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専門研修プログラム | 目次 | 方針 | 体制: 施設群, 管理, 実績 | 分担 | 募集数 | 選考 | 研修内容: 到達目標, 経験目標 | 研修方略: 年次, コース, 方法 | 実績記録 | 評価 | 休止等 | 勤務条件等 |

2018年度京大病院放射線科専門研修プログラム

 本プログラムは、日本専門医機構が承認し、日本医学放射線学会が認定した放射線科領域モデル専門研修プログラムとして、 放射線科領域専門研修プログラム新整備基準に準拠して作成されています。

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PDF形式2018年度京大病院放射線科専門研修プログラム (PDF 形式, 1.04MB)

目次

1. 放射線科領域専門研修の教育方針
2.
研修体制
3.
専門研修施設群における研修分担
4.
募集新規専攻医数
5.
専門研修応募者の選考方法
6.
研修内容
7.
研修方略
8.
研修実績の記録
9.
研修の評価
10.
研修の休止・中断、異動
11.
労働環境、労働安全、勤務条件

1. 放射線科領域専門研修の教育方針

整備基準1,2,3

 実臨床における放射線科の役割は、X線撮影、超音波検査、CT、磁気共鳴検査(MRI)および核医学検査などを利用する画像診断、画像診断を応用した低侵襲性治療(インターベンショナル・ラジオロジー:IVR)、および放射線を使用して種々の疾患の放射線治療を行うことにあります。
 放射線科領域専門制度は、放射線診療・放射線医学の向上発展に資し、医療および保健衛生を向上させ、かつ放射線を安全に管理し、放射線に関する専門家として社会に対して適切に対応し、もって国民の福祉に寄与する、優れた放射線科領域の専門医を育成する制度であることを基本理念としています。そして、放射線診断専門医または放射線治療専門医の育成の前段階として、放射線診断専門医および放射線治療専門医のいずれにも求められる放射線科全般に及ぶ知識と経験を一定レベル以上に有する「放射線科専門医」を育成することを目的としています。
 放射線科専門医の使命は、画像診断(X線撮影、超音波検査、CT、MRI、核医学検査等)、IVR、放射性同位元素(RI)内用療法を含む放射線治療の知識と経験を有し、放射線障害の防止に努めつつ、安全で質の高い放射線診療を提供することにあります。
 日本医学放射線学会が認定し日本専門医機構が承認した放射線科専門研修プログラム新整備基準では、放射線科専門医制度の理念のもと、放射線科専門医としての使命を果たす人材育成を目的として専門研修の到達目標および経験目標を定めています。本研修プログラムでは、研修施設群内における実地診療によって専門研修の到達目標および経験目標を十分に達成できる研修体制の構築に努めていますが、実地診療のみでは経験が不足する一部の研修については、日本専門医機構が認める講習会(ハンズオン・トレーニング等)及び e-learningの活用等によって、その研修を補完します。
 2018年度京大病院放射線科専門研修プログラムは上記の新整備基準に従い、3年以上の専門研修により、放射線科領域における幅広い知識と錬磨された技能、ならびに医師としての高い倫理性、コミュニケーション能力およびプロフェッショナリズムを備えた放射線科専門医をめざし、放射線科専攻医(以下、専攻医)を教育します。

2. 研修体制

整備基準26,27,36

 本プログラムは、京都大学医学部附属病院放射線治療科・診断科を専門研修基幹施設とします。連携施設として複数の学会認定総合修練機関(12施設)・特殊修練機関(1施設)・修練機関(10施設)(詳細は同ページ1)専門研修施設群の項を参照して下さい)から成る専門研修施設群を設定し、放射線医学領域の高度に専門的な知識と技能と態度を有する放射線科専門医育成を基幹施設が統括する専門研修プログラムです。
 なお、専門研修基幹施設は日本医学放射線学会認定総合修練機関です。専門研修連携施設は全て、日本医学放射線学会により、総合修練機関・特殊修練機関・修練機関としてそれぞれ認定されています。
 専門研修プログラム統括責任者は、専門研修基幹施設の責任者(部長、科長など)があたり、プログラム全体について責任を持ちます。専門研修連携施設の指導管理責任者は、各施設の責任者(部長、科長など)があたり、専攻医の研修ならびに労働環境・条件など全般にわたる責任を負います。専門研修プログラム連携施設担当者は、専門研修プログラム管理委員会における各施設の代表者です。指導にあたる専門研修指導医は、放射線科領域における十分な診療経験と教育および指導能力を有する医師であり、日本医学放射線学会認定の研修指導者資格を取得しています。1名の指導医が指導可能な専攻医数は、総計3名以内です。

