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臨床試験

「急性高度難聴患者に対する生体吸収性徐放ゲルを用いた
 リコンビナント・ヒト・インスリン様細胞成長因子1の
 内耳投与による感音難聴治療のランダム化対照試験」

説明(医療関係者向け)

 

ポイント

  1. 本臨床試験の対象疾患は、突発性難聴(疑いを含む)です。ムンプスなどによる急性高度難聴、老人性難聴、メニエル病などは、対象ではありません。
  2. 登録時点で、発症から25日以内であることが必要です。
  3. 本試験は、ランダム化対照試験です。つまり、すべての患者さんがIGF治療を受けるわけではありません。登録してから、IGF治療かステロイド鼓室内投与治療(対照治療)に無作為に割り付けられます。患者さんや紹介される先生方の希望にそって、治療法が決定される、あるいは、変更することはありません。あらかじめ、無作為割り付けが行われることを承諾された患者さんのみが対象となります。
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臨床試験のながれ

急性感音難聴

下記の厚労省基準にて突発性難聴の確実例、あるいは、疑い例と診断された症例が対象となります。

突発性難聴診断基準
診断基準 確実例:主症状、副症状の全事項を満たすもの
疑い例:主症状の1) 2) を満たすもの
主症状 1) 突然の難聴*
2) 高度な感音難聴
3) 原因が不明、または不確実
副症状 1) 耳鳴り
2) 反復性でないめまい、吐き気、嘔吐
3) 他の脳神経症状を伴わない

*突然の難聴は、即時的に難聴が発生し、発生時の状況が説明できる。

7日間以上のステロイド全身投与(投与薬物の種類、量、投与方法(内服か点滴か)は問題となりません)後に、純音聴力検査にて下記の厚労省基準に基づき、効果判定を行い、「不変」もしくは「回復」に相当する症例が対象となります。

突発性難聴・聴力回復の判定基準
1) 治癒
0.25, 0.5, 1, 2, 4 kHzの聴力レベルが20 dB以内に戻ったもの
 または
健側聴力が安定と考えられれば、患側がそれと同程度まで改善したとき
2) 著明回復
上記5周波数の算術平均値が30 dB以上改善したとき
3) 回復
上記5周波数の算術平均値が10 dB以上30 dB未満改善したとき
4) 不変
上記5周波数の算術平均値が10 dB未満の変化

ここまでの条件を満たし、

  • 発症後25日以内(京大での登録時)である
  • 重篤な合併症がない
  • 抗凝固薬を内服していない
  • 20歳以上である

という4点が満たされていると、登録条件がほぼ満たされた状態です。

 ご紹介いただいた後に、下記に示す適格基準、除外基準を京大病院耳鼻科にて確認後、患者さんの同意がえられれば、登録というながれになります。

適格基準

  1. 急性高度難聴、すなわち突発性難聴診断基準の突発性難聴の確実例または疑い例と診断されている。
  2. 誘発耳音響放射検査にて蝸牛有毛細胞障害が示されている。
  3. 急性高度難聴に対する前治療として以下を満たしている。
    ・ ステロイド全身投与を、合計7日間以上実施している。
    ・ 7日間以上実施した後に行われた効果判定で、不変あるいは回復と判定されている。
      ただし、効果判定以降もステロイド全身投与を継続していてもよい。
  4. 急性高度難聴の発症後25日以内である。
  5. 同意取得時の年齢が20歳以上である。
  6. 外来通院が可能な全身状態である。
  7. 試験参加について、被験者本人から文書による同意が得られている。

除外基準

  1. 活動性の慢性中耳炎、急性中耳炎、浸出性中耳炎等の炎症所見が存在するあるいは耳管機能障害が存在する。
  2. 抗凝固剤を継続投与している。
  3. 以下のいずれかの合併症を有する。
    1. 重篤な肝障害
    2. コントロール不良の糖尿病
    3. 治療中の下垂体機能不全、副腎機能不全
    4. その他、生命予後が不良の合併症
  4. 以下のいずれかの既往を有する。
    1. ゼラチンアレルギー
    2. 本試験で問題となる薬剤等のアレルギー
    3. 過去1年以内にアルコール依存もしくは薬物依存を認めた
  5. 活動性の悪性腫瘍(無病期間が5年以内の悪性腫瘍)を有する。ただし、carcinoma in situ(上皮内癌)や粘膜内癌は活動性の悪性腫瘍に含めない。
  6. 妊娠中または妊娠の可能性がある、妊娠を希望している、授乳中である女性。
  7. その他、試験の担当医師が本試験を安全に実施するのに不適切と判断している。

治療法

 登録後、無作為に、IGF治療群と対照群(ステロイド鼓室内投与)に割り付けられます。

1) IGF治療

 手術室で局所麻酔下に鼓膜切開を行い、中耳の正円窓窩にIGF-1(商品名ソマゾン)含有ゼラチンハイドロゲルを留置します。手術日を含めて、4泊5日の入院となります。入院期間は、基本的に延長しません。

2)対照治療:ステロイド内耳投与

 基本的に外来にて治療を行います。局所麻酔後、中耳にステロイド(商品名オルガドロン)を注入します。注入後、30分は、治療した耳を上にして、横になっていただきます。連続4日間(休日をはさむ場合は、7日間のうちに4回)投与を行います。

 上記いずれの治療を行った場合も、治療開始から1,2,4,8,12,16週目に外来受診をしていただき、聴力検査などの検査を受けていただく必要があります。

費用負担について

 試験治療期間中に必要な費用(IGF-1群は入院4日間、対照群は投与を行う4日間)と試験治療後1・2・4・8・12・16週目の外来診察と検査の費用は、京都大学医学部附属病院が負担しますので、患者さんへの請求はありません。ただし、これ以外の日に当院に受診された場合の医療費は健康保険が適用され、自己負担分をお支払いいただきます。

紹介状にご記載いただかなければならない項目

  1. 発症日
  2. 治療開始日
  3. 治療内容(投与薬物名、投与期間)
  4. 投与開始前、終了後の純音聴力検査所見

 上記記載がない場合、登録できませんのでよろしくお願いします。

 症例のご紹介に関するお問い合わせは、ファックスもしくはe-mailにてお願いいたします。

ファックス: 075-751-7225
e-mail:

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最終更新: 2012年1月31日 23:05