高脂血症の治療は、生活習慣の改善、食事療法と運動療法が基本となります。その上で動脈硬化性疾患の発症リスクに応じて薬物治療の適応を考慮します。
禁煙:喫煙はすべての動脈硬化性疾患に対する危険因子となります。禁煙の効果は、その開始とともに速やかに現れ、禁煙期間が長くなるほどリスクはさらに低下することが知られています。
食生活の是正:過剰なエネルギーの摂取は肥満の原因となり、高脂血症や糖尿病をはじめとする様々な代謝性疾患を合併するリスクを増加させます。高脂血症に対する食事療法の第1段階として、総摂取エネルギーの適正化(標準体重×25〜30kcal)と栄養素配分の適正化(炭水化物60%、蛋白質15〜20%、脂質20〜25%、コレステロール1日300mg以下、食物繊維25g以上、アルコール25g以下、その他、ビタミン(C、E、B6、B12、葉酸など)やポリフェノール含量が多い野菜、果物などの食品を多くとることが重要です。具体的な現状の食事内容に関する改善案については、担当医師もしくは栄養士にご相談下さい。
身体活動の増加:日常生活の中で身体活動を増やす工夫を行いましょう。運動は有酸素運動を主とし、1日30分以上で週3回以上(可能なら毎日)を目指します。心血管疾患を有する場合には、激しい運動によって突然死や心筋梗塞を生じる危険もあるため、運動療法の実施にあたっては主治医の指導のもとで行うことをお勧めします。
適正体重の維持と内臓脂肪の減少:適正体重は体格指数(BMI: 体重(kg)/[身長(m)]2 )で評価します。我が国ではBMI=22を標準体重、BMI25以上を肥満とみなし、さらに健康障害の合併が考えられる場合には肥満症と診断しています。ただしBMIが正常範囲にあっても内臓脂肪の蓄積に注意が必要です。簡便な内臓脂肪型肥満の評価法としては、臍の位置でのウエスト周囲径があります。男性で85cm以上、女性で90cm以上という目安があり、これはメタボリックシンドロームの診断基準の一つとなっています。
薬物療法:冠動脈疾患の既往のない場合、3〜6ヶ月間生活習慣の改善を行ってもLDLコレステロールが十分下がらない場合には薬物療法を考慮します。高LDLコレステロール血症に対しては、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)が主に選択され、高トリグリセリド血症、特に低HDLコレステロール血症を伴う場合には、フィブラート系薬剤やニコチン酸誘導体などが主に用いられます。
(以上の食事・運動・薬物療法に関する推奨内容は、個人の病態によって異なります。)
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