教室の紹介  > 京都大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科研修コース

耳鼻咽喉科研修コース(後期研修医向け)

I. コース一覧

  1. 耳科・鼻副鼻腔手術コース(大学スタート、関連病院スタート)
  2. 頭頸部腫瘍コース(大学スタート、関連病院スタート)

 耳鼻咽喉科では、耳科・鼻副鼻腔手術コースと頭頸部腫瘍コースのニつのコースを用意している。また、卒後臨床研修終了後に本コースへの参加が可能となり、研修を開始する施設により大学スタートコースと関連病院スタートコースに分かれる。

  本コースに参加する施設は、京都大学およびその関連病院である。各施設が共通のプログラムで耳鼻咽喉科専門医(さらに専門分野として耳科学、鼻科学と頭頸部腫瘍)を研修させ、最終的には優秀な専門医や臨床研究者を育成することを目指す。

京都大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の関連病院

静岡県立総合病院
静岡市立静岡病院
市立島田市民病院
福井赤十字病院
大津赤十字病院
滋賀県立成人病センター
滋賀県立小児保健医療センター
草津総合病院
京都医療センター
京都桂病院
京都逓信病院
北野病院
大阪赤十字病院
関西電力病院
高槻赤十字病院
枚方公済病院(京阪奈病院)
神戸市立医療センター中央市民病院
西神戸医療センター
兵庫県立尼崎病院
豊岡病院
神戸逓信病院
赤穂市民病院
天理よろづ相談所病院
奈良社会保険病院
日本赤十字社和歌山医療センター
倉敷中央病院
高松赤十字病院
小倉記念病院

II. コースの概要

1. 耳科・鼻副鼻腔手術コース

1)大学スタートコース



コース全体像

  耳鼻咽喉科・頭頸部外科専門医となるのに必要な4-5年間の研修期間を提供し、その過程の中で耳科・鼻副鼻腔手術の基本的知識と治療手技、および大学病院での高度医療を修得するコースである。

  まず大学病院にて耳鼻咽喉科・頭頸部外科医として基礎研修を1-2年行うとともに、系統的な診断と治療戦略の習得を行う。全員が研修一年目に耳科手術に関してはヒト乾燥側頭骨による解剖実習を行い、手術用顕微鏡とドリル、手術機器を用いて耳科手術の基本的手技の習得と、3次元的な解剖の理解を行う。また、鼻科手術に関しては、ヒト標本を用いた解剖手術実習を行い、鼻内内視鏡とドリル、手術機器を用いて鼻内内視鏡手術の基本的手技の習得と解剖の理解を行う。研修二年目には耳科学については、ウエットボーンを用いた解剖実習を行い、手術アプローチや軟部組織を含めた解剖の理解を行う。この間、大学で行われている高度耳科学治療および鼻科学治療への実際の参加や定期的に開催される講義・カンファレンスを通じ、耳科手術および鼻科手術の現時点での問題点と将来像への理解を深める。その後関連病院にて2-3年間、一般耳鼻咽喉科・頭頸部外科の修練とともに、耳科・鼻科疾患の臨床での治療経験を通じて、大学で得た系統的診断・治療戦略と基本的手技に対する理解を深めていく。また、各関連病院で実施されている高度耳科学治療手技を実践する。その後1年間、大学病院で更に高度な耳科・鼻科手術の習得を行うか、関連病院での専門医教育を継続する。コース終了後には、連携大学の大学院への進学、あるいはサブスペシャリティーを追求する耳科手術および鼻科手術キャリアパスを準備し、将来の多様な人材養成に対応する。

2)関連病院スタート



コース全体像

  耳鼻咽喉科・頭頸部外科専門医となるのに必要な4-5年間の研修期間を提供し、その過程の中で側頭骨外科の基本的知識と治療手技、および大学病院での高度医療を修得するコースである。

  まず関連病院にて3年間の後期レジデントプログラムに沿って耳鼻咽喉科・頭頸部外科医としての基礎研修を行うとともに、多くの耳科・鼻科疾患の治療過程を経験しながら基本的知識と治療手技を習得する。その間、大学での側頭骨解剖実習あるいは鼻・副鼻腔解剖手術実習にも参加する。その後1-2年間大学施設での修練を行い、実地で得た基本的知識と治療手技の背景にある学術的根拠を再確認する。また、大学で行われている高度耳科学・鼻科学治療へ実際に参加し、耳科手術および鼻科手術の現時点での問題点と将来像への理解を深める。コース終了後には、連携大学の大学院への進学、あるいはサブスペシャリティーを追求する耳科手術および鼻科手術キャリアパスを準備し、将来の多様な人材養成に対応する。

