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耳鼻咽喉科・頭頸部外科研修目標

初期臨床研修

1) 1年次ローテーションの研修目標

 1年次ローテーションでは、内科、外科、麻酔科、救急などの必修あるいは選択必修科目のローテーションを通じて、病棟での患者診療とケアの基本や基本的な外科的手技を習得することが目標である。

  また、毎年当科では4月から5月にかけて、研修医・医員向けにモーニングレクチャーを行い、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の基本的知識の整理を行っている。本モーニングレクチャーに参加し、当科における診療の概要を把握していただきたい。

  1. ベッドサイドにおける患者診療とケアを担当できる基本的素養や能力を身につける
  2. 医療文書の作成や症例のサマライズを適切に行うなど、診療・ケアに必要な基本的業務に習熟する
  3. 全科に共通する基本的医療面接、身体診察に習熟する
  4. 手術における糸結び(結紮)、縫合の基本手技、手術用具の基本的使用方法を習得する
  5. 一般検査、画像診断の選択と順序性を判断してオーダーすることができる
  6. 一般検査や画像診断における異常値や異常所見の評価の基本ができる
  7. 緊急的な処置においてチームの一員として役割を果たすことができるようになる
  8. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科で取り扱う疾患あるいは施行する検査についての正確な知識を持つ

2) 2年次ローテーションの研修目標

 2年次ローテーションでは耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門性あるいは関連診療科の専門性を見すえた診療技能を修得する研修である。当科では4,5月に行われるモーニングレクチャー、毎週行われる臨床カンファレンス、抄読会、年数回開催される耳鼻咽喉頸部解剖の理解のための解剖実習などを通じて実践的な知識の習得の補助をできる限り行う。

    1. 耳鼻咽喉頸部の所見がとれて、病変の局在についてある程度の言及ができる
      鼓膜所見(携帯耳鏡)、鼻腔所見(鼻鏡)、口腔咽頭所見(舌圧子)、喉頭ファイバー、頸部触診所見、顔面神経麻痺スコア、眼振所見(フレンツェル眼鏡)
    2. 耳鼻咽喉頸部の正常解剖を熟知し耳鼻咽喉・頭頸部領域の画像を理解できる
      側頭骨単純レ線、副鼻腔単純レ線、側頭骨CT、内耳道MRI、頭頸部CT、頭頸部MRI、頸部エコー
      側頭骨乾燥標本を用いた解剖実習
    3. 主な手術手技の手順を理解する
      人工内耳埋め込み術、鼓室形成術、内視鏡下副鼻腔手術、口蓋扁桃摘出術、喉頭微細手術、甲状軟骨形成術、甲状腺切除術、喉頭摘出術、頸部郭清術
    4. 簡単な手術を行うことができる
      鼓膜切開術、鼓膜チューブ留置術、扁桃摘出術、鼻骨骨折非観血的整復術
    5. 手術において術者の適切な介助ができる
      鈎引き、血管の結紮、糸切り、縫合(機械縫合)
    6. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科で行う検査を解釈することができる
      聴力検査、ティンパノグラム、耳小骨筋反射検査、聴性脳幹反応検査、標準眼振検査、頭位・頭位変換眼振検査、頸部エコー検査、エコーガイド下穿刺吸引細胞診
    7. 主な疾患の病態、治療方針、予後を説明することができる
      疾患:             両側高度感音難聴、慢性中耳炎、顔面神経麻痺、突発性難聴、
      メニエール病、慢性副鼻腔炎、口腔癌、下咽頭癌、声帯麻痺
      治療方針:       手術、放射線療法、化学療法
    8. 自分の担当した症例についてのまとめが適切にでき、簡潔に発表することができる

 以上より2年目のローテーションでは、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診察・治療に必要な知識を身につけ一部は実践できることを最低限求める。1年次ローテーションで身につけた能力を基本に、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診察に応用することが求められる。

2年目に耳鼻咽喉科・頭頸部外科とともにローテーションが推奨される診療科
放射線科(画像診断、放射線療法)
形成外科(縫合方法、遊離皮弁の作成・管理、顔面骨骨折の診断・治療)
脳神経外科(頭蓋底の解剖、手術手技)
神経内科(神経所見のとり方、中枢性めまいの診断と治療)
内分泌代謝内科(甲状腺疾患、副甲状腺疾患の診断・治療)

専門研修(後期研修)

