教授挨拶

京大精神科のホームページへようこそ

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皆さんは精神科や精神医学という言葉にどんなイメージをお持ちでしょうか?

大学で学ぶ学生さんたちを長年見ていますと、精神科のイメージには、だいたい2つのパターンがあるように感じています。第1のタイプは、薬理学や脳科学に強い関心を持っている学生さんたちで、その延長で精神医学という分野に大きな期待を抱いています。神経科学(ニューロサイエンス)はこの20年間で大変な進歩を遂げましたが、これからの数十年の間に最先端の研究によって解明されるべくして最後に残されたのが精神疾患である、つまり精神医学は自然科学のフロンティアである、というイメージです。他方、心理学や哲学に親和性のある学生さんたちもいて、精神科について、内科や外科などの臨床医学の他の分野とはまったく異質のイメージを抱いています。私たちの心で起きている出来事は、脳や遺伝子などの物質に還元できない、それ以上のものである、というイメージです。精神科を受診される患者さんやご家族の方の場合も同様で、精神科の病気について、「脳の病気」と考える人、「心の病」と考える人、二通りに分かれるように感じて
います。

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実は、精神科、そして精神医学は、ニューロサイエンスの単なる一分野でもなければ、かといって、物質界の現象から遊離した魂や心の問題を扱う分野というわけでもない、そう私たちは考えています。脳の側からの視点、心の側からの視点、そのどちらの視点も兼ね備えなければ、精神科の病気を本当に理解し、受診された患者さんのためになる治療を行うことなどできないのです。

両方が大切といっても、どのような患者さんに対しても、脳と心の検査を組み合わせて行って、薬の治療とカウンセリングを組み合わせて行えばよい、というそんな安易な話ではありません。それぞれの患者さんの症状や病気に応じて、私たちは、もっとも適切な検査、そして治療法を提供していくことを目指しています。そのためには、脳からみていく発想であれ、心からみていく発想であれ、それぞれの手法・技法に精通したスペシャリスト(専門家)の存在が欠かせません。

当精神医学教室は、ここで学ぶ皆が精神医学全般についての基礎知識の習得に励んでいることはもちろんですが、それだけでなく、それぞれが、心理療法、薬物療法など、何らかの専門分野のスペシャリストを目指し、日々研鑽しています。そして、それぞれのスペシャリストが自分と異なる立場の同僚にも敬意を払いながら、必要なときには進んで協力しあって、精神科の病気の原因や治療法の解明、そして個々の患者さんの治療に全力を尽くしています。
さまざまな関心、観点、発想をもった医師、コメディカル、そして研究者の皆さんが私たちの仲間に加わってくださるのを心から歓迎します。そして、高度な専門性、自由な発想、そして高い倫理性を兼ね備えたスペシャリスト集団によって、当診療科や関連医療機関を受診される皆さんに、最良の治療を提供していきたいと考えています。

教授 村井俊哉

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