令和2年度 京都大学医学部附属病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1328 598 729 1047 1675 2356 3262 5177 2390 332
こちらは10歳ごとの年齢階級別に退院患者数を集計したものです。令和2年度の本院の退院患者平均年齢は58.1歳でした。
コロナ禍の影響もあり昨年度に比べ全体的に患者数は減少していますが、平均年齢は昨年度とほぼ変わらない結果となりました。
年代別では70歳代が最多で約27%、次いで60歳代が約17%を占め、50~80歳代の患者が全体の約7割となっています。
また、全体の男女比率は20代後半~40代前半は女性が、60代後半~70代後半は男性患者の方が多いのが特徴です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 処置1あり 451 2.28 2.04 0.22 62.26
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 215 5.79 2.66 0.00 67.50
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 106 21.16 18.61 7.55 69.25
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 処置2_1あり 89 18.58 14.60 0.00 65.27
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 88 13.80 15.28 0.00 57.93
『内科』は、院内標榜科「呼吸器内科」、「糖尿病・内分泌・栄養内科」、「腎臓内科」、「消化器内科」、「腫瘍内科」、「血液内科」への入院を対象としています。
その中で大きな割合を占めているのは、呼吸器内科にて睡眠時無呼吸症候群における終夜睡眠ポリグラフィー検査を実施した症例であり、内科全体の11.17%となっています。
その他、糖尿病治療のための教育入院や大腸ポリープ、間質性肺炎、全身性エリテマトーデスに対する治療等、多様な症例を扱っています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 処置2あり 定義副傷病なし 67 16.36 19.69 1.49 68.67
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内,かつ,JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2_4あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0,1又は2 48 16.10 15.64 39.58 70.88
010230xx99x20x てんかん 手術なし 処置2_2あり 定義副傷病なし 42 11.14 13.98 2.38 42.83
010155xxxxx0xx 運動ニューロン疾患等 処置2なし 27 11.07 13.40 0.00 64.04
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 23 9.22 7.48 17.39 49.39
『神経内科』は、標榜診療科「脳神経内科」への入院を対象としています。
パーキンソン病やてんかんにおける、SPECT・PET等の画像診断装置を用いた検査入院や観察入院が多くみられます。
また、急性期脳梗塞における、投薬治療症例も上位にあげられます。脳保護薬「エダラボン」を投与し、起こり得る障害を軽減させ、早期リハビリ転院を目指します。転院率が高いのが特徴です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 処置2なし 349 7.23 4.95 0.57 68.34
050050xx0200xx 狭心症,慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 処置等1_なし,1,2あり 処置2なし 144 5.54 4.44 1.39 71.92
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 処置等1_なし,1,3あり 処置2なし 定義副傷病なし 73 11.60 10.56 1.37 72.11
050130xx9900xx 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 65 12.65 17.23 7.69 81.46
050050xx9910xx 狭心症,慢性虚血性心疾患 手術なし 処置等1_1あり 処置2なし 44 3.59 3.07 2.27 72.32
『循環器科』は、標榜診療科「循環器内科」への入院を対象としています。積極的に高度先進医療を取り入れ、24時間救急患者を受け入れる体制も整えています。
当院ではカテーテル治療が多くの割合を占めています。その中でも「カテーテル・アブレーション」の治療を行う症例が循環器科全体の24.72%です。これは、足の付け根にある太い血管(大腿静脈又は大腿動脈)からカテーテルを挿入し、不整脈の原因となる異常な回路や興奮を発生させる部位を焼灼する治療法です。
その他、5番目は狭心症に対して心臓までカテーテルを通し、心臓の働きや病気の種類・重症度を検査する症例となっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 38 4.24 7.48 0.00 8.82
140010x199x0xx 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 処置2なし 28 8.32 6.13 0.00 0.04
140010x299x0xx 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 処置2なし 24 14.71 11.19 4.17 0.04
100300xx99xxxx 出来高 [ 代謝性疾患(糖尿病を除く) 手術なし ] 24 1.08 8.54 0.00 15.88
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症,非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 処置1なし 定義副傷病なし 21 4.76 6.26 0.00 6.24
『小児科』は、院内標榜科「小児科」、「未熟児センター」、「NICU」への入院を対象としています。血液悪性腫瘍、免疫アレルギー、新生児、循環器、神経、内分泌、代謝、遺伝などの診療専門分野がそろっており、他科とも連携することで様々な疾患に対応しています。
最も多いのは、てんかんに対する手術を要さない症例で、小児科全体の3.97%を占めています。
2.3番目は未熟児センターやNICUにおける治療症例で、出生時体重が2500g未満の低出生体重児に対して検査・観察も行われています。