 耳鼻咽喉科専門医資格の取得には、4年の専門領域研修が必要である。当科の専門研修では専門医資格取得を目標に以下のような研修目標で研修を行う。モーニングレクチャーや種々の解剖実習、学会参加などを通じて専門医資格取得に必要な臨床的あるいは解剖学的知識の整理も積極的に行う。また、医師として必要な発表能力を養成するため、毎週行われる抄読会や学会での発表を行う。

1) 専門研修1-2年目の研修目標

 初期研修で習得した知識・技術を用いて主に病棟主治医としての業務を通じて耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療を行う。

  1. 耳鼻咽喉頸部の所見がとれて、病変の局在を的確に記載できる
    2年次ローテーションで身につけた技術に加えて、耳鏡、顕微鏡、喉頭鏡、後鼻鏡を用いた診察を行うことができる
  2. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患診断のための検査をオーダーできる
  3. 耳鼻咽喉頸部の正常解剖の知識に基づき耳鼻咽喉・頭頸部領域の画像を理解し病変を指摘し、所見を記載できる
    側頭骨単純レ線、副鼻腔単純レ線、側頭骨CT、内耳道MRI、頭頸部CT、頭頸部MRI、頸部エコー、PET
    側頭骨解剖実習、鼻・副鼻腔解剖実習
  4. 主な手術手技の手順を理解し助手を務めることができる
    人工内耳埋め込み術、鼓室形成術、内視鏡下副鼻腔手術、喉頭微細手術、甲状軟骨形成術、喉頭摘出術、頸部郭清術、耳下腺全摘出術、バセドウ甲状腺亜全摘術
  5. 一部疾患では手術の術者となることができる
    術式 目安となる症例数(2年間)
    鼓膜切開術 10例
    鼓膜チューブ留置術 10例
    乳様突起単削開術  10例
    鼻茸切除術 10例
    鼻内篩骨洞手術 5例
    鼻内上顎洞手術  5例
    口蓋扁桃摘出術 15例
    甲状腺切除術 15例
    副甲状腺摘出術 5例
    耳下腺浅葉摘出術 5例
    気管切開術 20例
  6. 各手術の術後合併症を理解し、適切な術後管理ができる
  7. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科で行う検査を自ら行い結果を解釈し診断を下すことができる
    聴力検査、ティンパノグラム、耳小骨筋反射検査、聴性脳幹反応検査、標準眼振検査、頭位・頭位変換眼振検査、頸部エコー検査、エコーガイド下穿刺吸引細胞診
  8. 放射線療法・化学療法の合併症を理解し、適切な対応をとることができる
  9. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の処置を行うことができる
    耳垢栓塞除去、鼓膜穿刺、耳管通気、鼻出血止血、扁桃周囲膿瘍穿刺、扁桃周囲膿瘍切開、甲状腺穿刺、リンパ節穿刺、組織試験採取(口腔、頸部リンパ節)
  10. 臨床研究に必要なデータを記録から読み取りまとめることができる。また、それらをわかりやすく発表することができる。

2) 専門研修3-4年目の研修目標

  病棟医および外来担当医として診療を行う中で耳鼻咽喉科・頭頸部外科医の一般的業務を行えることが主な目標である

  1. 耳鼻咽喉頸部の所見を速やかにとり病変の局在を的確に迅速に記載できる
  2. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患診断のため適切な検査をオーダーできる
  3. 耳鼻咽喉・頭頸部領域の画像を見て病変を指摘し、治療方針を組み立てることができる
  4. 他科からのコンサルトに適切に対応できる
  5. 関連他科とのコミュニケーションをとり、チーム医療を実践することができる
    脳外科との側頭骨外科手術(聴神経腫瘍、顔面神経鞘腫)、頭蓋底手術
    形成外科との遊離皮弁を用いた手術
    外科との下咽頭・頸部食道癌の治療
    放射線科との頭頸部癌に対する手術・放射線併用療法
  6. ほぼすべての耳鼻咽喉科・頭頸部領域の手術を理解し助手を務めることができる
  7. さまざまな疾患の手術の術者になることができる
    術式 目安となる症例数(2年間)
    鼓室形成術Ⅰ型  10例
    内視鏡下副鼻腔手術 15例
    喉頭微細手術 10例
    喉頭摘出術  5例
    頸部郭清術  10例

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最終更新: 2010February3 22:30