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先進医療・患者申出療養

先進医療

先進医療制度は、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、未だ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等と保険診療との併用を認めた制度です。

「先進医療に係る費用」は、患者さんが全額自己負担することになります。
「先進医療に係る費用」以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。
患者さんは各健康保険制度における一部負担金を支払いいただくこととなります。

●先進医療A(第二項)

令和5年7月1日現在、当院で実施を承認されている先進医療Aは以下の通りです。

※下記の表は横にスクロールしてご確認いただけます。
先進医療名
承認日 適応症 主な診療科
実施状況 料金(1回につき)
技術の概要

※下記の表は横にスクロールしてご確認いただけます。
タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養
R4.6.1 不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不妊治療が無効であるものに限る。) 産科婦人科
実施中 16,400円
体外受精や顕微授精後の卵子を、タイムラプス装置搭載インキュベーターを用いて培養し、 Pronucleus(PN)出現、細胞分裂様式、多核、割球間のサイズ、胚盤胞の細胞数、卵割に要する 時間などを観察、記録する。タイムラプス装置搭載インキュベーターで得られた胚の形態的評価 をもとに選択した胚を移植し、生産率を記録する。

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子宮内膜受容能検査1
R4.6.1 不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不妊治療が無効であるものであって、これまで反復して着床又は妊娠に至っていない患者に係るものに限る。) 産科婦人科
実施中 初回110,700円 2回目90,400円 3回目以降 29,700円
吸引用子宮カテーテルを用いて、子宮内膜を採取する。ホルモン補充周期の場合は、エストロゲン投与により一定の厚さに子宮内膜を肥厚させ、その後、プロゲステロン投与開始後6日目(120時間目)で子宮内膜採取を行う。自然採卵周期の場合はLHサージ後7日目またはhCG投与後の6日目に採取することになるが、自然周期では、血中LHが不規則に上昇する症例もあり、医師により判断が異なる症例があるため、ホルモン補充周期のみでERAを実施とする。採取した子宮内膜を検体とし、次世代シークエンサーをもちいて236遺伝子を網羅的に解析し、内膜組織がReceptive(受容期)かNon-receptive(非受容期)かを評価する。また、Non-receptiveの際はどのくらいReceptive までに差があるかも評価を行う。子宮内膜が着床を受容する期間に周期を同期させ、胚移植を行うことで着床率の向上を目指す。

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子宮内細菌叢検査1
R4.6.1 慢性子宮内膜炎の疑い 産科婦人科
実施中 初回60,100円 2回目以降34,800円
検査は外来検査である。子宮体部がん検診のように子宮内から内膜を吸引して提出する。検査のタイミングとしては、受精卵が着床する時期の細菌叢を調べることを目的としているため、月経周期の15?25日頃の黄体ホルモン作用後を推奨している。また、十分な検体量が得られるよう、内膜の厚さは7mm以上が望ましい。
このような点に注意して行うため手技としては以下の方法で行う。
①経腟超音波にて子宮内膜厚を測定し、子宮の方向性を確認する。
②腟鏡診を腟に挿入し、腟内細菌の混入を防ぐため、腟内を生理食塩水を用いて洗浄する。
③吸引式子宮内膜組織採取器を用いて、子宮内膜を含む子宮内腔液を採取する。
④採取した検体を検査試薬に注入し、10℃以下で4時間以上保存する。
⑤検体をクール便で検査会社に発送。
⑥検体到着後はDNA 抽出を行い、次世代シークエンサー(new generation sequencer:NGS)を用いて、子宮内腔液に含まれる細菌の16SリボソームRNA解析を行うことで、Lactobacillus属の占める割合及び、その他細菌叢の分布を明らかにする。

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二段階胚移植術
R5.5.1 不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不妊治療が無効であるものであって、これまで反復して着床又は妊娠に至っていない患者(子宮内膜刺激術が実施されたものに限る。)に係るものに限る。) 産科婦人科
実施中 新鮮胚移植の場合  75,000円
凍結・融解胚移植の場合 120,000円
生殖補助医療における反復不成功例のなかには、形態良好胚を移植しているにもかかわらず妊娠にいたらない着床不全症例が存在する。二段階胚移植法は、胚由来因子の欠如または減少による子宮内膜の胚受容能の低下に起因する着床率低下を改善するために、採卵後2-3日目に初期胚を移植し、残りの胚は培養を継続し、引き続き5-6日目に胚盤胞を移植することで、初期胚のクロストークにより子宮内の着床環境を整え、次に移植する胚盤胞がより高い確率で着床することをねらいとするものである。