1) 専門研修施設群

整備基準23,24,31,35

 専門研修基幹施設は、専門研修プログラムを管理し、本プログラムに参加する専攻医ならびに専門研修連携施設および専門研修関連施設を統括します。専門研修連携施設は、専門研修基幹施設が定めた本プログラムに基づいて専攻医に専門研修を提供します。専門研修関連施設は、専門研修基幹施設と専門研修連携施設では経験しきれない研修項目を補完します。
 なお、専門研修基幹施設は日本医学放射線学会認定総合修練機関、専門研修連携施設は日本医学放射線学会認定総合修練機関、修練機関または特殊修練機関として認定されており、それぞれ放射線科専門研修プログラム新整備基準の専門研修基幹施設、専門研修連携施設の認定基準を満たしています。専門研修関連施設は非認定施設ですが、専門研修基幹施設である京都大学医学部附属病院放射線科の責任のもとで専門研修を委嘱した施設で、研修内容は超音波検査、消化管造影、IVR等に限られます。

(1) 専門研修基幹施設:京都大学医学部附属病院放射線科

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(2) 専門研修連携施設:大阪赤十字病院放射線科

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(3) 専門研修連携施設:京都市立病院放射線科

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(4) 専門研修連携施設:公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(5) 専門研修連携施設:公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(6) 専門研修関連施設:市立岸和田市民病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(7) 専門研修関連施設:地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(8) 専門研修関連施設:天理よろづ相談所病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(9) 専門研修関連施設:独立行政法人国立病院機構 京都医療センター

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(10) 専門研修関連施設:日本赤十字社和歌山医療センター

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(11) 専門研修関連施設:兵庫県立尼崎総合医療センター

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(12) 専門研修関連施設:福井赤十字病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

(13) 専門研修関連施設:大津市民病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(14) 専門研修関連施設:大津赤十字病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(15) 専門研修関連施設:関西電力病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(16) 専門研修関連施設:公益財団法人 先端医療振興財団 先端医療センター

日本医学放射線学会認定特殊修練機関

(17) 専門研修関連施設:滋賀県立成人病センター

日本医学放射線学会認定修練機関

(18) 専門研修関連施設:静岡市立静岡病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(19) 専門研修関連施設:社会福祉法人京都社会事業財団 京都桂病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(20) 専門研修関連施設:市立長浜病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(21) 専門研修関連施設:長浜赤十字病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(22) 専門研修関連施設:大和高田市立病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(23) 専門研修関連施設:洛和会音羽病院

日本医学放射線学会認定修練機関

(24) 専門研修関連施設:大阪国際がんセンター

日本医学放射線学会認定総合修練機関

2) 専門研修プログラム管理委員会および専門研修プログラム連携施設研修管理委員会

整備基準34,37,38,39

(1) 放射線科領域専門研修プログラム管理委員会

 専門研修基幹施設である京都大学医学部附属病院には、放射線科領域専門研修プログラム管理委員会(以下、専門研修プログラム管理委員会)を設置しています。専門研修プログラム管理委員会は、専門研修プログラム統括責任者、専門研修プログラム連携施設担当者、専門研修指導責任者等で構成され、必要に応じて専門研修指導医やメディカルスタッフ(診療放射線技師や看護師等)等に意見を求めます。
 専門研修プログラム管理委員会では、専攻医と専門研修プログラム全般を統括的に管理し、専門研修プログラムの継続的改良を行います。専攻医および専門研修指導医から提出される評価報告書にもとづき、専攻医および専門研修指導医に対して必要な助言を行います。また、専門研修プログラム管理委員会における評価に基づいて、専門研修プログラム統括責任者が研修修了の判定を行います。