5番目は神経芽腫術後のフォローアップ検査・観察入院等の症例となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060570xx99xxxx その他の消化管の障害 手術なし 128 2.92 7.25 0.00 26.30
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 処置2_4あり 103 4.75 4.15 0.00 50.46
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む))等 処置1なし 99 9.06 10.30 0.00 57.70
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除,亜全切除又は悪性腫瘍手術等 処置1なし 定義副傷病なし 67 15.30 16.19 0.00 69.82
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 63 7.40 6.02 0.00 60.30
『外科』は院内標榜科「肝胆膵・移植外科」、「小児外科」、「消化管外科」、「乳腺外科」への入院を対象としています。多様な症例を扱っているのが特徴です。
1番大きな割合を占めている「その他の消化管の障害」とは、主に「術後肝障害」を指しており、肝移植術を行った患者さんの術後の経過を診るために肝生検を行う経過観察入院です。
2番目は乳癌に対して化学療法を行う症例です。主に「ゲムシタビン」「パクリタキセル」といった薬剤が使われます。
3.5番目は乳癌に対して部分的に切除を行う症例です。侵襲を最低限にできるよう、努めています。4番目は結腸の癌に対して切除術を行う症例です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死,股関節症(変形性を含む) 人工関節再置換術等 90 28.09 21.03 1.11 64.57
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む) 人工関節再置換術等 78 25.82 23.36 3.85 75.32
070040xx99x4xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く) 手術なし 処置2_4あり 44 6.27 15.72 0.00 30.86
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 処置1なし 27 6.26 5.39 0.00 43.11
070470xx02xxxx 関節リウマチ 筋肉内異物摘出術等 24 27.75 19.76 0.00 65.33
当院の整形外科は、手術を要する症例が主な入院症例となっています。
人工股関節手術は日本で最も早く導入されたということもあり、この手術を要する骨頭壊死・変形性股関節症の症例が一番高い割合を占めています。
3番目は骨肉腫のような、骨の悪性腫瘍に対して化学療法を行う症例です。
4番目は骨の軟部にある良性の腫瘍に対して、切除術を行う症例です。
また、5番目は関節リウマチに対して、手術を要する症例です。主に滑膜の切除や骨切りといった手術が行われます。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 64 10.09 9.33 0.00 6.56
140490xx971xxx 手足先天性疾患 手術あり 処置1あり 39 7.64 9.17 0.00 2.82
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 18 10.50 6.27 0.00 4.94
090010xx011xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む))等 処置1あり 15 20.87 4.29 0.00 46.13
080180xx970xxx 母斑,母斑症 手術あり 処置1なし 13 11.69 15.87 0.00 3.46
形成外科では、生まれながらの疾患や病気やけがによって失われた組織を再建し、外観や傷をきれいに治す治療を行っています。
先天性疾患の口蓋や手足の変形に対して、形成手術を行う症例の割合が全体の3割近くを占めています。
3番目のその他の新生物は、主に「巨大母斑細胞母斑」という疾病に対して摘出術を行う症例となっています。
5番目は乳癌に対して切除を行った後、植皮が行われている症例です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx9909xx 出来高 [ 脳腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2_9あり ] 107 6.13 16.06 0.00 49.79
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 処置1あり 処置2なし 80 4.13 3.04 0.00 61.94
010070xx99020x 脳血管障害 手術なし 処置1なし 処置2_2あり 定義副傷病なし 80 4.51 5.72 1.25 31.74
010070xx01x2xx 脳血管障害 脳血管内手術等 処置2_2あり 46 20.11 19.86 2.17 31.11
010010xx02x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 処置2なし 定義副傷病なし 41 20.00 21.17 2.44 54.85
脳神経外科では、脳腫瘍をはじめ、もやもや病、脳動脈瘤といった脳血管疾患に対して治療を行っています。
脳腫瘍に対し、分子標的治療薬の「ベバシズマブ」を投与する症例(1番)と、切除術を行う症例(5番)が多く実施されています。
2番目は未破裂脳動脈瘤に対して、動脈にカテーテルを通し、造影剤を使用して動脈瘤の状態を検査する症例です。
3、4番目はもやもや病・内頚動脈閉塞症といった脳血管障害に対して、SPECT・PETを実施する検査入院症例と、動脈の形成や吻合術を行う症例です。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 241 13.10 10.83 0.41 68.43
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり 処置2なし 39 3.13 3.39 0.00 70.46
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2_4あり 定義副傷病なし 37 14.41 9.42 0.00 65.54
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 36 10.53 18.61 0.00 53.08
