人工股関節置換術を受けた患者さんの機能回復に対するグレリンの臨床試験について
2005年9月より、変形性股関節症で人工股関節置換術を受けた患者さんに対してグレリン投与の臨床試験を開始しています。
変形性股関節症とは
変形性股関節症は、高齢者の方に多い病気で、股関節が痛み、動きが制限されます。先天性股関節脱臼あるいは臼蓋形成不全といった股関節の病気をお持ちの方が、年齢とともに軟骨が減ってきて、発症します。
現在の治療とグレリンについて
現在の治療方法は、大きく分けて、手術をせずおくすりで症状をやわらげる保存的治療と、手術療法の二つに分けられますが、特に、高齢者の方で、病気の程度が重い場合には、人工関節置換術が行われます。高齢者の方の場合、筋力が落ちており、若い方に比べると、手術の後の回復が遅れがちです。この筋力低下には、成長ホルモンというホルモンが高齢者の方では低下していることが関係していると、最近いわれるようになりました。
グレリンは1999年胃で見つかったホルモンですが、成長ホルモンというホルモンの分泌を強力に刺激することが分かっています。
成長ホルモンには、筋力の増強作用があることが知られており、海外での成績では、人工股関節置換術の術前後に成長ホルモンを投与することで、術後の筋力や歩行能力に改善が見られたという報告があります。そこで今回の臨床試験では、人工股関節置換術をお受けになる患者さまにグレリンを投与することで、成長ホルモンの作用を介して術後の筋力や歩行の回復が早いかどうかを検討します。