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水疱症

○ 水疱症には大きくわけて遺伝性水疱症と自己免疫性水疱症の2種類があります。
  1.遺伝性水疱症
遺伝的に皮膚が弱いために、軽い摩擦などによって簡単に水ぶくれができたり、ただれたりしてしまう病気です。
代表的な疾患は「表皮水疱症」や「ヘイリー・ヘイリー病」です。遺伝的に弱い皮膚を治療で強くすることはできないので、治療は対症療法(ただれてしまったところを軟膏などで保護する)が中心になります。また、ただれを予防するためには、なるべく皮膚にかかる摩擦を少なくすることが重要です。場合によっては、患者さんの足の形にあわせて靴をオーダーメイドで作ることで症状を軽くすることができます。
京大病院では、そのような特殊な靴の製作を請け負う専門の業者とも連携して治療にあたっています。
2.自己免疫性水疱症
通常、体の免疫システムは細菌やウイルスといった外敵を攻撃して排除する一方で、自分自身の体は攻撃しないような仕組みになっています。ところが、時に免疫システムが、間違って自分自身の体も攻撃して病気になってしまうことがあり、このような病気を「自己免疫疾患」と呼びます。自己免疫疾患の中で皮膚が攻撃されて水ぶくれやただれが出来てしまう病気が「自己免疫性水疱症」です。
症状から自己免疫性水疱症が疑われたら、生検(皮膚を直径4mmくらい採取する検査)、血液検査などの検査を行って、どのようなタイプの自己免疫性水疱症なのかを診断する必要があります。「天疱瘡」や「類天疱瘡」が代表的な自己免疫性水疱症です。有効な治療がなかった時代には命を落とす危険の高い病気でしたが、現在ではステロイド剤を中心とした治療の進歩によって、命を落とすことはほとんどなくなっています。ただし、多くの場合は入院治療が必要で、退院後も長期の外来通院が必要になります。
○ 自己免疫性水疱症の診断・治療については皮膚科の専門的な知識と経験が必要です。
  水ぶくれやただれがたくさん出来てきた場合には、まずお近くの皮膚科専門医(皮膚科開業医や一般病院皮膚科)の診察をうけることをお奨めします。診察の結果、京大病院での検査・治療が望ましいと判断されれば、紹介状をもって京大病院を受診していただき、詳しい検査や入院治療などを行うことになります。
京大病院皮膚科は地域の皮膚科専門医との連携をすすめており、地域の皮膚科開業医や一般病院皮膚科から紹介された自己免疫性水疱症の患者さんを数多く治療しています。
日本皮膚科学会ホームページ(http://www.dermatol.or.jp/)の皮膚科Q&Aコーナー(第15回)も参考になりますので、ご覧ください。また、天疱瘡は厚生労働省により特定疾患に指定されており、医療費の補助をうけられる場合があります(http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/074.htm)。
  (鬼頭昭彦 2009.5.14)

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