(2) 放射線科領域専門研修プログラム連携施設研修管理委員会

 各専門研修連携施設には、専門研修プログラム管理委員会と連携する放射線科領域専門研修プログラム連携施設研修管理委員会(以下、連携施設研修管理委員会)を設置しています。連携施設研修管理委員会は、指導管理責任者、専門研修指導医等で構成され、必要に応じてメディカルスタッフ(診療放射線技師や看護師等)等に意見を求めます。ただし、専門研修指導医が一人の専門研修連携施設では連携施設研修管理委員会の設置が不要のため、当該指導医が専門研修プログラム連携施設担当者も併任しています。
 連携施設研修管理委員会では、専門研修連携施設における専攻医の研修を管理します。連携施設研修管理委員会における評価に基づいて、指導管理責任者は専攻医の研修評価を専門研修プログラム管理委員会に報告します。また、専門研修プログラム管理委員会で改良された専門研修プログラムや専門研修体制は、連携施設研修管理委員会を通じて専門研修連携施設に伝達されます。

3) 前年度(2016年度)診療実績

整備基準31

施設名 役割 日本医学放射線学会認定機関 指導医数* CT検査件数** IVR施行件数** 放射線治療患者数***
京都大学医学部附属病院放射線科 連携 総合修練 28 40,665 473 1235
大阪赤十字病院放射線科 連携 総合修練 6 35,831 151 608
京都市立病院放射線科 連携 総合修練 5 25,767 523 517
公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 連携 総合修練 3.3 46,000 460 793
公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 連携 総合修練 8 39,625 約150-200 8312
市立岸和田市民病院 連携 総合修練 4 20,932 103 374
地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院 連携 総合修練 8 39,806 307 465
天理よろづ相談所病院 連携 総合修練 4.5 34,659 1078 391
独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 連携 総合修練 7 26,221 137 8812
日本赤十字社和歌山医療センター 連携 総合修練 7 36,578 214 10,382
兵庫県立尼崎総合医療センター 連携 総合修練 7 32,933 254 497
福井赤十字病院 連携 総合修練 1.3 19,166 78 244
大津市民病院 連携 修練 1.5 23,054 30 107
大津赤十字病院 連携 修練 1.5 21,532 603 402
関西電力病院 連携 修練 4 15,610 74 265
公益財団法人 先端医療振興財団 先端医療センター 連携 特殊修練 1 2,808 0 390
滋賀県立成人病センター 連携 修練 1.5 20,670 28 498
(10470回)
静岡市立静岡病院 連携 修練 1 27,535 0 283
社会福祉法人京都社会事業財団 京都桂病院 連携 修練 3 21,913 20 342
市立長浜病院 連携 修練 1.5 17,397 不明 313
長浜赤十字病院 連携 修練 1.5 16,466 75 76
大和高田市立病院 連携 修練 2 9,757 9,757 -
洛和会音羽病院 連携 修練 4 27,146 270 160
大阪国際がんセンター 連携 総合修練 3.3 6,819 240 300
(合計) 24 114.9 608,890 5212 34518

(指導医数 * = 各施設の指導医数 ÷ その施設で参加するプログラム数)
(CT検査件数,IVR施行件数 ** = 複数プログラムに参加する施設では本プログラムに割り当てることができる数)
(放射線治療患者数 *** = 新規治療患者数と再治療患者数との合計で、複数プログラムに参加する施設では本プログラムに割り当てることができる数)

