心停止ドナー膵島移植

心停止ドナー膵島移植

亡くなられた方から善意によって提供された膵臓より分離した膵島を移植します。

本邦におきまして、膵島移植のための膵島分離の対象となるのは心停止ドナーから提供された膵臓です。心停止ドナーからの膵臓は欧米で標準の脳死ドナーとくらべ組織障害の程度が一般的に高く、欧米で確立されております膵島分離法をそのまま適応しても充分な量と質の膵島を分離することが不可能でありました。京都大学では2003年米国で膵島分離法を習得したスタッフが集まり、自分たちの経験やこれまでの文献的知見をもとに欧米での標準法を改良し、「京都膵島分離法」を考案、ブタの膵臓を用いて検証を行い、心停止ドナーからの膵臓を用いても移植に耐える質と量の膵島が分離できる方法を確立しました。

京都大学は全国組織である膵・膵島移植研究会の膵島移植班の一員として心停止ドナ膵島移植を実施しています。
京都大学での心停止ドナー膵島移植は膵島移植班によって決定されました規則に則って行われています。これによって移植の原則である公平性と透明性を担保しています。
京都大学で心停止ドナー膵島移植を受けることを希望されるかたは京都大学病院の膵島移植外来を受診していただく必要があります。膵島移植外来で診察させていただき、膵島移植の適応があると判断された場合、京都大学から膵島移植班事務局に適応判定依頼を提出します。膵島移植班事務局での適応判定委員会にて適応の是非が検討され、適応ありと判定されますとレシピエント候補として待機患者リストに載ります。
膵島移植のための膵臓提供の連絡が京都大学にありますと、摘出チームが提供病院に向かい膵臓を摘出、京都大学の細胞プロセッシングセンター(分子細胞治療センター)に運搬し、そこで膵島分離を行います。分離された新鮮膵島を評価して移植の基準を満たしていると判断された場合、膵島移植班事務局が選定したレシピエントの患者様に移植が行われます。

心停止ドナー膵島移植の適応と禁忌を以下に示します。
適応(以下の4項目を満たすことが必須です。)
1.内因性インスリンが著しく低下し、インスリン治療を必要とする。
2.糖尿病専門医の治療努力によっても、血糖のコントロールが困難。
3.原則として75歳以下。
4.膵臓移植、膵島移植につき説明し、膵島移植に関して、本人、家族、主治医の同意が得られている。
禁忌事項(以下の項目があれば移植できません。)
1.重度の心疾患、肝疾患(心移植または肝移植と同時に行う場合には考慮する)。
2.アルコール中毒。
3.感染症。(活動性のもの)
4.悪性腫瘍。(5年以内に既往がないこと)
5.重度肥満。
6.未処置の網膜症(治療済みであればよい)
7.そのほか移植に適さないもの。