180041xxxxxxxx 出来高 [ 移植臓器及び組織の不全及び拒絶反応 ] 19 11.68 10.04 9.09 46.74
呼吸器外科では、主に肺癌に対する治療を行っています。
1番目は肺癌に対して腫瘍を切除する症例で、多くは完全胸腔鏡視下、約10%はロボット支援下に低侵襲で行われています。
また、2番目は生検による検査入院、3番目は手術を要さず化学療法を行う症例となっています。
間質性肺炎に対して、肺移植適応の有無を検査する症例や、肺移植をした後に起こり得る拒絶反応に対して治療を行う症例もあります。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx9900xx 非破裂性大動脈瘤,腸骨動脈瘤 手術なし 処置1なし 処置2なし 18 9.56 8.44 0.00 78.00
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤,腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 処置2_1あり 17 34.76 28.61 0.00 69.29
050161xx97x1xx 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 処置2_1あり 17 29.53 29.23 29.41 67.53
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 処置1なし 処置2_1あり 14 26.86 22.56 7.14 58.86
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤,腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 処置2_1あり 14 19.14 19.98 7.14 71.86
心臓血管外科では、虚血性心疾患、弁膜疾患、大動脈疾患、先天性心疾患のあらゆる分野の症例に対して手術が行われています。
破裂のない腹部や胸部の動脈瘤を切除し、弁を移植したり置換や形成を行う手術が多くの割合を占めています。
また、血管が縦に裂けてしまう「解離性大動脈瘤」に対して、大動脈瘤の切除を行う症例も行われています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080005xx99x4xx 出来高 [ 黒色腫 手術なし 処置2_4あり ] 134 3.35 4.75 0.00 69.63
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 48 7.93 7.71 0.00 72.92
080190xxxxxxxx 脱毛症 28 3.00 3.38 0.00 43.07
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 21 8.0 9.12 0.00 64.90
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 20 16.35 12.39 10.00 67.25
皮膚科では、黒色腫や全身の皮膚にできる悪性腫瘍に対して化学療法や切除といった治療を多く行っています。
その他、脱毛症や帯状疱疹に対しても薬物治療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx9903xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2_3あり 105 4.58 13.43 0.00 72.36
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置2なし 105 8.56 7.13 0.95 76.20
110080xx9905xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2_5あり 68 6.56 9.40 0.00 74.75
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 36 15.06 11.89 0.00 68.97
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 処置2なし 35 13.57 11.03 0.00 64.09
泌尿器科では、外科的治療だけでなく、放射線や化学療法といった治療も多く行われています。
特に、前立腺癌に対して切除術を行う症例や、「ドセタキセル」「カバジタキセル」といった薬剤を使った化学療法が全体の約25%を占めています。
また、膀胱や腎臓の悪性腫瘍に対して手術を要する症例も多く行われています。
産科婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置2_4あり 定義副傷病なし 290 3.87 4.44 0.00 56.93
140010x199x0xx 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 処置2なし 181 6.24 6.13 0.00 0.00
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 処置2_5あり 定義副傷病なし 165 3.21 4.34 0.00 58.84
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 処置2_7あり 定義副傷病なし 100 3.43 4.24 0.00 64.43
12002xxx99x50x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置2_5あり 定義副傷病なし 70 4.34 4.33 0.00 50.44
『産婦人科』は、院内標榜科「産科・婦人科」への入院を対象としています。
子宮頸癌・卵巣癌に対して化学療法を行う症例が一番多く、産婦人科全体の約32%を占めています。分子標的治療薬「ベバシズマブ」や抗がん剤「カルボプラチン+パクリタキセル」等、様々な薬剤が投与されています。
また、平成31年に「総合周産期母子医療センター」が設置され、周産期の管理も行われています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx99x2xx 黄斑,後極変性 手術なし 処置2_2あり 480 2.92 2.52 0.00 78.29
020110xx97xxx1 白内障,水晶体の疾患 手術あり 両眼 256 7.13 4.95 0.39 72.59
020110xx97xxx0 白内障,水晶体の疾患 手術あり 片眼 198 5.55 2.76 0.51 69.96
020200xx9710xx 黄斑,後極変性 手術あり 処置1あり 処置2なし 136 7.67 6.49 0.00 66.43