3. 専門研修施設群における研修分担

整備基準4,5,6,7

 専門研修施設群では、研修施設それぞれの特徴を生かし、専門研修カリキュラムに掲げられた目標に則って放射線科領域専門研修を行います。

4. 募集新規専攻医数

整備基準27,28

2018年度放射線科専攻医募集定員:15名
直近5年間(2013~2017年度)の放射線科専攻医採用数:60名

<付記事項> 
 放射線科専攻医募集定員は、専門研修施設群の診療実績および専門研修指導医数等の教育資源の規模ならびに地域の診療体制への配慮により、日本医学放射線学会および日本専門医機構が以下のごとく数値上限を設定しています。本プログラムでは、この基準に基づいて募集定員を決定しています。
【専攻医受入数の上限】
 専門研修施設群全体としての単年度当たりの放射線科専攻医受け入れ総数は、専門研修施設群全体の ①専門研修指導医数、②年間CT検査件数 / 3000、③年間血管造影・IVR件数 / 60、および④年間放射線治療件数 / 60のうち、最も少ない数を上限とします。なお、都市部(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)の都府県に基幹施設がある研修プログラムの場合、原則として、過去の採用実績を基にした専攻医受入数の上限も加わります(過去5年の専攻医採用実績の平均値を超えない)。この上限を超えた場合は、年次で調整します。また、都市部の選択に関しては、地域への派遣実績等も考慮して決定されます。

5. 専門研修応募者の選考方法

整備基準52

 京都大学医学部附属病院放射線科専門研修プログラム管理委員会は、放射線科専門研修プログラムを京都大学医学部附属病院放射線治療科又は放射線診断科のホームページ等に掲載し、放射線科専攻医を募集します。京都大学医学部附属病院放射線科専門研修プログラムへの応募希望者は、プログラム統括責任者宛に所定の「応募申請書」および履歴書等定められた書類を提出してください。専門研修プログラム管理委員会は、書類審査および基幹施設指導医との面接試験により本プログラムの専攻医の採否を決定します。

1) 応募資格

整備基準1,3

●初期臨床研修を修了した者、もしくは2018年3月までに修了見込みの者

 なお、2018年4月以降に修了見込みの者については、専門研修プログラム統括責任者までお問い合わせください。また、研修開始の要件として、日本医学放射線学会への入会が求められることを申し添えます。

2) 応募期間

●2017年9月1日(金)~12月31日(日)予定

 ただし、定員に達しない場合は追加募集を行うことがあります。その場合には、京都大学医学部附属病院放射線治療科又は放射線診断科ホームページにてお知らせします。

3) 提出書類

●京都大学医学部附属病院放射線科専門研修プログラム応募申請書
●履歴書

 申請書は準備中です。電話 (075-751-3760)あるいは e-mail (yakira@kuhp.kyoto-u.ac.jp)にてお問い合わせください。

4) 選考方法

 書類審査および面接により選考します。試験の日時・場所等は別途京都大学医学部附属病院放射線治療科又は放射線診断科ホームページにてお知らせします。

5) 書類提出先・問い合わせ先

京都大学医学部附属病院 放射線科 専門研修プログラム統括責任者 宛
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
電話:075-751-3760
E-mail:pkt@kuhp.kyoto-u.ac.jp
URL:http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~diag_rad/ / http://radiotherapy.kuhp.kyoto-u.ac.jp/

6) その他

 事情により募集期間、試験日時等に変更が生じることがあります。京都大学医学部附属病院放射線治療科又は放射線診断科ホームページに最新情報を公開しますので、そちらをご確認ください。

6. 研修内容

 「放射線科専門研修カリキュラム」は、放射線科専門医の使命を果たすことができる、放射線科全般に及ぶ知識と経験を一定レベル以上に有する専門医を育成するために策定されており、「到達目標」および「経験目標」から構成されます。
 到達目標A には修得すべき専門知識の範囲とレベル、到達目標B には画像診断、IVR、放射線治療などの技能に関して求められる範囲とレベルが示されています。放射線科領域では知識と技能は重複するところが多く明確な区別ができない項目もありますが、カリキュラムでは認識、理解、知見に関わることは便宜上到達目標A「専門知識」に分類し、技術的な能力に深く関わるもののみ到達目標B「専門技能」に分類されています。到達目標C には医療倫理、医療安全、コミュニケーション能力など、到達目標Dには生涯学習や研究活動などについて修得すべき事項が示されています。知識や技能の要求度はそれぞれの項目において、「知る、説明できる、実践できる」などの述語により示されています。
 経験目標A には画像診断に関して経験することが要求される疾患・病態等、経験目標B には知識・技能を修得するために必要とされる検査モダリティ、手技ごとの実施数あるいは読影数、経験目標C には治療等(IVR および放射線治療)に関して経験することが要求される手技・治療法と経験数が示されています。
 到達目標および経験目標の概略は以下の通りですが、詳細については「放射線科専門研修カリキュラム」を参照してください。

