京都大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭顎部外科

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残存聴力活用型人工内耳手術

残存聴力活用型人工内耳の手術が始まります。

京都大学では、1987年以来500名を超える両側高度感音難聴の患者様に人工内耳手術を行ってまいりました。これまでは、純音聴力レベルが両耳で90dB以上の方が対象となっていましたが、2014年7月1日に残存聴力活用型人工内耳が保険償還され、低音域に聴力が残っている方(高音急墜型難聴)にも人工内耳手術を行うことが可能になりました。

残存聴力活用型人工内耳の体内機(手術で埋め込む機械)は、これまでのものと比べて電極が細く柔らかいため、侵襲の少ない手術方法で埋め込むことにより低音の聴力をある程度温存することができます。また、体外に付けるスピーチプロセッサーは、補聴器の代わりとなる音響刺激と従来の人工内耳が行っていた電気刺激を同時に行うことができます。これにより、これまで補聴器を用いても言葉の聞き取りがうまくいかないにも関わらず、低音域に聴力が残っていたため人工内耳手術の対象とならなかった方でも、1台の機械で、低音域は音響刺激を用い、高音域は電気刺激を用いて言葉を聞き取ることができるようになります。

残存聴力活用型人工内耳は、低侵襲人工内耳手術が必要となるところが従来の人工内耳と異なりますが、当科では、これまでも低侵襲の人工内耳手術を多数行っており、残存聴力活用型人工内耳の埋め込み手術を十分に行える体制を整えております。以下にあげる純音聴力の方が対象となりますが、この他にも手術の条件がございます。手術を希望される方はお近くの耳鼻咽喉科の先生にご相談されるか当科外来にてご相談ください。

残存聴力活用型人工内耳の純音聴力検査上の適応条件

125Hz、250Hz、500Hzの聴力閾値が65dB以下
かつ
2000Hzの聴力閾値が80dB以上
かつ
4000Hz、8000Hzの聴力閾値が85dB以上

(ただし,上記に示す周波数のうち、1カ所で10dB以内の範囲で外れる場合も対象とする。)

下図の灰色の部分が残存聴力活用型人工内耳の適応となる聴力

Ski slope

(新医療機器使用要件等基準策定事業(残存聴力活用型人工内耳)報告書より改変)

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最終更新:2018年1月15日 17:13

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