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体験者座談会Talk session

今回集まったのは、当センターの人材交流プログラムで派遣を経験した10名と、 京都大学医学部附属病院の井川順子看護部長。当センターメイン担当の幸野看護師を聞き手に、 異なる施設に移動することで見えてきたこと、これからの思いなどを大いに語り合いました。

※座談会の内容は平成29年9月時点のものです。

看護師/中村 直美
京大病院→あそかビハーラ病院へ
看護師/長野 匡洋
京大病院→がくさい病院へ
助産師/大前 友里惠
京大病院→綾部市立病院へ
看護師/塩見 磨耶
市立福知山市民病院→京大病院へ
看護師/兼元 美久
市立福知山市民病院→京大病院へ
看護師/岡崎 涼子
京丹後市立弥栄病院→京大病院へ
看護師/東 承子
あそかビハーラ病院→京大病院へ
看護師/西村 勇樹
京大病院→京丹後市立弥栄病院へ
助産師/皆元 梓
京大病院→市立福知山市民病院へ
看護師/有馬 悠乃
京大病院→結ノ歩訪問看護ステーション(訪問看護)へ

進行:井川 順子(京都大学医学部附属病院 看護部長)、幸野 里寿(看護職キャリアパス支援センター)

Q1.京大病院から地域の病院に行ってみてどうだった?

長野:派遣先であるがくさい病院は回復期の病院です。急性期を扱う京大病院と違って、何かと新鮮で、毎日新しいことを学べていると思います。がくさい病院は京大病院に比べてリハビリスタッフがベッドサイドに来ることが多く、看護師と話す時間も長いように感じますね。どれくらいリハビリが進んでいるか、病室ではどれくらい動いているか、これからどうケアしていこうかなど、本当にいろいろ話します。これはすごくいいことだなあと思いましたね。

西村:僕の場合は京大病院から弥栄病院に行って、まず100歳を超えるひとたちが普通にいることにびっくりしました。これまではそこまで高齢の方に関わったことがなかったので、病室に3人くらい100歳以上のひとがいるという環境に驚きで。弥栄病院のある京丹後市は100歳以上の高齢者が全国平均の2.5倍もいるそうです。


西村:腰が曲がっても元気で自転車に乗っている、そういうことも含めて、新しいことを知れる、触れられるのはとてもいい経験だと思っています。

大前:私の場合は派遣先が以前に勤めていた病院だったので、驚きというよりは懐かしさの方が大きいかもしれません。2年ぶりにお産の現場に戻ってみて、やはり自分に足りない技術などを再確認できたのは良かったと思います。

有馬:私は訪問看護の現場に派遣されて2年目を迎えました。利用者さんとのコミュニケーションにも慣れて楽しくなってきたところ。退院支援の本当の難しさなども見えてきて、充実した毎日を過ごせていますね。

中村:私は終末期の看護を勉強したくて、ホスピスへの派遣を希望しました。派遣がはじまってもうすぐ半年。少しずつ慣れてきて、ようやく自分の意見なども提案できるようになってきました。急性期で治療にあたる京大病院とホスピスは役割も、使用する薬剤も異なるのですが、経験してみて思うのはどちらも看護の基本は同じということでしょうか。患者さんに寄り添ってケアをする、というのは変わらないと感じています。

Q2.地域の病院から京大病院に来て学べることって?

東:私は中村さんと反対で、がんの治療期にあたる看護を学びたくて、ホスピスから京大病院にやってきました。看護の知識、技術はもちろんですが、患者さんとの関わりの中で治療への思いなどを聞かせていただくことで、目に見えないものもたくさん学ばせていただいています。化学療法の外来では1日に70人以上の方がいらっしゃるのですが、限られた時間でも些細な変化に気づけるようにいつも感性をフル稼働させています。