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 130 7.88 5.79 1.54 70.43
眼科では、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性といった「網膜硝子体疾患」と呼ばれるものの診断と治療に特に力を入れており、手術を要するものや抗VEGE薬「アフリベルセプト」、「ラニビズマブ」を投与する症例が眼科全体の約30%を占めています。
物が霞んで見える白内障に対して両眼・片眼ともに手術を要する症例も多く行われています。また、視野が狭くなってしまう緑内障に対しても「流出路再建術」という眼球の外側から線維柱帯を切開し、目詰まりを解消する手術が多く実施されています。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 処置1なし 91 12.69 8.50 1.10 53.22
03001xxx0100xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 処置1なし 処置2なし 70 19.66 13.68 1.43 69.03
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 39 8.21 7.52 0.00 48.72
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 36 10.89 7.20 0.00 56.11
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 処置2なし 29 10.90 7.34 0.00 55.24
『耳鼻いんこう科』は、院内標榜科「耳鼻咽喉科・頭頚部外科」への入院を対象としています。
当院では頭頚部の癌の集学的治療、中耳の病気の外科治療、鼻・副鼻腔の病気の治療等に力を入れており、頭頚部の癌や耳・鼻・口腔等の腫瘍に対して手術を要する症例が多く実施されています。
また、甲状腺の良性・悪性ともに腫瘍摘出手術を行う症例も多く挙げられます。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060010xx99x30x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む) 手術なし 処置2_3あり 定義副傷病なし 46 13.93 17.00 0.00 68.70
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置2_2あり 38 5.08 6.15 0.00 62.61
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む) 手術なし 処置2_4あり 定義副傷病なし 38 8.58 27.40 0.00 70.58
100020xx99x5xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置2_5あり 33 5.00 8.51 0.00 56.58
06007xxx9903xx 膵臓,脾臓の腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2_3あり 27 23.52 28.88 0.00 67.44
『放射線科』は、院内標榜科「放射線治療科」への入院を対象としています。当科では、腫瘍に集中した照射が可能である強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療(SRT)を古くから導入しており、多くの腫瘍に対して実施されています。
食道癌に対して化学療法と放射線治療の併用による治療が最も多い症例となっています。
また、甲状腺の癌に対して「I131内用療法」と呼ばれる放射線を放出するヨードのカプセルを内服し、体内から癌病巣へ照射する治療法が多く実施されています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx99xxxx 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 40 3.60 15.20 97.50 84.03
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く) 定義副傷病なし 28 11.14 10.76 57.14 69.86
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 26 3.50 8.18 26.92 62.31
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 26 9.46 13.00 42.31 79.31
160690xx99xxxx 胸椎,腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 24 7.42 18.81 91.67 76.46
『救急科』は院内標榜科「初期診療・救急科」への入院を対象としています。
当科では、救急医と各診療科の専門医が協力して診療にあたるコーディネート型救急診療体制をとっており、様々な症例に対して高レベルの救急診療が可能となっています。
多くみられる症例としては、大腿骨・股関節の骨折や頭部外傷に対する手術を要しないものがあります。
また、令和2年度では新型コロナウイルス感染症による入院症例が2番目に多くなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 80 - 22 56 21 53 1 7,8
大腸癌 45 21 85 67 21 55 1 7,8
乳癌 106 162 41 19 20 76 1 6,7,8
肺癌 172 44 66 127 16 154 1 7,8
肝癌 30 43 21 - 22 170 1 7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※-(ハイフン)は患者数が10未満。(本統計の集計条件に基づく)
※本統計を参照する際は以下の点にご注意下さい。
 ・入院患者に限る。(外来患者を含まない)
 ・本院で治療を受けたのべ入院患者数について集計しており、実人数ではない。
 ・疑い病名、ステージが「0」のものは含まない。

本院の令和2年度の5大がん症例数は1,877件です。内訳は肺癌が31%で最も多く、乳癌24%、大腸癌17%、肝癌16%、胃癌13%と続きます。

胃癌の⼿術は全ステージで内視鏡・腹腔鏡による⼿術が92%を占めています。

⼤腸癌も内視鏡・腹腔鏡による⼿術が多いことが特徴で、全ステージで85%を占めています。
また、ステージが高くなるにつれ化学療法を行う割合が増加しており、ステージⅢで20%、Ⅳで52%の症例が化学療法を実施しています。

乳癌の⼿術は乳房を切除する範囲により、部分切除術(がんの存在する部分だけを切除)と全切除術(乳房全体を切除)に⼤きく分