1) 到達目標

(1) 専門知識

整備基準4

 専攻医は、医療の質と安全管理ならびに画像診断法(X線撮影、超音波検査、CT、MRI、核医学検査)、IVRおよび放射線治療の知識を修得する必要があります。

A. 医療の質と安全管理

B. 画像診断
C. IVR
D. 放射線治療

(2) 専門技能

整備基準5

 専攻医は放射線障害の防止に努めつつ、画像診断の各検査法と診断ならびにIVRおよび放射線治療に携わり、安全で質の高い医療を提供する専門技能を修得する必要があります。

A. 画像診断

B. IVR
C. 放射線治療
D. 医療の質と安全管理

(3) 医師としての倫理性、社会性など

整備基準7

 放射線科領域専門医としての臨床能力には、医師としての基本的診療能力と放射線科医としての専門的知識・技術が含まれ、これらを身につける必要があります。

(4) 学問的姿勢

整備基準6,30

 科学的思考、課題解決型学習、生涯学習、研究などの技能と態度の修得に努め、自己学習の習慣を身につける必要があります。

2) 経験目標

(1) 経験すべき疾患・病態

整備基準8

 専攻医は「専門研修カリキュラム」に沿って該当する疾患・病態を経験・学習する必要がありますが、研修内容に偏りがないようにするために幅広い領域の疾患・病態を経験することが求められます。経験とは、「第一読影者として読影レポートを作成し、その後専門研修指導医の確認を経てレポートが発行された読影」、「専門研修指導医とともに実施し、術者もしくは第一助手を務めた検査・手技・IVR」、および「第一立案者として治療計画を立案し、その後指導医の確認を受けた放射線治療」のことです。一人の患者において複数の疾患を対象に画像診断や治療を行った場合には、それぞれの経験症例として申請することができます。専門研修カリキュラムに定める11 領域80 疾患群100症例のうち、専門研修が満了するまでに90%以上の症例を経験することを目標とします。

(2) 経験すべき検査・読影

整備基準9,15

 専攻医は放射線科専門医としての知識・技能を習得するために、一定数以上の読影レポート作成および検査の実施経験を積む必要があります。経験とは、「第一読影者として読影レポートを作成し、その後専門研修指導医の確認を経てレポートが発行された読影」ならびに「専門研修指導医とともに実施し、術者もしくは第一助手を務めた検査・手技」のことです。一人の患者において複数の疾患を対象に読影・検査・手技を行った場合には、それぞれの経験症例として申請することができます。モダリティ・手技ごとに下記の件数の読影もしくは手技を経験することが求められます。

モダリティ・手技目標症例数
X線単純撮影400例
消化管X線検査60例
超音波検査120例
CT600例
MRI300例
核医学検査50例

<補足>

(3) 経験すべき治療法

整備基準10,15

 専攻医は下記の件数のIVRならびに放射線治療を経験することが求められます。IVRにおける経験とは、「専門研修指導医とともに実施し、術者もしくは第一助手を務めたIVR」のことです。また、放射線治療における経験とは、「第一立案者として治療計画を立案し、その後指導医の確認を受けた治療」のことです。一人の患者において複数の疾患を対象に治療を行った場合には、それぞれの経験症例として申請することができます。手技・治療内容によりそれぞれ目標の症例数が設定されているので留意してください。

治療法経験症例数内訳
IVR30例血管系10例以上
非血管系5例以上
放射線治療30例脳・頭頚部4例以上
胸部・乳腺4例以上
腹部・骨盤4例以上
骨軟部4例以上

<補足>

7. 研修方略

整備基準44,45

 放射線科専門医の臨床能力として、専門的知識・技能に加え、医師としての基本的診療能力も習得できるよう指導します。専攻医は、「専攻医研修マニュアル」に基づき、「放射線科領域専攻医研修手帳」を携帯し研修を実践することになります。専門研修指導医は、「指導医マニュアル」をもとに指導します。 

