
●科長
腎臓病は進行すると末期腎不全に至るのみならず、他臓器に影響を与えたり、全身性疾患に合併することも多く、臓器連関の要として重要です。腎臓を窓口として、全身を総合的に診ることが我々腎臓内科医の使命であると考えています。
●主な対象疾患
急性腎障害・慢性腎臓病・末期腎不全・慢性糸球体腎炎・ネフローゼ症候群・腎硬化症・糖尿病関連腎臓病・血液疾患関連腎症・ループス腎炎などの膠原病関連腎疾患・血管炎症候群(ANCA関連血管炎・抗GBM抗体型腎炎・クリオグロブリン腎症など)・悪性腫瘍やその治療に関連した腎障害・薬剤性腎障害・遺伝性腎疾患(多発性嚢胞腎・アルポート症候群など)・透析合併症(シャントトラブル・二次性副甲状腺機能亢進症・透析困難症など)・電解質異常・高血圧症・痛風など多岐にわたる疾患を対象としています。
●診療体制
入院・外来を通して、広範な腎臓病の診療を行っています。腎生検や、全エクソーム解析を含む遺伝子診断を積極的に実施することで早期に正確な診断をつけ適切な治療を行います。最新の腎臓病治療を行うためにネフローゼ症候群やIgA腎症に対する新規薬剤の治験にも積極的に参加しています。腎不全の管理についても力を入れております。腎代替療法として血液透析、腹膜透析、腎移植のいずれを選択するか、患者さん主体の協同意思決定を推進する「腎代替療法選択外来」を常設しています。本院では腎移植術を年間10数例行っており、当科は泌尿器科と協力して術前術後管理に携わるとともに、グラフト長期生着維持目的に、腎移植後の定期的な教育入院を行っています。末期腎不全に対するシャント造設、透析導入(血液透析、腹膜透析)、透析合併症の管理も行っています。血液浄化療法については、人工腎臓部の記載をご参照ください。また、当科は、悪性腫瘍やその治療に関連した腎障害を専門とするOncoNephrologyユニットを開設し、がん患者さんに発症した腎障害の診断・治療や腎障害があるがん患者さんの治療のサポートを行っております。さらには、小児科からの移行期や、AYA世代の腎臓疾患の診療も充実させています。
●得意分野
当科は腎疾患全般を扱いますが、とりわけOncoNephrology(悪性腫瘍と腎臓の新領域)を特色としています。がん患者さんは腎障害を呈することが多く、その後のがん診療に支障をきたすことがあります。当科では腎障害を発症したがん患者さんを適切に診断し、治療しています。また、腎臓は薬剤の排泄に重要な臓器ですので、腎機能低下がある患者さんでは薬剤投与に注意が必要です。当科では、腎機能低下したがん患者さんが抗がん剤治療を適切に受けることができるように、腫瘍内科と薬剤部と共同で支援しています。これらの診療の窓口としてがんセンターに「OncoNephrologyユニット」を開設しています。また血液疾患の中には、血液疾患自体の病勢が強くない段階から腎障害を呈する病態(MGRS)が存在します。当科では血液内科と連携し、MGRSの診断や治療を積極的に行っています。膠原病関連腎臓病や糖尿病関連腎臓病、肝移植・肺移植患者の免疫抑制剤による腎機能低下など複雑な病態を有する患者さんの総合的な診療にも取り組んでいます。
※この外来担当医表は2026年7月現在です。