かれ、いずれの場合も腋窩リンパ節郭清を⾏う場合と⾏わない場合があります。
部分切除術と全切除術の割合は、ステージⅠが部分切除術69%/全切除術31%、ステージⅡが31%/69%、ステージⅢが8%/92%でした。
また、腋窩リンパ節郭清を⾏った割合は、ステージⅠが4%、ステージⅡが35%、ステージⅢが100%でした。

肺癌の⼿術は胸腔鏡⼿術が多く、ステージⅠで95%、ステージⅡで67%、ステージⅢで29%を占めています。
⼿術の内容は、切除範囲が⼩さいものから部分切除術・区域切除術・肺葉切除術、⽚側全摘術となり、また、気管⽀形成を伴うもの、隣接臓器合併切除を伴うもの、などに分けられます。
ステージⅠでは部分切除術が19%・区域切除術が21%・肺葉切除術が58%・気管支形成を伴うものが1%を、ステージⅡでは部分切除術が6%・肺葉切除術が88%・気管支形成を伴うものが6%を、ステージⅢでは部分切除術が8%・肺葉切除術が77%・隣接臓器合併切除を伴うものが15%を占めました。

肝癌は再発の症例が多い事が特徴です。
再発症例に実施された⼿術は、肝切除術が4%、ラジオ波焼灼療法が35%、⾎管塞栓術が44%を占めており、肝実質を切除しない治療が多い傾向にあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 15 14.07 58.27
中等症 68 17.22 85.00
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
※-(ハイフン)は患者数が10未満。(本統計の集計条件に基づく)
※重症度については下記の「重症度の判定⽅法について」を参照。
※成⼈とは20歳以上をいう。

本院での成人市中肺炎は中等症が半数以上を占めています。
年齢については、本院における令和2年度の全退院患者のうち成人患者の平均年齢は64歳でしたが、それに比べ中等症肺炎患者の平均年齢は85歳と高く、肺炎は高齢者が罹患しやすく重症化しやすい事がわかります。
男女の比率は、男性58%・女性42%となっています。

■重症度の判定⽅法について■
重症度の判定はA-DROPスコアに基づく。
【評価項⽬】 
  ・Age(年齢):男性70歳以上、⼥性75歳以上
  ・Dehydration(脱⽔):BUN 21mg /dL以上または脱⽔あり
  ・Respiration(呼吸):SpO2<=90%(PaO2 60Torr 以下)
  ・Orientation(意識障害):意識障害あり
  ・Pressure(収縮期⾎圧):収縮期⾎圧90mmHg以下
【判定】
  ・該当する項⽬1つにつき1点とし、合計点で重症度を判定する。(5点満点)
    軽症:0点の場合。
    中等症:1〜2点の場合。
    重症:3点の場合。
    超重症:4〜5点の場合。ただし、ショックがあれば1点でも超重症とする。
    不明:重症度分類の各因⼦が1つでも不明な場合。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 200 17.77 75.24 46.40
その他 22 13.73 67.55 2.25
男女の比率は発症日から「3日以内」「その他」のいずれも男性60%・女性40%でした。
主となる治療方法は発症日からの日数により大きく異なり、「3日以内」の場合は薬物治療(血栓溶解療法、脳保護薬の投与)が67%、手術治療が13%を占めています。なお、行われた手術の88%はカテーテル手術です。
一方、「その他」の場合はリハビリ治療が50%を占めています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 182 1.64 4.29 0.00 67.75
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 84 9.68 11.44 3.57 69.18
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 51 6.20 11.69 7.84 67.86
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 51 2.12 10.94 1.96 66.47
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内)(その他) 50 2.08 5.24 0.00 71.54
『内科』で行われる手術は、その多くが内視鏡を用いて行う手術となっています。最も件数が多いのは主に消化器内科で行われている、
大腸ポリープを内視鏡下で粘膜切除・剥離する手術になります。
また、膵癌や胆道癌といった腫瘍が引き金となり、胆管が詰まることで引き起こされる胆管炎に対しては、ステントと呼ばれる管を
胆道に挿入することで胆汁の通りを良くする治療も多く行われています。
5番目の「肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法」はRFAと呼ばれ、主に肝細胞癌に対して行われています。
ラジオ波という人体に悪影響が及ばない電磁波を用いて腫瘍を焼灼する治療です。
神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 13 15.23 12.92 15.38 60.38
K282-2 後発白内障手術 - - - - -
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K664-3 薬剤投与用胃瘻造設術 - - - - -
当院脳神経内科にて実施されている手術で最も多いのは、筋萎縮性側索硬化症をはじめとした神経疾患に伴う嚥下障害にて
食事の経口摂取が困難となった患者さんに対して行われる「内視鏡的胃瘻造設術」です。
胃瘻を造設することで、飲み込む力が低下した患者さんの誤嚥性肺炎・感染などのリスクを減少させる一助となります。
また、胃瘻は栄養摂取のためだけではなく薬剤を投与する目的でも造設されることがあります。
3番目に多い手術は急性期脳梗塞患者に対して行われる手術で、血管にカテーテルを挿入し脳梗塞を起こしている
血栓を取り除く治療です。脳神経外科との連携体制のもと行われている手術となります。

※「病院情報の公表」の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は数値を-(ハイフン)で表記しております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 321 2.07 5.17 1.25 69.40
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 149 2.80 3.40 0.67 72.55
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 78 1.65 3.87 3.85 76.77
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 44 0.09 16.55 4.55 72.00
