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ナッシュビル便り

2008/3/25 大野恒久

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様、はじめまして。耳鼻咽喉科・頭頸部外科大学院生の大野恒久と申します。

はじめに簡単に自己紹介をいたしますと、私は平成12年に京都大学を卒業し当科に入局、外の病院で5年間臨床研修を行いました。その後京都大学大学院に入学し、在学中にこちらへ留学してきました。早いもので、留学してから1年がたとうとしておりますが、今回、大学より留学記を依頼されたので、私の研究先や研究の内容をご紹介したいと思います。

私は去年の6月より、テネシー州ナッシュビルにある、ヴァンダービルト大学メディカルセンターで研究しております。(写真1 メディカルセンター)日本の方にはなじみが薄いかもしれませんが、テネシー州はJack Daniel`s(テネシーウイスキー)などが有名なアメリカの南部の州で、ナッシュビルはカントリーミュージックの聖地といわれております。たまに、有名なミュージシャンや音楽家がここに来て、コンサートを開いているようです。こちらへ留学してきた当初は、ナッシュビルに対する知識がほとんどなく、初めての外国暮らしでいろいろと不安でしたが、実際来てみると治安も良く、気候も比較的穏やかで、たいへん住みやすい場所でありました。(しかし、この前はトルネードが猛威を奮ってびっくりしました)日本人留学生も思ったより多く、最近では北米日産の本社が移転してきたため、ナッシュビル近郊に住む日本人も増えてきており、それに伴って日本の領事館も移転してきました。

現在研究を行っているヴァンダービルト大学は歴史のある名門私大であり、ノーベル平和賞を受賞したゴア元副大統領やムハマド・ユヌスなどの著名人を数多く輩出しております。また、本大学における10の専門教育機関はそれぞれの専門分野において国際的に知られる存在であり、私の所属する耳鼻咽喉科も全米大学ランキングにてトップテンに入っております。耳鼻咽喉科のchairman, Dr. Ossoff は、耳鼻咽喉科領域の中で喉頭を専門とし、アメリカ喉頭科学会の大御所です。主にprofessional voice の治療をしており、数多くの有名な歌手や著名人が彼のclinic を訪れ治療をしています。
京都大学大学院在学中は、声帯(喉頭にある発声をするための器官)の再生の研究をメインテーマに行っていました。現在ほとんどの声帯疾患は様々な治療法により克服されてきましたが、声帯にできる瘢痕は今なお治療困難な疾患であります。声帯瘢痕は炎症や外傷などにより起こり、重篤な嗄声もしくは失声をきたします。組織学的には正常な組織が線維性組織に置き換わった状態と定義され、治療のためには、失われた正常組織を再生させる技術、または薬剤などが必要となります。そこで私は、瘢痕声帯の治療法開発のため日々研究をしております。将来的には加齢声帯治療の研究も行いたいと考えております。

私の研究室は、定期的に学生や研修医が手伝いにきてくれますが、ボスと私だけの小さなラボです。(写真2 写真中央がボス、右側が私です)ボスはspeech pathologist(日本でいう言語聴覚士)として学位を取った研究者であり、clinicで患者の診療を行いながら研究しております。基本的に研究に関しては、私がやりたいことを自由にさせてもらっているので、実験計画書の作成、必要器材の購入、動物の発注、実験、そして論文の作成と、最初から最後まで一人で試行錯誤しながらやっています。

ところで、アメリカでは平日の夜や土日に研究している人はほとんどいません。5時過ぎにはみんな帰ってしまいます。みんな家族との時間を大切にしており、休日はよく友達や同僚を呼んでホームパーティーが開かれます。(写真3 耳鼻科研究グループのパーティー)最初は日本との生活のギャップにとまどっておりましたが、私も最近では研究の合間にアメリカ生活を満喫して楽しんでおります。週末になるとアメリカではさかんにスポーツの試合が行われており、みんなで観戦に行くこともあります。(写真4 大学のアメリカンフットボールの試合)また、アメリカは休暇が多いので、年末年始に休みをとって、フロリダのディズニーワールドに行ってきました。(写真5 昼間のパレード,写真6 大晦日のカウントダウン後の花火)これからもアメリカ生活をエンジョイしながら、研究で成果をあげることができたらと思っております。

 

 

最終更新: 2012年1月31日 23:05