1) 専門研修プログラム制による研修

整備基準16,25,30

 研修はプログラム制で実施し、研修期間は3年間以上です。専門研修プログラムにより研修を開始した日をもって研修開始日とします。
専門研修の質を保障し均一化をはかるため、必ず専門研修施設群の複数の施設をローテート研修します。専門研修期間のうち少なくとも1年間以上は日本医学放射線学会認定の総合修練機関で専門研修を行うことを必須とします。また、放射線科専門研修プログラム新整備基準では、基幹施設での研修は 6カ月以上とし、連携施設での研修は3ヵ月未満とならないようにすることが定められていますが、本プログラムでは各施設1年単位でのローテートを基本としています。専門研修関連施設での研修は、非常勤医師として専門研修基幹施設の管理・責任の下に行われ、常勤医師としてのローテート研修は行いません。

(1) 専門研修1年目

(2) 専門研修2年目・3年目

 知識、技能は研修コースの相違で段階的に習得できない場合があり、3年間で確実に習得することを目指します。また、年次ごとの目標は一つの目安であり、研修環境や進捗状況により柔軟に対応します。
 専門性を持ちつつ臨床研究活動に携わり、その成果を国内外の学会で発表し、論文を作成します。さらに後輩の指導にもあたり、研究・教育が可能な総合力を培います。また、日本医学放射線学会認定教育講習会を、必要回数、受講します。
 3年目までに習得した知識、技術をさらに深化・確実なものとし、放射線科専門医として診療できるよう専門医試験に臨むとともに、サブスペシャリティ領域専門医(放射線診断専門医または放射線治療専門医)の方向性を決定します。 

2) 研修コース

整備基準30

 研修期間は3年間です。研修には大学病院重点コース、市中病院/地域病院重点コース、大学院進学コースの3コースが設定されています。どのコースに進むかは専攻医の希望を聞いた上、研修担当責任者と相談で決定します。
 専門研修プログラムにより研修を開始した日をもって研修開始日とします。
いずれのコースにおいても、サブスペシャリティ領域である、放射線治療専門医・放射線診断専門医資格取得を念頭に置いた研修が実施可能です。
c  また、研修コースは研修期間中に研修担当責任者と相談の上で、専門研修プログラム整備基準の範囲内で変更することが可能です。
 3年間での研修施設は、2箇所以上での研修を必須として、施設移動は1年単位が基本ですが、専攻医と研修担当責任者が相談の上で、同一施設での研修を2年間とすること及び、6か月単位、3ヶ月単位での施設変更も選択することが可能です。

研修コース<例>

コース専攻医1年目専攻医2年目専攻医3年目
大学病院京大病院専門研修連携施設A専門研修連携施設B
市中/地域専門研修連携施設
(総合修練機関)
専門研修連携施設C専門研修連携施設D
大学院連携施設と京大病院
(大学院・臨床)
京大病院
(大学院・臨床)
京大病院
(大学院・臨床)

3) 研修方法

整備基準13

 専攻医は、専門研修施設群内の施設で専門研修指導医のもとで研修を行います。専門研修指導医は、専攻医が偏りなく到達(経験)目標を達成できるように、放射線科領域専門研修カリキュラムに基づいたレベルと内容で学習指導をします。