3) 耳科・鼻副鼻腔手術コースのプログラム内容

  耳科・鼻副鼻腔手術コースでは、スタートの異なる2つのコースいずれにおいても耳鼻咽喉科・頭頸部外科全般にわたる基礎的知識と治療手技を修得すると同時に、以下の項目の基礎的知識と治療手技をより専門的に会得することを目指す。

  1. 中耳
    • 中耳基礎
      • 中耳の構造に関する基礎知識
      • 中耳画像診断に関する基礎知識
      • 中耳感染症に関する基礎知識
    • 中耳疾患診断学
      • 鼓膜所見のとり方と理解
      • 鼓膜所見と画像・検査所見との統合
      • 所見と症状に基づいた診断方法と、治療戦略の計画
    • 中耳手術各論
      • 真珠腫性中耳炎の基礎知識と治療手技
      • 慢性中耳炎の基礎知識と治療手技
      • 耳硬化症の基礎知識と治療手技
      • 顔面神経麻痺の基礎知識と治療手技
      • 滲出性中耳炎・急性中耳炎の基礎知識と治療手技
      • その他の中耳疾患(耳小骨離断、癒着性中耳炎など)の基礎知識と治療手技
  2. 内耳
    • 聴覚・平衡神経学基礎
      • 内耳の構造に関する基礎知識
      • 内耳画像診断に関する基礎知識
      • 聴覚評価法の原理と鑑別診断
      • 平衡機能検査の原理と鑑別診断
    • 人工内耳手術各論
      • 人工内耳の基礎知識
      • 正常耳における人工内耳手術の治療手技
      • 内耳奇形における人工内耳の基礎知識と治療手技
      • 小児人工内耳におけるハビリテーションの基礎知識
  3. 側頭骨標本を用いた基礎知識と手術手技
    • 一年目:ヒト乾燥側頭骨を用いた実習
      • 側頭骨の表面解剖の習得
      • 手術用顕微鏡とドリルの使い方の習得
      • 側頭骨深部の正常構造の習得
    • 二年目:ヒト側頭骨を用いたウエットラボ
      • 中耳手術アプローチの習得
      • 顔面神経・内耳と中耳構造の立体的な関係の理解
      • 内耳・内耳道の微小構造の理解
  4. 高度耳科学
    • 京都大学
      • 内耳再生医療
      • 内耳奇形に対する小児人工内耳手術
      • 側頭骨外科(内耳道・錐体尖病変の基礎知識と治療手技)
    • 関連病院
      • 小児保健医療センターと連携した小児難聴・人工内耳症例の療育
      • 中耳手術教育システム
      • 症例に応じた治療戦略
      • 全身への侵襲が中耳に及ぼす影響
      • 外耳道後壁軟組織再建による鼓室形成術
      • 再生医療の臨床応用(乳突腔・鼓膜の再生医療)
      • 日本最多の症例数を通じた高度な鼓室形成術
      • 低侵襲・短時間の鼓室形成術
      • 脳機能画像による中枢聴覚路の機能と可塑性
      • 小児人工内耳の手術と療育
      • めまいに対する手術治療
      • 積極的な中耳疾患治療
      • 豊富な症例数に基づいた統一方針による手術
      • 実地医家の立場からの特別講演・カンファレンス
  5. 鼻・副鼻腔
    • 鼻・副鼻腔基礎
      • 鼻・副鼻腔の構造に関する基礎知識
      • 鼻・副鼻腔画像診断に関する基礎知識
      • 鼻・副鼻腔感染症に関する基礎知識
    • 鼻・副鼻腔疾患診断学
      • 鼻内のとり方と理解
      • 鼻内所見と画像・検査所見との統合
      • 所見と症状に基づいた診断方法と、治療戦略の計画
    • 鼻・副鼻腔手術各論
      • 慢性副鼻腔炎の基礎知識と治療手技
      • 鼻中隔彎曲症の基礎知識と治療手技
      • アレルギー性鼻炎の基礎知識と治療手技
      • 鼻出血の基礎知識と治療手技
      • 内翻性乳頭腫の基礎知識と治療手技
      • 下垂体腫瘍の基礎知識と治療手技
      • その他の鼻腔腫瘍(上顎癌、血管性腫瘍)の基礎知識と治療手技
  6. 鼻・副鼻腔標本を用いた基礎知識と手術手技の習得
    • ウエットラボ
      • 各副鼻腔へのアプローチの習得
      • 鼻・副鼻腔構造の立体的な関係の理解
      • 鼻・副鼻腔の主要血管の理解
  7. 高度鼻科学
      • 鼻・副鼻腔腫瘍の内視鏡的治療
      • アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術
      • 前頭蓋底腫瘍の内視鏡的治療
      • 下垂体腫瘍の内視鏡的治療