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ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
R6.1.1 豚脂様角膜後面沈着物若しくは眼圧上昇の症状を有する片眼性の前眼部疾患(ヘルペス性角膜内皮炎又はヘルペス性虹彩炎が疑われるものに限る。)又は網膜に壊死病巣を有する眼底疾患(急性網膜壊死、サイトメガロウイルス網膜炎又は進行性網膜外層壊死が疑われるものに限る。) 眼科
実施中 28,000円
ヘルペス性角膜内皮炎、ヘルペス性虹彩炎が疑われる片眼性の前眼部疾患、急性網膜壊死、サイトメガロウイルス網膜炎、進行性網膜外層壊死が疑われる網膜壊死病巣を有する眼底病変は、ヒトヘルペスウイルスが病因と疑われる。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、本診断法によりHSV-1,HSV-2,VZV,EBV,CMV,HHV-6,HHV-7,HHV-8のDNAの同定と定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗ウイルス治療をおこなう。

●先進医療B(第三項)

令和5年7月1日現在、当院で実施を承認されている先進医療Bは以下の通りです。

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先進医療名
承認日 適応症 主な診療科
実施状況 料金(1回につき)
技術の概要

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テモゾロミド用量強化療法 膠芽腫(初発時の初期治療後に再発又は増悪したものに限る。)
H28.12.1 膠芽腫(初発時の初期治療後に再発又は増悪したものに限る。) 脳神経外科
実施中 1コース 4,774円
初回再発および増悪膠芽腫に対して、用量強化テモゾロミド療法とその再発後のベバシズマブ療法の優越性を標準治療であるベバシズマブ療法とのランダム化比較試験にて検証する。
■ A群(ベバシズマブ療法群)
14日(-1日~+3日以内)を1コースとしてベバシズマブ10 mg/kgをday 1に静脈内点滴
注射、中止規準に該当するまで継続する。
■ B群(用量強化テモゾロミド、再発後ベバシズマブ療法群)
1) 一次治療
Day1~7テモゾロミド120 mg/m2/day、1日1回内服投与
14日(-1日~+3日以内)を1コースとして最大48コース繰り返す。
*3コース目に増量規準を満たした場合150 mg/m2/dayに増量する。
2) 二次治療
・一次治療完了後、または原病の増悪以外による一次治療中止後で、増悪を認めない場合は増悪を認めるまで無治療経過観察とする。
・一次治療完了後、または原病の増悪以外による一次治療中止後、MRI画像上で再発・増悪が認められた場合、二次治療としてベバシズマブ療法を行う。
・ベバシズマブの投与方法は、A群での治療法と同じ投与方法とする。
・ただし、再発・増悪後の治療のため、コース開始規準はA群とは異なる。
14日(-1日~+3日以内)を1コースとしてベバシズマブ 10 mg/kgをday 1に静注する。

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全身性エリテマトーデスに対する初回副腎皮質ホルモン治療におけるクロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム及びトコフェロール酢酸エステル併用投与の大腿骨頭壊死発症抑制療法
H29.10.1 全身性エリテマトーデス(初回の副腎皮質ホルモン治療を行っている者に係るものに限る。) 免疫・膠原病内科
実施中 入院初日2,426円 以降一日につき434円
外来処方時1回885円 日数ごとに346円
全身性エリテマトーデス患者を対象に、初回ステロイド治療開始と同時に、抗血小板薬(クロピドグレル硫酸塩)、高脂血症治療剤(ピタバスタチンカルシウム)、ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)の3剤を3ヶ月間併用投与することによる大腿骨頭壊死の発生抑制効果を検討する多施設共同単群介入試験である。主要評価項目は治療開始6ヶ月後のMRIによる両股関節の大腿骨頭壊死症発生の有無である。予定組み込み症例は150例。ヒストリカルコントロールを比較対照とし、統計学的有意差をもって大腿骨頭壊死症発生率が低下した場合、本介入が有効であると判断する。

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アスピリン経口投与療法
R4.5.1 家族性大腸腺腫症 腫瘍内科
消化器内科
実施中 0円 ※先進医療技術に含まれない検査や診察等の費用は発生します。
本試験は家族性大腸腺腫症患者を対象にして、有効な大腸がんの発症抑制法の実用化に繋がるエビデンス構築を目的とする。多施設単一介入臨床試験にて、低用量アスピリン腸溶錠(100 mg/day)を2年間投与することによる大腸ポリープ発生割合の減少に対する有効性と安全性を検証する。

