インプラント(Implant)とは植え付けることを意味し、歯科の領域では一般的に人工歯根治療を示しています。何らかの原因で歯を失うこととなってしまった場合には、従来、@隣り合う歯を支えに、橋渡しをして、数本が一塊りの歯を用いて歯を補う方法(ブリッジ)、A隣り合う歯に加えて、歯が失われた後の歯ぐき、いわゆる土手の部分も支えに利用して、取り外しの入れ歯を用いて歯を補う方法(入れ歯) などがあります。インプラント治療では、失われた歯の顎の骨に人工の歯根を埋め、その上に人工の歯を固定します。
インプラントの治療においては、術前の診査診断が重要になります。インプラントを植える骨の質や粘膜の状態だけではなく、糖尿病や心疾患などの全身的な検査も不可欠となります。インプラントと骨が馴染む(生着する)のに3〜8ヶ月程度を要し、通常、インプラント治療を開始して最終的な補綴物(人工の歯)が入るまでに下顎では半年、上顎では1年間程度かかります。
また、インプラントの歯の周囲に虫歯や歯槽膿漏の歯がある場合にはインプラント手術前にきちんと治療しておかなければなりませんし、長期間の高い成功のためにはインプラントによる歯を使い出してからも定期的な診査が重要です。

京都大学では1989年にインプラント治療を開始し、インプラントの専門医をはじめ補綴修復医、歯科技工士、歯科衛生士、看護師がチームアプローチで治療に当たっております。また、京大病院口腔外科は1993年12月にはこうしたインプラント治療の優れた治療実績と研究業績により厚生省(現・厚生労働省)より日本で4番目に、インプラント治療に一部健康保険が使えるインプラント高度先進医療機関として認定されました。
 私たちは、歯科インプラントを、失われた歯を回復するための方法として行うだけでなく、お口の中の歯や歯ぐきを中心とした口腔全体の健康を、末永く保っていくための一つのオプションとして考え、関連する歯科診療各科の先生方、歯科衛生士、技工士の方々と密に連携をとりながら、総合的な診療を行っていくことを目標としております。
 とりわけ、患者様ごとにさまざまに異なるニーズを的確に把握し、インプラント治療をはじめとする専門性の高い歯科診療を、適切に組み合わせることにより、きめ細やかに対応させていただくことを心がけております。

だれでも、インプラントはできるのか?
 歯科インプラント治療は、大変効果的な治療法ですが、全ての方々が簡単に手に入れられるものではありません。
 私たちは、インプラント治療を開始する前に、しっかりと長持ちするようなインプラントを、安全にご提供させていただけるかどうかを、検査させていただいております。
 検査には、通常2〜3回の来院を要します。
 その後に、インプラント治療を実際に行わせていただけるかどうかを、ご相談させていただいております。