京都大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭顎部外科

臨床研究

咽喉頭癌について

咽頭癌の治療は飲み込みや声と深く関わっており、日本では早期の咽頭癌に対してはのどを残すために放射線治療あるいは化学療法を併用した化学放射線治療が主に行われています。

しかし、放射線治療を行うと唾液を作る唾液腺がダメージを受け、またのどの筋肉の動きも悪くなるので、治療で癌が治っても、口の中がカラカラになったり、食べ物がうまく飲み込めなくなったりして、口から食べる事が出来なくなることも少なからずあります。実際、咽頭癌や喉頭癌などの頭頸部癌に放射線治療を行った患者さんの9%~39%が長年にわたり口から食べることができなくなると海外で報告されています。また化学放射線治療には通常3ヶ月程度の入院が必要でした。

この問題を克服するため、手術支援ロボット(da Vinci)を用いて口から咽頭癌を切除して癌を治療する経口的ロボット支援手術がアメリカのペンシルバニア大学で開発されました。

首や顔に傷をつけず、口から癌をとることで、良好な癌の治療成績が得られること、入院期間が1~3週間と短くて済むこと、首に手術跡がつかないこと、手術後の飲み込みの機能が良好で治療後も100%近くの人が口から食べられること、などが報告されています。

今回の臨床試験で行う経口的ロボット支援手術は、アメリカで2009年にFDA(アメリカ食品医薬品局)から承認を得た後、安全で有効な治療法として世界中に急激に広まっています。

日本でも泌尿器科などの病気に対しては手術支援ロボットを用いた手術が普及してきており、その安全性が確認されています。

しかし、日本国内では咽頭癌に対する経口的ロボット支援手術がようやく導入され始めようとするところであり、国内全体でまだ開始されたばかりの手術方法です。欧米からの報告では手術の安全性・有効性が確認されていますが、日本においてもその安全性・有効性を再度検証する必要があります。

今回は京都大学が中心となり、全国でダビンチを用いて咽喉頭癌の手術ができる3施設(京都大学、鳥取大学、東京医科大学)によって、「咽頭癌の治療における経口的ロボット支援手術の安全性・有用性」を検討し、少しでも早く経口的ロボット支援手術が日本でも標準治療の一つになるように臨床試験を行っています。

最終更新:2016年7月6日 21:25

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