米国のCenter for Biologics Evaluation and Research (CBER)からはGuidance for Industry Sterile Drug Products Produced by Aseptic Processing ? Current Good Manufacturing Practiceが発表されており、この中で無菌的プロセッシング施設が具備すべき機能や設備について必要事項が示されている。この中で要求されている事案も含め、GMPに準拠したCPCに必要な構造とその運用管理について概略を述べる。
1. CPCの設計
作業目的に応じた適切な広さと設備を整えたクリーンルームの配置には、交差汚染や混合防止のための人や物の動線に配慮し設計を行う。特に無菌操作は、明確に区別されたエリア内で行う必要がある。人の移動は逆戻りしない一方向の動線が基本となるが、充分な交差汚染防止の対策が取られていれば利便性を考えた動線計画を考えても良い。また、物品の移動にはパスボックスの設置が有効だが、室圧が陰圧に設定されているエリアでは逆に清浄度低下の原因ともなる。
作業区域の天井、壁および床の表面は、なめらかでひび割れや隙間がなく、塵や埃が貯まりにくい構造として、かつ、塵埃を発生しないものとする。また、床と壁の境界は曲面として塵や埃を清拭しやすくする。
無菌区域には流しや排水口を設置しない。CPC内で使用する水は滅菌処理したものだけに制限し、使用後は残さず外へ持ち出す。これはカビの発生を抑え、排水口からの外気の逆流を防ぐためである。
2.空調管理
各作業区域の、室圧、温度、湿度をコントロールし、無菌状態を維持するためのシステムが必要となる。特に作業区域へ供給される空気の清浄化は交差汚染防止の重要な要素の一つである。作業区域へは、中性能フィルターやHEPAフィルターにより処理された清浄な空気を供給する。清浄度は、1立方フィート内に含まれる微粒子の数(P/ft3)で示され、例えば直径0.5μm以上の粒子数が10万個以下ならクラス100,000の清浄度となる。
各作業区域の清浄度の設定は、原料や製品が空気に暴露される度合いによって規定される。組織や細胞が作業エリア内の空気に直接暴露されるような作業は、クラス100レベルのキャビネット内で作業を行う。キャビネット内をクラス100レベルに保つためにはキャビネットが置かれているエリアをクラス10,000レベルで維持しなければならない。
清浄度は作業を行っていない非作業時だけでなく、実際に作業を行っている時にでも許容限界値を超えないようにレベルを維持しなければならない(表1)。そのために、適切な換気回数が作業区域毎に応じて設定されるべきである。クラス100,000レベルの作業区域であれば1時間当たりに最低20回の換気回数が行える気流が一般的な許容レベルとされている。また、空調の吸気系と排気系を完全に独立させることも交差汚染防止に繋がる。