門等のご案内

頭蓋底腫瘍は頭蓋骨の底部に発生する腫瘍です。この腫瘍の手術は脳神経や血管と近接しているために、極めて高い外科的専門知識が必要です。頭蓋底腫瘍センターでは、最新の手術機器を駆使して、安全で効果的な頭蓋底腫瘍の治療を提供しています。

●業務内容

頭蓋底腫瘍の進展に応じて脳神経外科・耳鼻咽喉科・形成外科・口腔外科のチームで手術を行います。手術方法は、チームでのカンファレスで入念に検討して決定します。2015年度から頭蓋底腫瘍に対するチーム手術を開始し、8年で約350人の頭蓋底手術を実施しています。対象疾患は下垂体腺腫をはじめ、髄膜腫、脊索腫、嗅神経芽細胞腫など多岐に渡る頭蓋底腫瘍です。チーム手術では、各診療科の手術手技の強みをより活かすことができます。特に従来経鼻内視鏡手術の大きな合併症であった術後の髄液漏の発生率は1%前後と極めて低く、従来の手術方法に比較してより安全な手術を提供できています。経鼻内視鏡手術と開頭手術を同時に行う同時手術は、約35人に実施し、良好な結果を得ております。同時手術に加え、広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術と呼ばれる、顕微鏡を用いた側頭骨経由の複雑な頭蓋底手術も多数の経験を有しています。

開頭、経鼻内視鏡、同時手術と、さまざまな角度から頭蓋底腫瘍に到達するチーム体制が確立しています。個々の腫瘍進展に応じる解剖学的に合理的な手術方法を採用します。放射線治療科や糖尿病・内分泌・栄養内科とのチーム医療により、適切な時期での放射線治療、間脳下垂体機能障害に対する内分泌学的な治療を提供します。

●特色ある取り組み

京都大学の強みは、高度な術中画像支援(ナビゲーション、移動式コーンビームCT、3T-MRI)による頭蓋底手術です。術中ナビゲーションを用いることで重要構造物の存在部位が術中にリアルタイムでわかり、解剖学的に複雑な場所でもより安全な手術が可能です。術中移動式コーンビームCTは京都大学が共同開発した機器であり、骨削除範囲の確認などに力を発揮します。術中MRIは国内初の術中高磁場MRIが導入され、豊富な使用経験があります。わずかな残存腫瘍の描出も可能であり、手術合併症についても早期に発見し、迅速な対応ができます。これら最先端機器による「手術の可視化」により、安全性を担保した上で、腫瘍の摘出度を向上した精度の高い手術を提供しています。