 

2.頭頸部腫瘍コース

1)大学スタートコース

コース全体像

 耳鼻咽喉科専門医となるのに必要な4-5年間の研修期間を提供し、その過程の中で頭頸部腫瘍の基本的知識と治療手技、および大学病院での高度癌医療を修得するコースである。

  まず大学病院にて耳鼻咽喉科専門医として基礎研修を1-2年行い、その後関連病院にて2年間、一般耳鼻咽喉科専門修練とともに地域連携を基盤とした癌のチーム医療を多くの頭頸部腫瘍の治療過程を経験しながら修得を行う。その後、最低1年間大学施設での高度癌治療の修練を行う。京都大学では機能温存治療に重点をおいた研修を行う。コース終了後には、大学院への進学、あるいはサブスペシャリティーを追求する高度癌専門医キャリアパスを準備し、将来の多様な人材養成に対応する。

2)関連病院スタート

コース全体像

 耳鼻咽喉科専門医となるのに必要な4-5年間の研修期間を提供し、その過程の中で耳鼻咽喉科腫瘍の基本的知識と治療手技、および大学病院での高度癌医療を修得するコースである。

  まず関連病院にて3年間の後期レジデントプログラムに沿って耳鼻咽喉科専門医として基礎研修と癌のチーム医療を多くの頭頸部腫瘍の治療過程を経験しながら研修する。その後京都大学での高度癌治療の修練を行う、京都大学では機能温存治療に重点をおいた研修を行う。コース終了後には、大学院への進学、あるいはサブスペシャリティーを追求する高度癌専門医キャリアパスを準備し、将来の多様な人材養成に対応する。

3)頭頸部腫瘍コースのプログラム内容

  頭頸部腫瘍コースでは、スタートの異なる2つのコースいずれにおいても耳鼻咽喉科全般にわたる基礎的知識と治療手技を修得すると同時に、以下の項目の基礎的知識と治療手技をより専門的に会得することを目指す。

  1. 頭頸部腫瘍学
    • 腫瘍学基礎
      • 腫瘍発症、転移・浸潤などに関与する生物学的、分子細胞学的メカニズムの基礎的知識
      • がん疫学、予防に関する基礎知識
      • 放射線腫瘍学の基礎知識
      • 頭頸部腫瘍画像診断に関する基礎知識
      • 頭頸部腫瘍に対する抗癌剤に関連する薬理学的基礎知識
      • 頭頸部腫瘍病理診断の基礎知識
      • 臨床試験に関連する基礎知識(効果判定など)
    • 頭頸部腫瘍患者のケア
      • がんの心理社会的側面の理解と知識(地域連携医療も含めて)
      • 疼痛・疼痛緩和の基礎知識
      • 頭頸部腫瘍患者のリハビリテーション
      • 支持療法(化学療法の副作用対策、輸血療法、栄養管理)の基礎知識
    • 頭頸部腫瘍各論
      • 喉頭癌の基礎知識と治療手技
      • 上・中・下咽頭癌の基礎知識と治療手技
      • 口腔癌の基礎知識と治療手技
      • 副鼻腔癌の基礎知識と治療手技
      • 甲状腺癌の基礎知識と治療手技
      • 再建外科の基礎知識と手技
      • その他の頭頸部腫瘍の基礎知識と治療手技
    • ヒト標本を用いた頭蓋底手術実習
      • 頭蓋底解剖の理解
      • 頭蓋底アプローチ法の理解と習得
  2. 高度癌医療
    • 京都大学
      • 放射線科との連携による集学的治療
      • 頭頸部癌に対する機能温存手術
    • 関連病院
      • 他病院との綿密な連携に基づく頭頸部癌治療
      • 患者のQOLを重視した頭頸部癌治療
      • 頭頸部癌に対する集学的治療
      • 頭蓋底拡大手術などの積極的な頭頸部癌手術
      • 低侵襲・短時間の頭頸部外科手術
      • 進行癌に対する再建手術
      • 再生医療の臨床応用(頭頸部術後の再生医療)
      • 豊富な症例数に基づく頭頸部癌治療


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最終更新: 2012年1月31日 23:05