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内視鏡下消化管手術の歴史と現状

 1981年にドイツでSemmにより行われた腹腔鏡下虫垂切除術が内視鏡下消化管手術の始まりと考えられます。
 1985年にはドイツでMuheにより腹腔鏡下胆嚢摘出術 が行われました。
 この腹腔鏡下胆嚢摘出術は1990年に日本に導入され、その後約5年で全国的に普及し現在では胆嚢摘出術の約80%が腹腔鏡で行われていると予想されます。
 1991年にアメリカでJacobsにより腹腔鏡下大腸手術が 、1992年に英国でCuscheriにより食道癌手術が内視鏡下に行われました。
 胃癌に対する内視鏡下手術は1991年に日本で始まりました。国内では1993年から大腸癌に、1996年から食道癌にも内視鏡下手術が用いられるようになりました。

 食道癌治療ガイドライン(2002年版)、胃癌治療ガイドライン(2004年版)では内視鏡下(腹腔鏡あるいは胸腔鏡) 手術は研究的治療と位置づけられていますが、2002年に社会診療報酬の対象としてすでに認められています。

 食道癌は胃癌や大腸癌に比較すると手術数も少なく手術手技も困難なため、内視鏡下(腹腔鏡あるいは胸腔鏡) での食道癌手術は限られた施設でしか行われていません。

 胃癌に対しては多くの施設で早期癌を対象に腹腔鏡手術が行われているのが現状です。

 大腸癌に対する腹腔鏡手術も食道癌、胃癌と同様に2002年に社会診療報酬の対象として認められ、2006年に出版された大腸癌治療ガイドラインでは早期大腸癌を対象とした手術治療として推奨されています。

 一方、進行結腸癌(大腸癌は結腸癌と直腸癌に分類されます)に対する腹腔鏡手術は従来の開腹手術と比較し 短期・長期成績ともに変わらないとの海外での臨床試験結果に基づき、進行結腸癌にも広く腹腔鏡手術が行われています。

 直腸癌に対しては手術手技の困難性のため早期癌に限定している施設が多いのが現状です。

手術画像 おなかに数か所の切開(通常0.5-1cm)の穴(切開)をあけて、腹腔鏡という細い手術用カメラ(内視鏡)を用いて、おなかの中の様子を見ながら手術を行います。

内視鏡
鉗子(かんし)と呼ばれる道具をおなかの中 いれて、手術を行っていきます。

縫合イメージ
腹腔鏡手術では、おなかの中で、開腹手術とほぼ同じような手技が行えます。


当診療科での内視鏡下(腹腔鏡・胸腔鏡下)消化管手術

『内視鏡下手術の利点を最大限活用し開腹・開胸手術ではなしえない患者さんに優しく(低侵襲)、精緻な手術』をめざして~

 京都大学外科では2003年から早期大腸癌や胃癌に腹腔鏡手術が行われていましたが、本格的な腹腔鏡消化管手術は2005年6月16日に消化管外科教授として坂井が着任後、新しいスタッフ構成で始まりました。

 坂井自身は1991年(国内に内視鏡下手術が導入された1年後)から腹腔鏡胆嚢摘出術の経験を積み、 1998年より大腸癌とクローン病に、2001年より胃癌と潰瘍性大腸炎に、そして2004年より食道癌に対して内視鏡下手術を始めました。
 この経験と実績に基づき、教授就任後は食道から直腸までの全消化管領域の疾患に対して内視鏡下手術の指導責任者として、『内視鏡下手術の利点を最大限活用し開腹・開胸手術ではなしえない患者さんに優しく(低侵襲)、精緻な手術』をモットーに日々の診療を行っています。
 食道癌胃癌大腸癌に対する当診療科での内視鏡下手術の適応条件は各疾患の説明ページを、 また新しい診療科として出発した2005年7月以降の手術実績は 教室紹介のページをご覧下さい。

 現在当教室では、坂井教授を筆頭に日本内視鏡学会技術認定医6名が各分野において診療に当たっています。

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