■着床不全女性に対する子宮内膜自己リンパ球投与 (産婦人科)
                   
製造管理責任者 堀江 昭史
CCMTでのプロセス 末梢血からのリンパ球分離・培養作業
プロジェクトの概要  体外受精-胚移植治療において、形態良好な胚の子宮内移植を複数回行っても妊娠にいたらないケースが存在し、その原因のひとつとして、受け手側の子宮内膜が着床に適した状態に発育することができない子宮内膜発育不全が想定されています。形態良好な胚の子宮内移植を3回以上行っても妊娠にいたらず、子宮内膜発育不全により胚の着床が妨げられていると考えられる病態は着床不全とよばれ、現在のところ有効な治療方法は確立していません。我々はこれまでにも着床不全女性に対する新しい治療として子宮内膜に自己のリンパ球を作用させることで胚の着床が促進される「子宮内膜自己リンパ球投与」を行ってきており、2017年2月よりは「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に則り、新たに開始しております。これは患者さんの末梢血から分離したリンパ球をhCGという妊娠に特異的なホルモンで活性化したのち子宮腔内に投与して子宮内膜を着床に適した状態とし、その後に胚移植を行うというものです。
 CCMTでは末梢血からのリンパ球分離・培養作業をGMPに準拠した作業手順に従い厳密な品質管理のもと、細胞培養室3で行っています。

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京都大学医学部附属病院 産婦人科

京都大学医学部附属病院 産婦人科HP内 当科で行っている臨床研究【生殖研究関連】

 

■重症1型糖尿病患者に対する膵島移植 (移植外科)
                   
製造管理責任者 穴澤 貴行
CCMTでのプロセス 摘出された膵臓からの膵島分離作業
プロジェクトの概要  2000年にカナダのエドモントンにあるアルバータ大学は、1型糖尿病で血糖のコントロールが難しく重症低血糖発作を来す患者に対して、脳死ドナー(臓器提供者)の膵臓からの分離した膵島(膵ランゲルハンス氏島)を移植する治療方法を確立しました。(エドモントンプロトコール)

 膵島移植は局所麻酔にて膵島を点滴で肝臓に注入する治療で、患者への負担は膵臓移植と比較して小さく、移植後ほぼ全例の患者で低血糖発作が消失し、患者のQOL(Quality Of Life)の向上が大いに期待できます。

 京都大学移植外科では、平成16年4月7日に国内で初めての心停止ドナーからの膵島移植を実施しました。更に、平成17年1月19日には世界で初めての生体膵島移植、平成25年10月13日には国内で初めての脳死ドナーからの膵島移植を実施しました。

 膵島分離作業は、GMPに準拠した作業手順に従い厳密な品質管理のもと、CCMT内の細胞培養室3で行われます。

詳 細 京都大学医学部附属病院 移植外科

膵島移植関連 <実績集>

 



■急性骨髄性白血病および高リスク骨髄異形成症候群に対する同種造血幹細胞移植後の再発における、WT1ペプチド提示ドナー樹状細胞による細胞免疫療法 (血液・腫瘍内科)
                   
製造管理責任者 門脇 則光
CCMTでのプロセス 樹状細胞の培養
プロジェクトの概要

 現在、急性骨髄白血病または高リスク骨髄異型性に対する血縁者間同種造血幹細胞移植後の再発に対しての治療手段としては、免疫抑制剤の減量・中止、ドナーリンパ球輸注、化学療法、再移植等があります。しかし、現在の治療では腫瘍特異性、有効性、安全性が低く、新たな治療が求められています。 

 血縁者間同種造血幹細胞移植後再発に対する治療方法として、ドナー末梢血由来の単核球から単離されたCD14陽性細胞を培養して樹状細胞を作製します。さらにこの樹状細胞に成熟刺激および抗原としてWT1(ペプチド)を添加し,腫瘍抗原提示成熟樹状細胞を作製します。この成熟樹状細胞を患者の鼠径リンパ節へ投与します。

(本プロジェクトは終了しております)