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 35 1.86 3.69 0.00 59.29
循環器内科で多い「経皮的カテーテル心筋焼灼術」という手術は、心房細動や心房頻拍といった不整脈に対して行われています。
血管から挿入したカテーテルで不整脈を引き起こす心筋の異常箇所を焼灼することで不整脈を治療するというもので、
カテーテルアブレーションとも呼ばれており、非常に多くの患者さんが短期入院で手術を受けられています。
また、狭心症や急性心筋梗塞に対する「経皮的冠動脈ステント留置術」や下肢閉塞性動脈硬化症に対する「血管拡張術」など、
多くの手術でカテーテルが用いられているのが当科の特徴です。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 29 0.00 47.28 17.24 0.00
K5223 食道狭窄拡張術(拡張用バルーン) 15 1.07 1.00 0.00 3.13
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 12 0.00 45.42 8.33 0.00
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - -
K5622 動脈管開存症手術(動脈管開存閉鎖術(直視下)) - - - - -
新生児仮死とは出生時における新生児の呼吸不全などが原因となった低酸素状態が引き起こす病態のことを指します。
分娩後ただちに保温や気道吸引・呼吸管理といった蘇生術が求められ、NICUにて適切な全身管理を行うこととなります。
また、小児科では先天性食道狭窄症、動脈管開存症などに代表される先天疾患に対しての治療を多く行っています。
「造血幹細胞採取」とは白血病・悪性リンパ腫といった血液のがんに対して行われる治療で、体内から造血幹細胞を採取する
手術です。化学療法や放射線療法の後、再度体内に投与することによって正常な造血活動を補うというものです。

※「病院情報の公表」の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は数値を-(ハイフン)で表記しております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 69 4.67 11.30 0.00 70.96
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 66 1.09 5.30 0.00 60.62
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 62 3.11 5.89 0.00 66.21
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 52 1.25 7.21 0.00 61.06
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 37 1.43 7.76 0.00 56.41
主に消化管外科で実施されている「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術」は大腸癌に対して実施される手術です。腹腔鏡を用いることで
従来の開腹手術と比べ創部も小さく術後の回復が早いという利点があります。また、当院では安全かつ低侵襲なロボット支援下手術を
多く行っており豊富な実績を上げています。
「腹腔鏡下胆嚢摘出術」を主に実施しているのは肝胆膵移植外科です。胆嚢結石といった胆嚢疾患に対して多く行われています。
また、乳腺外科において行われる「乳腺悪性腫瘍手術」は、もとの乳房を温存し腫瘍部のみを切除する「部分切除」と、
乳房ごと切除する「乳房切除術」とに分類されますが、どちらも10日前後と短い入院期間で実施できるため年間に多くの患者さんの
加療が可能となっております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 192 3.27 25.07 2.17 72.98
K1424 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(前方後方同時固定) 28 5.79 19.18 10.71 67.64
K0591 骨移植術(軟骨移植術を含む、自家骨移植) 26 2.96 19.73 0.00 67.00
K066-21 関節鏡下関節滑膜切除術(肩、股、膝) 23 2.48 13.52 0.00 46.05
K082-31 人工関節再置換術(肩、股、膝) 23 10.35 31.13 0.00 69.92
整形外科では変形性膝関節症や変形性股関節症に対する「人工関節置換術」を最も多く実施しております。なかでも人工股関節手術は
当院の整形外科が日本で最も早く導入したという実績があり、現在においてもオリジナルのインプラントを用いた治療を実施し優れた
治療成績をおさめています。
脊柱管と呼ばれる、背骨の中にある神経の通り道が狭くなる疾患のことを脊柱管狭窄症といい、神経が圧迫されることで起立時・歩行時に
しびれや痛みといった症状が起こります。60代・70代の患者さんが多いこの疾患に対しては「脊椎固定術」や「椎弓切除術」といった手術が
行われています。
「骨移植術」は自分の他の部位の骨・軟骨を取り出し疾患部に移植するものです。関節リウマチなどの治療として実施されています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1002 多指症手術(骨関節、腱の形成を要する) 20 3.30 2.55 0.00 0.90
K4263 口唇裂形成手術(片側)(鼻腔底形成を伴う) 16 2.44 6.00 0.00 3.38
K0171 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付き)(乳房再建術) 13 2.00 16.38 0.00 46.46
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) 12 1.67 5.17 0.00 9.00
K0064 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径12cm以上) 11 1.73 10.55 0.00 12.73
形成外科で実施されている手術は、先天的もしくは病気やケガで生じた欠損や外傷などに対し、外観をきれいに整えるとともに
機能の再建を図るものです。
最も実施されている手術は、もともと1本であった指が2本以上に分かれて形成されることで手足の指の数が6本以上となってしまう
先天疾患の一つである多指(趾)症に対する手術です。また先天疾患に対する手術としては口唇口蓋裂に対する「口唇裂形成手術」も
多く実施されています。
3番目に多いのは「遊離皮弁術(乳房再建術)」です。乳腺外科との協力体制のもと、乳癌により乳房切除術を実施した患者に対し