岡崎:私は今、西村さんが派遣されていらっしゃる弥栄病院から京大病院にきました。弥栄病院は地域にあるこじんまりとした病院で、京大病院にあるような超急性期の医療機器は少ないんですね。はじめて見る機器類も多く、先輩の方から一つひとつ丁寧に教えていただいています。また、時々弥栄病院のある丹後エリアの方が京大病院に搬送されてくる方がいらっしゃいます。そういう方に私が丹後弁で話しかけると、ちょっと和んでいただいたり。心臓血管疾患集中治療室はいつも緊張感があるので、そういうところで役に立てるのはうれしいですね。


兼元:京大病院のICUに派遣される前は、福知山市民病院のICUで勤務していました。ただそこでの経験も9か月ほど。本当に私の実力で京大病院のICUについていけるか不安でした。だけどこちらのひとはみなさん懐が広いというか、1年で去っていく私にも新人さんと同じように丁寧に教えてくださるのがすごいなと思いました。それにカンファレンスも頻繁に行われるのですが、そこで年数関係なくみんなが同じように自分の意見を述べるのも驚きました。普通はどうしても経験のあるひとが話をリードすると思うのですが、ここはみんながきちんと自分の考えを伝えています。それは見習っていきたいと思いました。

井川:すごくいいところを見つけてくださってありがとうございます。でも今はエビデンスも含めていろいろな情報がインターネットで手に入ったりする時代ですから、キャリアが長い者の意見が通るなんてことはどこもなくなっていくと思いますよ。

Q3.派遣を通して得たものは?

幸野:私自身がそうだったのですが、まだ経験がない頃ってリスクの高い患者さんに関わったりするのが怖いですよね。自分の中の壁のようなものを乗り越えることについて、今から塩見さんが素敵なお話をしてくださいます(笑)。

塩見:えっと……(笑)、もともと手術室看護師として福知山市民病院に勤務していましたが、ちょっと難しい手術はつきたくないなと思ったり、術中に出血などの変化があるとパニックになったり。いつも恐怖や不安を感じながら働いていました。だけど京大病院で心臓外科の手術や移植などを経験して自信がついたというか、とりあえず知識は得ることができました。今は福知山市民病院に戻ってから難しい手術につきたいなと思います。それに術中に変化があったときも進んで手伝いたいですし、次に何が必要かを予測できるようにもなりました。派遣を経験することで、自分の心にこんなに変化があるとは思ってもいませんでした。

東:私はこの派遣期間の中で出会った患者さんから、とても印象的な言葉を聞きました。それは「慣れんといてな」というひと言。どういうことかというと、医療従事者は数いる患者さんの中のひとりと思うかもしれないけれど、患者さんにとってはたったひとりずつの存在。だから告知も、治療の説明も、慣れないでいてほしい。そんな思いから出てきた言葉だったんです。経験を積むほど慣れが生まれてしまいますが、この患者さんの言葉で改めて一期一会と、患者さんの側に立つことの大切さに気づきました。



皆元:目標に近づけば近づくほど、したいことは増えていくんだなと最近実感しています。先にも言われていましたが、派遣でありながら丁寧に育てていただいたのは私も同じ。インプットだけだった去年を経て成長させてもらった今、自分の目標だけでなく派遣先の病院に何を返していけるだろう、そんな気持ちがとても大きくなっています。そういう気持ちになれるのも、この人材交流プログラムの良さだと思います。



井川看護部長から

知識や技術を学べるのは、
ひととひとのつながりがあってこそ。

分野も目標も異なるひとたちが集まり、お互いの学びを共有し合う、こうした場はそれぞれの成長にとってとても意味のあるもの。ぜひそれぞれに吸収をして帰っていただけたらうれしいですね。また、派遣先の病院で知識や技術をたっぷりと教えていただいているのは、きっと皆さんがそれぞれの現場で信頼関係を築いているからこそだと思います。これからもひととひとのつながりを大切に、学びを深めていってもらえたらと思います。そしてくれぐれも体には気をつけて、目標に向かって進んでいってほしいと思っています。



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