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代表的な疾患 大腸癌

  1. はじめに
  2. 進行度(進み具合)
  3. 進行度別治療法
  4. 治療実績

代表的な疾患 大腸癌

 大腸癌には、さまざまな治療方法があります。大腸癌のできた場所や大きさ、周辺への広がり具合や、他の臓器に転移があるかどうかによって適切な方法を選択します。
 まずは必要な検査で癌の進み具合を正確に知る必要があり、進み具合に応じて患者さんに最も適した治療方法を選択することになります。
 当診療科における大腸癌手術の大きな特徴は、進み具合にかかわらず、腹腔鏡下手術が標準治療となっている点です。

 2005年6月以降、大腸癌手術の80%以上を腹腔鏡下に行っています。従来の開腹手術と比較して、体への負担がより少ないこと、拡大してよく観察できるため 出血の少ない精細かな手術を行えることがメリットです。
 また、手術と抗癌剤などを組み合わせて再発を減らすことを目指しており、転移・再発のある患者さんにはFOLFOX/FOLFIRI療法を中心とした 最新の抗癌剤治療を外来化学療法部と連携して通院で行い、良好な治療成績につながっています。特に非常に進行した直腸癌では術前化学療法(FOLFOX/IRIS)によって 癌の進み具合を下げた後に手術を行い、骨盤内臓全摘術などのきわめて侵襲の高い手術をできるだけ回避する試みに取り組んでいます。

 外来を初めて受診された時に、このホームページの内容に準じた説明パンフレットをお渡しします。
 入院の際には、外科ばかりでなく、放射線科、消化器内科、外来化学療法部を含めた治療ミーティングで、その患者さんに最も適していると 考えられる治療法を検討の上選択し、これに同意いただいて治療を行っています。

大腸癌とは

 大腸は、盲腸から続いて上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸と続き、直腸から肛門へと至る、全長約2mの臓器です。
 口から小腸までの間に消化吸収された残りの腸内容物を貯め、水分を吸収しながら大便にするところです。

 大腸癌は年々増加の傾向にあり、日本人にもっとも多い癌の一つです。60歳代に一番多く、次いで50歳代、70歳代の順です。
 時に見られる若い方の大腸癌は家族や血縁者の中に多発する傾向が認められることがあります。

 大腸癌の発生に関してはこれまでに非常に多くの研究がなされてきていますが、癌発生のメカニズムは複雑で決定的な答えはまだ得られていません。
5%前後の大腸癌は遺伝が原因でできるとされていますが、食生活の欧米化、特に動物性脂肪や蛋白質の摂りすぎなどの環境的な要因の影響がより大きいと考えられています。

 大腸癌の危険因子は、
①大腸にポリープがある
②血縁者に大腸癌にかかった人がいる
③潰瘍性大腸炎を長期間わずらっている
④難治性の痔瘻がある、などです。


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大腸癌の症状

大腸癌の症状は、癌のできた部位や進み具合によって異なります。S状結腸~直腸癌では、肛門に近く、便が固形状のため、血便、便が細くなる、残便感、下痢と便秘を繰り返す、腹痛などの症状が多いです。一方、肛門から離れた盲腸癌や上行結腸癌では、便は液状であるため、血便や便秘を自覚することは少なく、少しずつ出血することによる貧血症状や癌の進行による腸閉塞症状(嘔吐・腹痛・腹部膨満など)・腫瘤(しこり)触知ではじめて気がつくこともあります。また、検診のCTなどで肝臓や肺の転移を指摘された後に大腸癌が発見されることもあります。

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大腸癌の診断方法

大腸癌の進行度(進み具合)、つまりリンパ節・肝臓・肺・腹膜などに転移があるかどうか、他の臓器に浸潤しているかどうかにより、治療方法が異なってきます。ここでは、大腸癌と診断された後に、正確な進行度を把握し適切な治療方針を立てるために行う検査について述べます。

(1) 大腸内視鏡検査

 大腸ファイバーという内視鏡を使って、直接大腸の中を観察し、腫瘍の一部をつまみ取って癌かどうかを調べます。

(2) 注腸造影検査

 肛門から造影剤と空気を注入してレントゲン写真を撮ります。大腸癌の正確な位置の確認と狭窄(大腸が狭くなること)の程度がわかり、腫瘍の深達度(深さ)を予測可能です。

(3) 腫瘍マーカー

 血液検査で体に潜んでいる癌を診断する方法です。
 CEAとCA19-9と呼ばれるマーカーが一般的ですが、進行大腸癌であっても約半数しか陽性になりません。
 転移・再発の指標や治療効果の判定のために補助的に用いられます。

(4) 画像診断(CT、MRI、超音波検査、FDG-PETなど)

 これらの検査は、大腸癌の進行の程度(周辺臓器への浸潤の程度など)や肝臓や肺、リンパ節、腹膜、骨盤内に 転移や 再発がないかどうかを調べるために用いられます。
 FDG-PET検査は、腫瘍マーカーでは転移・再発が疑われるのにCT、MRIなどの検査で転移・再発の部位が見つから ない場合に 病巣を見つけ出すの に有用なことがあります。

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