別部位の組織(皮弁)を乳房に移動させることで乳房の形状を再建する手術となっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 82 6.35 24.66 9.76 53.13
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 38 3.39 17.61 2.63 21.29
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 36 3.42 5.81 2.78 59.81
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 27 5.04 9.85 0.00 52.26
K1781 脳血管内手術(1箇所) 23 2.61 14.17 21.74 68.26
脳神経外科では「頭蓋内腫瘍摘出術」を最も多く実施しています。神経膠腫、膠芽腫、髄膜腫といった脳腫瘍に対して行われています。
2番目に多いのは「動脈形成術、吻合術」です。こちらの主な適応疾患はもやもや病と呼ばれるもので、内頚動脈と呼ばれる
太い脳血管の終末部が細くなることで脳の血液不足を引き起こす疾患です。家族内発症や小児期の発症が多く見られることから、
手術時年齢も他のものより若くなっています。
脳動脈瘤に対して行なう「脳血管内手術」ですが血管内にステントを入れることでより低侵襲な治療が実現されています。
「内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術」は内視鏡を用いる下垂体腫瘍摘出手術です。内視鏡の導入によりこれまで困難であった箇所の手術も
可能となりました。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除または1肺葉を超える) 100 3.51 10.85 2.82 69.81
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 75 3.53 6.01 0.00 66.97
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 45 3.23 7.44 0.00 63.21
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 19 6.37 6.42 0.00 49.74
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 18 3.56 13.39 0.00 67.00
呼吸器外科の手術は上位5つのうち4つが肺癌など肺の悪性腫瘍に対しての手術となっています。完全胸腔鏡下で実施される手術は術後
10日ほどで退院することが出来る、患者さんにとって負担の少ない低侵襲な手術となっています。
また、ロボット支援下での肺悪性腫瘍手術(実績は胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術の人数に含みます)も積極的に取り組んでいます。
胸腔鏡を用いることのできない大きな腫瘍や他の臓器などに転移が疑われる場合などには開胸しての手術も行われています。
4番目の「肺嚢胞手術」は主に気胸に対して行なう手術です。自然気胸は20~30代男性に好発することもあり、平均年齢も他のものより
低くなっているようです。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5602 大動脈瘤切除術(弓部) 19 6.21 25.68 26.32 71.11
K5551 弁置換術(1弁) 13 9.08 16.15 7.69 61.15
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建)) 13 4.46 15.46 7.69 72.38
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) - - - - -
K604-24 植込型補助人工心臓(非拍動流型)(91日目以降) - - - - -
大動脈は心臓から全身に血液を送る主要な血管です。ひとたび大動脈に瘤(こぶ)が形成されると、破裂した場合大出血を起こし
生命を脅かす状況につながります。そこで、大動脈瘤が発見されれば切除を行い破裂のリスクを未然に防ぐことが必要となります。
主に心臓血管外科で手術を行う大動脈瘤は胸部(弓部)大動脈と腹部大動脈瘤の2か所になります。
手術としては切除の他、腹部大動脈瘤に対しては「ステントグラフト内挿術」という大動脈内にカテーテルを用いてステントグラフトと呼ばれる
人工血管を挿入することで瘤に送られる血液を遮断する治療法があります。

※「病院情報の公表」の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は数値を-(ハイフン)で表記しております。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 49 2.04 3.80 2.04 72.43
K013-22 全層植皮術(25cm2以上100cm2未満) 12 5.25 16.67 8.33 64.75
K0152 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25~100cm2未満) - - - - -
K0153 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(100cm2以上) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
皮膚科では悪性黒色腫、パジェット病、有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍に対する切除術が多く実施されています。
昨年度の皮膚科手術実績のうち3割を占める実績となっています。
皮膚は表皮と真皮で構成され、層のような形状となっていますが、「全層植皮術」とは自分の健常な部位の表皮・真皮を採取し疾患部に
移植を行うというものです。
こちらは悪性黒色腫など悪性腫瘍にて切除術を行った患者さんに対して多く行われている手術となっています。

※「病院情報の公表」の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は数値を-(ハイフン)で表記しております。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 102 3.64 4.25 1.96 76.30
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 36 4.50 9.56 0.00 68.97
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 27 4.37 8.96 0.00 71.04
