京都大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭顎部外科

臨床研究

鼓膜再生   参加登録は終了しました。

NPC-18とFBG-18を用いた鼓膜再生療法に関する第Ⅲ相試験
-医師主導治験-

鼓膜再生治療とは

鼓膜は、中耳炎や外傷などいろいろな原因で破れることがあります。多くの場合は自然に治ってしまいますが、場合により穴が開いたままふさがらないことがあります。この穴が非常に小さい場合は、聴力にはほとんど影響ありませんが、ある程度以上の大きさになると聞こえが悪くなります。また、音は聞こえるけれど、「何を言っているかわからない」とか、「言葉の語尾が不明瞭である」といった聞こえの鮮明度が落ちます。聞こえの問題以外にも、鼓膜に穴があいていると中耳炎になりやすく耳だれ(耳漏)が出る原因になります。また、入浴、水泳など日常生活にも不便をきたします。

従来の治療法は耳の後ろを約2~5cm程度切開し、鼓膜の材料となる組織を採取して手術を行うため、耳の後ろに傷を作ることになり、通常手術室での治療が必要です。鼓膜再生療法では、鼓膜欠損部に細胞増殖因子を含浸させた生体吸収性材料を留置することにより鼓膜が再生することが期待されます。この治療法は耳の中のみを触るため、体の外に傷をつけることなく、通常外来処置室での手術が可能です。過去に他院で実施された臨床試験では、鼓膜の閉鎖および聴力の改善が確認されており、8~9割の高い閉鎖率を示しています。

試験の概要

本治験で使用する治験薬は鼓膜の再生を促す細胞増殖因子と生体吸収材料を組合せたセット製品のNPC-18、鼓膜にNPC-18を接着させる医療用生体接着剤FBG-18の2つを使用いたします。

治験の目的

鼓膜に穴があいている患者さんを対象に、治験薬(NPC-18、FBG-18)を用いた鼓膜再生術の効果と安全性を確認することを目的としています。

治験に参加できる基準

主な参加基準
  1. 同意取得時の年齢が20歳以上80歳以下の患者さん
  2. 片側の耳の鼓膜に穴が6カ月以上開いている患者さんで、参加基準を満たす患者さん(両側の耳の鼓膜に穴が開いている場合は参加いただけません)

また、以下のいずれかに当てはまる患者さんは参加いただけません。

  1. 熱や炎によるやけど又は放射線治療によって鼓膜に穴が開いた患者さん
  2. 過去3年以内に悪性腫瘍を患っていた患者さん
  3. 重い合併症を持つ患者さん
  4. 妊娠中あるいはその疑いのある患者さん。授乳中の患者さん。治験期間中に妊娠    を希望している患者さん
  5. 鼓室形成術をした患者さん

この他にも、耳の状態や全身状態に関する参加の基準があります。また、参加基準を満たしていても患者さんの状態を考慮し、担当医師の判断により治験に参加いただけない場合があります。

治験の流れ

まずは当院 耳鼻咽喉科にて治験に参加できるかどうかを判断するために診察、聴力検査、側頭骨CT検査、血液検査等を受けていただきます。治験に参加いただける場合は4〜6週後に再度鼓膜の状態を確認し、検査を行った後、鼓膜再生術を行います。治療後4週目に再度鼓膜の状態を確認し、鼓膜がふさがっていない場合は、最大4回(4週毎)鼓膜再生術を繰り返します。また経過観察のために、最終治療から4週後と16週後にも来院いただき評価のための検査や観察をおこないます。

治験を受けるには

本治験を希望される鼓膜穿孔の患者さんすべてがこの治験に参加できるわけではありません。まず、当院を受診していただき、治験に参加できるかどうかを判断します。 なお、治験は同意から最終投与(鼓膜再生術)終了後、16週後の来院までが患者さんの治験参加期間となります。

お問い合わせ

診療内容についてもっと詳しく知りたい方や治療を受けることを希望される方は、下記までお問い合わせください。

担当医:山本 典生
京都大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 助教
連絡先:075-751-3731(耳鼻咽喉科 外来)
受付時間:月曜日~金曜日(祝日を除く)9時~17時30分

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