(1) 専門研修基幹施設:京都大学医学部附属病院放射線治療科・診断科及び、専門研修連携施設のうち、日本医学放射線学会認定総合修練機関

A. 放射線診断
<IVR患者の担当>(ベッドサイドでの患者からの学び)
外来
病棟
B. 放射線治療
<放射線治療患者の担当>(ベッドサイドでの患者からの学び)
外来
病棟
C. 臨床現場以外での研修

整備基準12,14

大学院(臨床系)
総合修練機関における放射線科研修週間予定表(ある施設でのある月の予定表の一例)
第1週
診断
IVR
午前CT核医学MRICT外来
午後超音波検査
IVR術前カンファレンス
MRIIVR
肝胆膵カンファレンス
MRI
呼吸器疾患カンファレンス
CT
第2週
診断
IVR
午前CT外来MRI消化管造影CT
午後超音波検査
IVR術前カンファレンス
核医学
婦人科/脳神経疾患
カンファレンス
IVR超音波検査MRI
第3週
治療
午前病棟診察,外来病棟診察,外来病棟診察,外来病棟診察,外来病棟診察,外来
午後密封小線源治療放射線治療計画放射線治療計画放射線治療計画放射線内用療法
第3週
診断
IVR
午前CT核医学MRICTMRI
午後超音波検査
IVR術前カンファレンス
核医学IVRCT省察とフィードバック(指導医)

上記は日本医学放射線学会認定総合修練機関(基幹・連携)での放射線科研修の一例であり、基幹施設・連携施設により、研修スケジュールは異なります。また、専攻医と各施設の研修担当責任者が協議の上で放射線科専門研修プログラムの範囲内で重点的学習目標を設定する研修計画作成も可能としています。研修スケジュールは専攻医のサブスペシャリティ領域での志望も考慮し、専攻医の意向も調査を行った上で各施設研修担当責任者が計画します。

(2) 専門研修連携施設

整備基準11,28,29

A. 専門研修連携施設のうち、日本医学放射線学会認定修練機関・特殊修練機関

8. 研修実績の記録

整備基準41, 44, 46

 専門研修では専攻医の研修実績および評価を以下のように記録します。

1) 専攻医は、専門研修開始時に専攻医登録を基本領域学会である日本医学放射線学会に届け出、日本専門医機構から承認を受けます。
2) 専攻医は、「研修手帳」に以下を記録します。

3) 専攻医は、研修実績データをExcelベース(専攻医研修実績記録フォーマット)で蓄積し、提出を求められた際に患者IDが連結可能なファイルとして随時対応できるように管理します。
・ 研修実績データ等の管理・蓄積では、個人情報保護に必要な配慮(例えば、連結可能匿名化、パスワード設定、オフラインコンピュータでの管理等)を行います。
4) 専門研修施設の専門研修指導医は、専攻医の研修手帳にて、達成度評価および年次別総合評価の指導者評価、研修実績等の確認・評価を記録します。
5) 3年間の専攻医の研修実績と評価を記録した研修手帳のコピーおよび講習会・e-learningの受講証明書などのコピーを、専門研修基幹施設に設置した専門研修プログラム管理委員会が最低5年間これを管理・蓄積します。
6) 専門研修施設には、日本医学放射線学会が研修記録などの内容について、無作為抽出による実地調査などに対応するために、随時監査できるシステムを構築することが求められます(例:レポーティングシステムによる読影症例の管理、治療RISによる放射線治療症例の管理など)。
7) 日本医学放射線学会は、専攻医の専門研修に関わる情報を、求めに応じて日本専門医機構に提供します。

9. 研修の評価

整備基準17〜22, 41

 専門研修指導医が達成度評価を適宜行い、専門研修プログラム管理委員会が総括的評価を行い、専門研修プログラム統括責任者が修了評価を行います。

1) 達成度評価

(1) フィードバックの方法とシステム

整備基準17,49,50

A. 専攻医は、到達目標の達成度について、「研修手帳」を用いて最初に自己評価します。
B. 専門研修施設の専門研修指導医は、専攻医の研修内容の改善を目的として、研修中の不足部分を口頭あるいは実技で明らかにし、「研修手帳」を用いて達成度評価を適宜行います。
・ 専攻医は、研修実績を1回/月程度の回数で、専門研修指導医の評価とその確認の署名をもらうことになります。
C. 専攻医は、年度の中間と年度修了直後に年次別総合評価を専門研修プログラム管理委員会に報告します。
・ 専門研修指導医および指導管理責任者は、専攻医の評価を年次別総合評価票に記載して、専攻医にフィードバックします。また、看護師などに多職種評価を依頼します。
・ 専攻医は、研修に対する自己評価、専門研修指導医に対する評価、専門研修施設に対する評価、専門研修プログラムに対する評価を記録して、年次別報告票と研修記録簿を専門研修プログラム管理委員会に提出します。
D. 専門研修プログラム統括責任者は、専門研修プログラム管理委員会を開催し、提出された専攻医からの報告票を検討し、次年度の研修内容、研修指導、研修環境、ならびに専門研修プログラムの改善に反映させます。
・ 専門研修プログラム統括責任者は、専攻医の報告内容を匿名化して研修プログラム管理委員会に提出します。
・ 適切な改善が得られないときは、専攻医は放射線科領域研修委員会に評価内容を直接提示することも可能です。