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ネシツムマブ静脈内投与療法
R4.9.1 切除が不可能なEGFR遺伝子増幅陽性固形がん(食道がん、胃がん、小腸がん、尿路上皮がん又は乳がんに限る。) 腫瘍内科
実施中 5,000円
EGFR増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんを対象とした多施設共同第II 相バスケット試験である。ネシツムマブ: 800 mg(固定量)をday1, 8(day 15 は休薬)に投与し、3週間毎に繰り返す。

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術前のゲムシタビン静脈内投与及びナブ―パクリタキセル静脈内投与の併用療法
R4.11.1 切除が可能な膵臓がん(七十歳以上八十歳未満の患者に係るものに限る。) 肝胆膵・移植外科
腫瘍内科
実施中 400円
70歳以上79歳以下の切除可能膵癌患者を対象に、標準治療である術前ゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)に対する、術前ゲムシタビン+ナブ―パクリタキセル療法(GnP療法)の優越性をランダム化第III相試験において検証する。

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生体肝移植術
R5.3.1 切除が不可能な肝門部胆管がん 肝胆膵・移植外科
実施中 192,000円(負担軽減費2,500,000円適用後)
肝門部領域胆管癌の多くは、診断時に切除困難・不能であることが多く、切除不能症例の生命予後は極めて不良で、5 年生存率は数%~10%前後に留まる。近年、これらの患者に対し集学的治療の一環として肝移植を行うことで、飛躍的に治療成績が向上したことが欧米を中心に示されている。本研究においては、現在、本邦に於いては肝細胞癌と肝芽腫のみに適応とされている悪性腫瘍に対する生体肝移植を、切除不能な肝門部領域胆管癌症例に行い、周術期の安全性並びにその後の臨床経過を3 年間にわたり追跡し、再発率、生存率を評価する。

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生体肝移植術
R5.7.1 切除が不可能な転移性肝がん(大腸がんから転移したものであって、大腸切除後の患者に係るものに限る。) 肝胆膵・移植外科
実施中 2,692,000円
大腸癌は、他臓器に転移をしても切除できれば良好な予後を期待できる特徴がある。本研究においては、切除不能大腸癌肝転移を有する患者に対して、唯一の転移巣である肝臓を全摘出して、新しい肝臓を移植し、周術期の安全性並びにその後の臨床経過を3年間にわたり追跡し、生存率、再発率などを評価する。

患者申出療養

●患者申出療養制度について

本院は2017年3月に医療法に基づく臨床研究中核病院に承認されましたことにともない、「患者申出療養制度」を実施することができるようになりました。

●患者申出療養制度とは

  • ・2016年4月より「患者申出療養制度」がスタートしています。
  • ・当制度では、保険で認められていない未承認の薬や医療機器を使った治療を受けたいという患者さんからの「申し出」があれば、臨床研究として実施することにより、臨床研究に係る費用と保険外診療の分を自己負担すれば保険診療と併用できることになりました。
  • ・対象となる医療は、海外では承認されている薬や医療機器など、十分な医学的な根拠があるものに限ります。

●制度の利用について

  • ・当院、かかりつけ医又はお近くの特定機能病院の主治医や相談窓口に、希望する治療が患者申出療養の対象になるかご相談ください。
  • ・その後「患者申出療養制度」を利用することとなった場合は、本院での手続きを経てから、国への申請・審査等を経て、実際に治療が開始されるまでには申し出てから半年から1年以上かかります。
  • 医療関係者からの問い合わせはこちら

●当院で実施中の患者申出療養

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患者申出療養名
承認日 適応症 主な診療科
実施状況 料金(1回につき)
技術の概要

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マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療
R2.9.14 根治治療が不可能な進行固形がん(遺伝子プロファイリングにより、治療対象となる遺伝子異常が確認されたものに限る。) 腫瘍内科
小児科
実施中 【内服薬の場合】
初回(本院で開始する場合)467,455円
初回(本院以外で開始している場合)206,123円
2~6回目 6,123円
【点滴の場合】
初回(本院で開始する場合)471,108円
初回(本院以外で開始している場合)209,776円
2~6回目 9,776円
本療養は、遺伝子パネル検査を受け、actionable な遺伝子異常を有することが判明した患者の申出に基づき 、当該遺伝子異常に対応する適応外薬を患者申出療養制度に基づいて投与することを目的とする。