関節リウマチ 概要

 リウマチ性疾患(関節リウマチ、変形性関節症など)の診療を行っています。特に関節リウマチに対する治療は、薬物治療が中心となります。患者さんを定期的に診察させて頂くと共に、その病状に応じた適切な薬物治療を行っています。薬物による内科的治療だけでなく、整形外科として関節機能の保持、改善を目的とした、装具療法、運動療法も合わせて行っております。近年、生物学的治療と呼ばれる新しい治療の開発が行われ、今まで手をこまねいて見ているしかなかった関節破壊に対し一定の抑制効果が得られるようになってきました。当外来では当院のリウマチセンターおよび免疫・膠原病内科と連携し、その顕著な効果だけでなく副作用、医療経済的な側面も含めて総合的に関節リウマチの治療にあたっています。

 2011年4月から、京大病院にリウマチセンターがオープンしました。これは、関節リウマチ患者さんを診る整形外科と免疫・膠原病内科が合同で設立した、西日本では類をみない総合リウマチ科です。整形外科ではリウマチセンターと協力しながら、患者さんの診療はもちろんのこと、よりよい治療を目指した臨床研究や患者さんや一般の方々の啓蒙や教育にも力を入れています。

 しかし、新しい治療の進歩にもかかわらず、リウマチ性疾患により関節機能が障害されると、外科的手術が必要になる場合があります。関節リウマチによる関節破壊を防止し関節を温存するために、罹患早期の関節に対しては滑膜切除術が有効です。関節破壊がある程度進行した関節の機能改善のためには、関節形成術や固定術が必要になります。更に関節破壊が進み関節温存ができない場合、特に股関節、膝関節、肘関節、足関節、肩関節のような四肢の大関節が障害された場合は人工関節置換術を行っています。京都大学における股関節、膝関節、肘関節、肩関節に対する人工関節の術後成績は良好であり、疼痛の軽減を含む機能障害の改善に役立っています。また最近は歩行に大きな障害となる足関節や足指(図1)、関節リウマチで最も障害される手指の外科的治療(図2)にも積極的に取り組んでいます。

京都大学で開発した人工膝関節は(動画)日本人の生活様式を考慮して深屈曲可能であることが特徴であり、術後膝可動域制限が生じないように工夫されています。股関節破壊においても、再建プレート、骨移植を併用し、良好な成績を治めています。肘関節は半拘束式の人工関節を使用することにより、関節破壊が著しい場合でも手術可能です(図3)。足部の関節は多くの小関節の集合体であり、治療には人工足関節を含めた(図4)様々な治療法の組み合わせで行われています。また同時によりよい治療成績を目指した新しい人工関節の開発も行っており、近い将来使用できることが期待されます。

 関節リウマチでは関節だけでなく腱断裂や脱臼、脊椎障害がおこることがあり、これらに対しても適切な時期に手術が必要になります。特に上位頚椎が障害される場合固定手術が必要となることがありますが、京都大学では独自に開発した手術器具を用いて安全に手術が出来るように工夫しています(Magerl術後CT)。



 どの手術においても手術後は出来るだけ早い時期から理学療法を開始して頂き、平均して術後3週で退院可能となります。退院後も内科的治療、理学療法の指導も含めて、定期的に診察を行います。

関節リウマチ 特色

 特に診療上、力をいれている点として以下のようなものがあります

  1. 京大病院全体の関節リウマチ患者さんのコホートである、KURAMAコホートの構築
  2. リウマチ性疾患への関節超音波の適応と応用
  3. 全身の関節/脊椎の総合的評価と総体的治療の一環としての手術治療の遂行
  4. 総合的なリハビリテーションの導入と推進