K773-5 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 20 4.65 8.55 0.00 63.80
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 16 2.56 9.44 12.50 68.88
泌尿器科で実施される手術は、そのほとんどが前立腺癌・膀胱癌・腎細胞癌に対する手術となっています。
一番多く行われている手術は尿路上皮癌(膀胱癌・尿管癌・腎盂癌)に対する「経尿道的手術」です。こちらは、尿道より内視鏡を
挿入し腫瘍を切除するという方法の手術であり、患者さんへの侵襲が少ないことから入院期間が短期間で済むというメリットがあります。
また、悪性腫瘍手術に対しては全国に先駆けてロボット支援手術を導入した実績があり、現在でも多くの手術を行っております。
「経尿道的尿管ステント留置」術は結石性腎盂腎炎などに対して行われる、内視鏡を用いて尿管にステントを設置する手術です。
産科婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 106 10.77 6.90 0.00 35.02
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 69 10.74 6.43 0.00 35.26
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 62 2.80 5.14 0.00 45.46
K867 子宮頸部(腟部)切除術 57 2.14 1.09 0.00 41.63
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 41 3.51 6.68 0.00 51.24
産科婦人科は産科領域、婦人科領域それぞれの手術が日々実施されています。その中でも多く実施されているのは産科領域での
「帝王切開術」です。
分娩に悪影響を及ぼす可能性のある合併症を有する方、40歳以上の初産婦、妊娠22~33週未満の早産など、通常よりも
リスクの高い出産となる患者さんについて実施されるのがこの「帝王切開術」となります。
一方で婦人科領域では卵巣の良性腫瘍や子宮筋腫・上皮内腫瘍に対する腹腔鏡手術、子宮頸部高度異形成(将来的に
がんになる可能性のある病態)に対する切除術を多く実施しております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 396 1.20 4.04 0.76 71.75
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 329 1.62 5.61 0.00 65.23
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) 125 1.22 2.61 0.00 69.45
K2683 緑内障手術(濾過手術) 105 1.92 11.39 0.00 67.41
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 81 2.07 5.86 2.47 67.73
眼科では令和2年度においても非常に多くの患者さんが入院され、手術を受けられています。
眼科疾患には加齢により引き起こされるものが多く、手術時の平均年齢も高齢であることが特徴となっています。
一番多いのは白内障に対して実施されている手術です。加齢によって引き起こされる眼疾患の代表的なものがこの白内障であり、
当院において最も多く実施されている手術がこちらの「水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他)」となります。
その他、黄斑変性や網膜剥離、緑内障などといった幅広い疾患に対する硝子体・ぶどう膜手術も数多く実施されています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わない) 48 4.83 5.77 0.00 53.06
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 28 2.36 4.93 0.00 49.50
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) 26 3.81 5.77 0.00 57.88
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 25 2.68 5.20 0.00 46.24
K4634 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘・片側頸部外側区域郭清を伴う) 17 4.88 9.53 0.00 57.29
当院の耳鼻いんこう科は「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」として、耳や鼻などの感覚器官のみでなく頭頚部における症例についても
治療を行っています。
甲状腺というのどの部分に位置する分泌器官に発生した悪性腫瘍に対し、切除や全摘出といった「甲状腺悪性腫瘍手術」を
多く行っています。
「甲状腺部分切除術」は甲状腺良性腫瘍などに対して行われる手術で、内視鏡を用いた低侵襲の手術となっています。
また、真珠腫・中耳炎などといった耳の疾患は伝音難聴を引き起こします。このような疾患に対しては「鼓室形成術」という
手術が行われます。これはツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨という3つの骨(耳小骨)の状態に応じて術式を使い分けるものです。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 21 0.11
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 104 0.55
異なる - -
※-(ハイフン)は患者数が10未満。(本統計の集計条件に基づく)

令和元年度の全国DPC対象病院の退院患者調査の結果では、全症例に対する敗血症の発生率は0.42%ですが、令和2年度の本院の敗血症の発生率は0.16%であり、全国のDPC対象病院に比べ低い発生率でした。
また治療に要した日数については、本院の令和2年度の全疾患の平均在院日数は14日ですが、敗血症は27日と長期間の治療が必要でした。
敗血症の男女の比率については、男性が53%・女性が47%でした。

「手術・処置等の合併症」の主なものは以下の通りでした。
心臓・血管の挿入物、移植片等の合併症(38%)
 透析シャント狭窄・閉塞、ペースメーカ植え込み後感染症 など
処置の合併症(他に分類されないもの)(28%)
 術後創部感染・膿瘍、吻合部狭窄 など
体内整形外科的挿入物、移植片等の合併症(23%)
 人工関節のゆるみ・脱臼・感染 など
更新履歴
2021/09/28
「病院情報の公表」を掲載いたしました。