治療対象疾患

当院で行っている主な脊椎手術

新規治療




腰部椎間板ヘルニアに対する内視鏡手術(MED法)

腰部椎間板ヘルニアの治療は薬物療法や物理療法などの保存療法が第一選択ですが、時に手術が必要になります。手術治療には一般的には顕微鏡を用いて行うLove法と内視鏡を用いて行うMED法があります。
 当院では2004年からMED法を導入し、ヘルニアに対する低侵襲手術を行っております。手術翌日からの歩行が可能となり、入院期間も短縮されました。

MED

腰部脊柱管狭窄症に対する棘突起縦割式椎弓切除術

腰部脊柱管狭窄症は70歳前後の高齢者に好発し、腰痛、下肢痛やしびれ、歩行障害、排尿障害など様々な症状を呈します。治療は基本的には保存療法で、薬物療法、ブロック療法、物理療法が行なわれますが、治療に抵抗する場合は手術治療が行われます。
 全身合併症の多い高齢者が手術対象者となる場合が多いため、出来るだけ低侵襲で安全・確実な方法が望まれます。当院では棘突起縦割式椎弓切除術により正常組織をほぼ温存した神経除圧手術を行っています。約1時間の手術で術後の痛みも軽減されています。翌日からリハビリが始まり、2週間ほどで退院できます。

lscs

腰椎すべり症

腰椎すべり症など脊椎に不安定性のある場合に、腰痛や神経の圧迫による坐骨神経痛や歩行障害が生じ、脊椎固定術が必要となる場合がありますが、一般的に脊椎固定術は非常に侵襲の大きな手術です。
 当院では腰部伸筋群を温存し、片側の関節切除のみでインストゥルメンテーションを用い脊柱全周を固定できる新しい脊椎固定術(TLIF:経椎間孔的椎体間固定)をいち早く導入し、良好な手術成績を得ています。手術の低侵襲化により手術翌日からの歩行が可能となり、入院期間も短縮されました。

tlif

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアにより四肢のしびれや痛みが生じます。時に突然の麻痺が生じる場合もあります。治療は頚椎外固定、牽引、薬物療法、神経根ブロックなどの保存的治療が第一選択となりますが、手術の必要となる場合があります。
 当院ではヘルニアの部位と症状に応じて、前方からの固定術あるいは後方からの除圧術を行なっています。片側の上肢の神経根障害に対しては後方からの低侵襲な選択的椎間孔拡大術を行い、良好な成績を得ています。

頚椎ヘルニア

頚椎症性脊髄症

本疾患は本邦に非常に多い疾患で、70歳以上の高齢者に好発します。脊髄が変性した骨や靭帯組織などにより圧迫を受け、悪化すると四肢のしびれや手指麻痺や歩行障害を生じます。手術のタイミングを逃すと手術をしても症状の残存する可能性があります。
 当院では出来るだけ正常組織を温存する低侵襲の椎弓形成術と術後の外固定の簡略化で良好な手術成績を得ています。手術翌日からの歩行を許可し、約2週間の入院で治療が受けれます。90歳代の患者さんに対しても行った経験があります。

頚椎症性脊髄症

環軸関節亜脱臼

リウマチなどの炎症性疾患や頭頚部外傷により環軸関節(第一頚椎と第二頚椎)の亜脱臼を生じることがあります。著しい後頭部痛や神経圧迫による四肢麻痺、場合によっては心肺停止を生じることがあります。
 手術は非常に危険ですが、当院ではこのような病態に対し、独自に開発した器械を用い、安全で確実な手術方法を開発し積極的な手術治療を行なっております。

環軸関節亜脱臼

脊柱変形

脊柱変形には若年者に発症する特発性側弯症と中高齢者に発症する変性側弯症があり、変形が進行する場合や神経麻痺などの症状が出現する場合には手術による矯正固定術が行われます。
 当院では特に中高齢者の変性側弯症に対し、後方からの変形矯正による固定を積極的に行い、良好な成績を得ています。

脊柱変形

手術支援ナビゲーションシステムを用いたインストゥルメンテーション

リウマチ、癌の骨転移、外傷などの頚椎の破壊性病変に対しては時に金属材料を用いた頚椎の内固定(インストゥルメンテーション)が必要になります。しかし頚椎のインストゥルメンテーションは非常に危険な手術で、一歩間違えると脊髄や動脈の損傷により重篤な合併症を生じる可能性があります。
 当院では2004年から手術支援ナビゲーションシステムを導入し、誤差が1ミリ以下の精度での安全確実な手術を行っております。

ナビゲーション

転移性脊椎腫瘍

癌が脊椎に転移すると神経が圧迫され、著しい疼痛や突然の麻痺を生じることがあります。疼痛や軽い麻痺の場合は放射線治療などが第一選択となりますが、重篤な麻痺の場合には緊急の手術を行なう必要があります。手術のタイミングを逸すると寝たきりになる可能性があります。当院では関連病院と連携し、緊急手術を行い良好な成績を得ています。
 手術は後方からの脊髄全周性除圧と内固定を行い、術後早期からのリハビリテーションによる麻痺の改善と終末期の患者のADL向上に努めています。

転移性脊椎腫瘍

生体活性チタン多孔体デバイスを用いた腰椎固定術

2008年10月から独自に開発した生体活性チタン多孔体デバイスを用いた腰椎疾患に対する自主臨床試験を行いました。 このデバイスを用いることで従来の手術に比べ、より低侵襲な手術が可能となりました。5例の臨床試験が終了し、全ての患者さんにおいて良好な成績が得られ、現在は早期市販化に向けた開発を行っています。また、頚椎前方固定用のカスタムメイドチタンインプラントの臨床治験を現在行っています。

チタン

三次元実体骨モデルを用いた手術

高度な脊柱変形や再手術症例などの難治性疾患に対する手術においては神経合併症を回避するために高い医療技術が要求されます。
 当院では手術支援ナビゲーションシステムに加え、術前の患者さんの骨CTデータから作成した三次元骨実体モデルを作成し、手術の際に用いています。この技術の導入により、さらに安全かつ正確な手術を行うことが可能となりました。

3D

MIS手技を用いた腰椎前方固定手術 (XLIF, OLIF)

2012年秋より、腰椎前方固定用のケージが日本に導入されました。このケージは腹部の横からに数センチの傷で挿入する事が可能であり、非常に低侵襲な手技です(XLIFやOLIFと呼ばれています)。従来の固定術では後方の筋肉の組織へのダメージは避けられないものでしたが、このケージと経皮的な椎弓根スクリューを併用する事で、筋肉への侵襲を最小限に押させた手術が可能となりました。良い事ばかりではなく、大きな合併症も報告されていますが、当院では現在約130名の方に使用し、良好な成績をあげています。

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