●科長
当科は西日本の大学病院では数少ない膠原病を専門とする内科系診療科であり、近畿一円における膠原病・リウマチ性疾患についての診療を担うとともに教育と研究に従事しています。膠原病は多臓器を障害する全身疾患であり、また原因不明の熱性疾患や関節疾患を多く扱うことから、他科と積極的に連携を取りつつ、総合的な診療を行っています。
●主な対象疾患
関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・混合性結合組織病・強皮症・皮膚筋炎・多発性筋炎・血管炎症候群(高安動脈炎・多発血管炎性肉芽腫症・結節性多発動脈炎など )・成人スティル病・ベーチェット病・IgG4関連疾患など。
●診療体制
外来診療体制は月曜日から金曜日の週5日間、免疫・膠原病内科外来を開き、連日3-4診体制で外来診療を行っています。また別に初診外来を置き、初診患者のより詳しい病歴徴取と待ち時間の軽減を図っており、当日の紹介患者も速やかに診療を行っています。当科では外来での初診患者数の制限は行っておりません。全身性自己免疫疾患・リウマチ性疾患を専門とする西日本では数少ない内科系診療科であるため、専門診療を頼り近隣府県から紹介されて来院する患者も多く、外来患者数は年々増加の一途をたどっています。病棟はほぼ常に満床となっておりますが、緊急患者は他病棟の病床を借りて入院してもらいできる限り速やかな診療を提供できるよう努力しております。
●得意分野
教室員全員がすべての膠原病・リウマチ性疾患に精通するように、バランスよく診療しているのが当科の特徴でありますが、特に関節リウマチ、皮膚筋炎・多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、血管炎症候群の診療と研究に力を入れています。また、IgG4関連疾患は厚生労働省研究班・日本医療研究開発機構(AMED)研究班で数年にわたりリーダーシップをとってきました。研究面では臨床に生かせる研究を心がけており、特に当科独自のRNA免疫沈降法と蛋白免疫沈降法を用いた自己抗体の解析を行い、種々の 疾患の診断の補助・病型分類・予後の推定・治療方針の決定に役立てています。最も予後の悪いとされる無筋症性皮膚筋炎に伴う間質性肺炎の診断と治療を確立し、現在世界のオピニオンリーダーとなっています。
※この外来担当医表は2025年1月現在です。