(2) 指導医層のフィードバック法の学習(Faculty Development; FD)

整備基準18,36

 専門研修指導医は、日本医学放射線学会が認定する「専門研修指導者講習会」、FDなどの機会にフィードバック法を学び、よりよい専門研修プログラムの作成を目指します。なお、専門研修指導医は、資格継続のため、日本専門医機構または日本医学放射線学会が主催する指導者講習会の参加が義務づけられています。

2) 総括的評価

(1) 評価項目・基準と時期

整備基準19

 専門研修プログラム管理委員会は、専攻医の専門研修が満了する第3年度の3月に、到達目標達成度評価、経験症例記録ならびにその他の研修記録・業績目録から専門的知識・技能・態度について総合評価します。

(2) 評価の責任者

整備基準20

 年度毎の年次別総合評価は、専門研修施設の専門研修指導責任者が行い、専門研修プログラム統括責任者が確認します。
 3年間の専門研修修了時の総括的総合評価は、専門研修プログラム統括責任者が行います。

(3) 修了判定のプロセス

整備基準21,53

専門研修修了の最終判定は、専門研修プログラム統括責任者および専門研修プログラム連携施設担当者等で構成される専門研修プログラム管理委員会にて、3年間の専門研修が満了する3月に、研修出席日数・プログラムの達成状況などから行われます。
 専門研修プログラム統括責任者は、専門研修修了時に研修到達目標のすべてが達成されていることを確認し、総括的総合評価を記載した専門研修修了証明書を専攻医に発行し、その写しを日本専門医機構放射線科領域専門医委員会に提出します。
 修了判定に至らなかった専攻医に対しては、年限を延長して研修を行います。
<修了要件>

(4) 多職種評価

整備基準22

 医師としての倫理性、社会性の評価判定には、他職種(診療放射線技師、医学物理士、看護師、事務職員など)の医療スタッフなど第三者の意見も達成度評価に取り入れ、専門研修プログラム統括責任者が修了判定にフィードバックします。

10. 研修の休止・中断、異動

整備基準33

 放射線科専門研修中に特別な事情が生じた場合には、原則として以下に示す対応を取ります。

  1. 出産に伴う6ヶ月以内の休暇は、1回までは研修期間にカウントできます。ただし、出産を証明する書類の添付が必要です。
  2. 疾病での休暇は、6ヶ月まで研修期間にカウントできます。ただし、診断書の添付が必要です。
  3. 基幹施設、連携施設および指導医が常勤する関連施設における短時間雇用形態(非常勤)での研修は、6ヶ月まで研修期間にカウントできます。8時間×100日=800時間をもって6ヶ月間として按分計算を行うことにより、研修実績に加算されます。ただし、週30時間以上の短時間雇用形態(非常勤)での研修は、上記の按分計算をする必要はなく、その期間を研修期間にカウントできますが上限は6ヶ月です。
  4. 社会人大学院のように、放射線関連の臨床研修が可能な大学院の場合は、研修期間としてカウントできます。
  5. 留学期間、並びに診療業務のない大学院の期間は、研修期間にカウントできません。

11. 労働環境、労働安全、勤務条件

整備基準40

 専門研修プログラム統括責任者および指導管理責任者は、専攻医の適切な労働環境、労働安全、勤務条件の整備と管理を担い、専攻医のメンタルヘルスに配慮します。
 勤務時間、当直、給与、休日は労働基準法に準じて、専門研修基幹施設および各専門研修連携施設の施設規定に従います。

2017年6月1日
京都大学医学部附属病院
放射線科領域専門研修プログラム統括責任者
富樫 かおり


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