詳 細 京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科

京大病院医学部附属病院 血液・腫瘍内科 「樹状細胞・腫瘍免疫研究」

 



■急性心筋梗塞患者に対する急性期自己骨髄単核球冠動脈内投与 (循環器内科)
                   
製造管理責任者 木村 剛
CCMTでのプロセス 骨髄液からの単核球分離
プロジェクトの概要

 現在、急性心筋梗塞に対しては再灌流法等の治療が行われています。しかしながら、治療後に左室機能不全により難治性の心不全を生じることもあります。そこで、京都大学循環器内科では、急性心筋梗塞治療後の心不全や不整脈の予防のための新たな治療法として、自己骨髄単核球を用いた血管新生療法の臨床試験を開始することとなりました。 

 急性心筋梗塞の急性期に患者本人の骨髄液を採取し、骨髄液中の単核球を分離します。分離した単核球を心筋梗塞の原因となった冠動脈にカテーテルを通して心筋梗塞領域やその周辺に投与します。

 この臨床試験では、細胞の投与によって血管の乏しくなった領域で新たな血管を発生させ血流を改善させ、心筋の乏しくなった領域に心筋を再生させることによる治療効果を確認します。 

 CCMTでは、採取された骨髄液から単核球を分離する作業を行います。 

(本プロジェクトは終了しております)

詳 細 京都大学医学部附属病院 循環器内科 ホームページ

 



■大腿骨頭無腐性骨壊死および月状骨無腐性骨壊死に対する骨髄間葉系幹細胞を用いた細胞治療 (整形外科・再生医科学研究所)
                   
製造管理責任者 青山 朋樹
CCMTでのプロセス 骨髄間質細胞の培養
プロジェクトの概要

 骨髄間質の中には、骨、軟骨、脂肪、筋肉、腱、神経など多くの組織に分化できる間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell; MSC)と呼ばれる細胞が存在しており、病気や外傷などによる組織欠損に対する再生医療において注目されています。しかしながらこの細胞は骨髄中には10万個に1個の割合でしか存在しません。そのため欠損組織の再生を行うためには一度体外で培養して細胞を増やす必要があります。

 間葉系幹細胞は患者さん本人の骨髄から比較的容易に分離、培養する事が可能です。これまでに私共は研究に協力した頂いた方々の骨髄から抽出した間葉系幹細胞を目的の細胞数まで増やすことに成功し、骨、軟骨、脂肪に分化誘導できることを確認しております。

 骨壊死という難治性疾患に対して、培養し増殖させた間葉系幹細胞を移植する治療法を行いました。

(本プロジェクトは終了しております) 

詳 細 京都大学医学部附属病院 整形外科

京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 ホームページ

 



■自家培養真皮を用いた皮膚難治性潰瘍に対する創床形成療法 (形成外科)
                   
製造管理責任者 森本尚樹
CCMTでのプロセス 皮膚線維芽細胞の培養、自家培養真皮作製
プロジェクトの概要  糖尿病性潰瘍、静脈性下腿潰瘍、褥瘡などの慢性難治性潰瘍では、創傷治癒が遅れ、軟膏療法などの保存的治療では肉芽形成、上皮化が進まず、植皮術を行っても、植皮片が生着しない、あるいは生着しても潰瘍が再発することが多く、決定的な治療法がありません。これは、皮膚の主要な細胞である線維芽細胞の性質が変化しており、創傷治癒が妨げられる原因の一つとなっていると報告されています。こうした難治性潰瘍に、正常な皮膚より採取した、自分の皮膚線維芽細胞を播種、培養して作製した培養真皮を創部に移植すると、細胞が生着、増殖し、創傷治癒を促進します。また、同時に良好な擬似真皮、創床を形成し、潰瘍の再発予防にも有用であると考えられています。この臨床試験では、自家線維芽細胞を、自己血清を用いて培養し作製した自家培養真皮の有効性を確認します。 
詳 細 京都大学医学部附属病院 形成外科ホームページ