京大病院に診療科として歯科口腔外科が開設されたのは、昭和19年8月で60年以上も前のことになります。しかし、口腔外科がどのようなことをしている診療科なのかという認識は、残念ながら医療関係者以外には未だ低いのが現状です。このホームページが口腔外科を少しでもご理解いただき、受診・紹介・研修などの一助になることを願っております。
 当科では、すべての歯科口腔外科疾患を対象に幅広い診療を行っており、かつ京大病院における診療科としての特性を生かした医科歯科連携の診療を行っております。
外来においては、種々の医学的合併症を有する患者さんの治療・移植医療にかかわる口腔衛生管理と治療・隣接診療科との連携診療・デイサージャリー部門での日帰り手術に加え、専門外来として組織再生インプラント外来・顎矯正外来・顎顔面骨折外来・顎関節外来・口腔腫瘍外来・睡眠呼吸障害外来・口腔難治性疾患外来・唇顎口蓋裂補綴外来・審美歯科外来を置き、各分野の専門医が治療にあたることで良好な治療成績を収めています。歯科衛生士や看護師の加わるチームにより口腔ケア・摂食嚥下機能療法にも取り組んでおります。また、入院では関連病院との病病連携、診療所との病診連携を進め、口腔顎顔面再建・顎矯正外科・口腔腫瘍治療・顎関節外科など高度先進医療を含む高次診療に力を入れております。したがって、すべての患者さんに対し、齲蝕・歯周病などの定期的な診察・診査まで行おうとは決して考えておりません。それは診察の待ち時間ばかり長くなり、患者さんの立場からすると、不快かつ非効率的な診療システムとなってしまうからです。患者さんにはご自分の通院しやすい場所に、密に接し関わることのできるかかりつけ歯科診療所をぜひ持っていただきたいと考えております。日常の齲蝕・歯周病等に対する口腔清掃指導や基本的な一般歯科治療についてはかかりつけ歯科診療所にお願いし、前述のような専門性の高い高次医療については当科で担当させて頂く、病診連携システムを強化したいと考えております。
 上記のような幅広い診療、高次診療を行うためには、臨床(診療)のみならず、研究のレベルを高める努力も必要と考え、国内のみならず世界に通用する研究を進めてまいります。さらに現在、多くの関連病院と協力体制を整え、医学的視野に立った歯科医師臨床研修制度の充実、口腔科医・口腔外科専門医の育成を重要課題として、教育にも力を注いでおります。当科の研修制度・研究などに興味をお持ちでしたら、学生・研修医のみならず、すでに臨床経験を有する意欲ある方々の参加も歓迎いたします。
 今後も一層の努力を続ける所存でございますので、さらなるご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

教授 別所 和久