2025年11月21日(金曜日)および翌22日(土曜日)の2日間、京都府を被災地とした近畿地方DMAT(*1)ブロック訓練が実施されました。本訓練は、災害時の医療保健福祉活動の検証と、関係機関との相互協力の円滑化を図るため、近畿2府4県持ち回りで平成22年度から毎年実施しており、京都府での開催は平成30年度以来7年ぶりでした。災害拠点病院として本院も例年参加していますが、今回初めて、京都市北部医療圏DMAT活動拠点本部(*2)を設置する病院として選定され、各府県から参集したDMAT隊の指揮及び調整を行う役割で訓練に参加しました。
(*1)「DMAT」とは、災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Team の頭文字をとって略して「DMAT(ディーマット)」と呼ばれています。医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。
(*2) 「京都市北部医療圏DMAT活動拠点本部」とは、大規模災害発生時に、京都市北部医療圏(左京区、北区、上京区、西京区、右京区)に派遣されたDMAT隊を統括・指揮し、医療活動の調整を行う中心的な病院のことです。
本訓練は、11月21日(金曜日)に花折断層帯を震源地としたM7.5、最大震度7の地震が発生し、市内全域で停電・断水、道路の寸断、医療機関の被害など広範囲で甚大な影響が生じ、迅速な医療調整と患者搬送を必要とする被災想定で実施されました。
本院ではDMAT活動拠点本部を立ち上げ、情報分析、活動指揮、物資支援、搬送調整など、次のような訓練を行いました。
- ・医療機関の被害状況や医療需要の把握
- ・近畿地方の他府県から参集したDMAT隊の受入れと活動指示
- ・物資支援や電源確保などの調整
- ・重症患者の搬送調整および自衛隊ヘリコプターによる搬送訓練
- ・京都市・消防・警察・保健所等との連携体制の確認
また、11月21日(金曜日)午前中は、院内災害対策訓練も併せて実施し、発災時の災害対策本部設置・運用訓練、BCPに基づく診療継続訓練、トリアージエリア設置・運用訓練、多数傷病者受入・医療救護訓練、安否確認/登院可否確認メールの運用訓練を行いました。
本院は、今後も京都府災害拠点病院として、継続的な訓練の実施と体制整備を通じ、災害対応力のさらなる強化に取り組んでまいります。
DMAT活動拠点本部の様子
訓練を見学する髙折病院長(左)と
DMAT活動拠点本部長を勤めた大鶴病院長補佐(右)
各府県のドクターカーが集結
院内災害対策本部の様子
自衛隊ヘリでの模擬患者搬送
訓練で作成されたクロノロ(経時活動記録)