「国内初の萎縮型加齢黄斑変性治療薬アバシンカプタドペゴル(アイザベイⓇ)」による治療開始のお知らせ
京都大学医学部附属病院眼科では、萎縮型加齢黄斑変性(いしゅくがたかれいおうはんへんせい)に対する国内初の治療薬であるアバシンカプタドペゴル(アイザベイⓇ)での治療が開始になりました。これまで治療法がなかった萎縮型加齢黄斑変性の患者さんにこの薬剤が適切に使用されるよう、当院眼科では体制を整えて診療にあたっています。
1.加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性は、網膜の中心(黄斑)が徐々に変性して視力障害を引き起こす病気で、成人の主要な失明原因の1つです。後期加齢黄斑変性には、新生血管型(新しい血管が発生して出血や水漏れを起こす型)と萎縮型(地図状萎縮が生じ徐々に拡大する型)があり、萎縮型加齢黄斑変性にはこれまで国内で承認された治療薬はありませんでした。
2.アバシンカプタドペゴル(アイザベイⓇ)について
補体阻害薬であるアバシンカプタドペゴルナトリウム(アイザベイⓇ)は、萎縮型加齢黄斑変性の治療薬として2023年にアメリカで承認されました。昨年9月に国内で初めての萎縮型加齢黄斑変性治療薬として承認され、当院眼科では、治療適応がある患者さんに対して本年1月から治療を開始しています。アイザベイⓇは注射薬で、1~2ヶ月ごとに眼球の中に投与します(硝子体内注射)。
3.当院には萎縮型加齢黄斑変性の専門外来があります
当院眼科ではさまざまな網膜疾患の診療を行っており、疾患ごとに専門外来を設置しています。国内でも数少ない萎縮型加齢黄斑変性の専門外来【黄斑(萎縮型)外来】があり、萎縮型加齢黄斑変性および中期加齢黄斑変性の患者さんの診療を行っています。【黄斑(萎縮型)外来】では、これまであまり知られていなかった萎縮型加齢黄斑変性について、病気および治療について詳しく患者さんに説明しています。
4.当院で萎縮型加齢黄斑変性の診療または治療を希望される場合の流れ
1)予約から受診まで
当院は完全予約制であり、初診の方は他の医療機関からの紹介状が必要です。
加齢黄斑変性が疑われる場合、かかりつけ医からのご紹介で眼科の黄斑初診外来(木曜日午前)を予約、受診いただきます。
※ご紹介いただく先生方へ(当科に初めて患者さんをご紹介いただく場合)
加齢黄斑変性(特に萎縮型)の診断は、網膜専門医でもしばしば困難な場合があります。
加齢黄斑変性かどうかはっきりしない症例、遺伝性変性疾患が疑われる症例、原因不明の視力低下など、診断がついていなくても黄斑疾患が疑われる場合はまずご紹介ください。
地域医療連携室(電話075-751-4320、FAX 075-751-3115)へ電話・FAXで眼科黄斑初診外来をご予約ください。
2)受診当日
受診された日の午前中に眼科検査および造影検査を含めた画像検査を行い、その後網膜専門医が診療にあたります。確定診断および治療方針の決定は、複数の網膜専門医で行っています。萎縮型加齢黄斑変性と診断された患者さんは、水曜日午後の専門外来【黄斑(萎縮型)外来】の予約をお取りします。黄斑疾患以外の病気が疑われる場合には、各専門外来で精査いたします。
3)その後の流れ
【黄斑(萎縮型)外来】では、萎縮型加齢黄斑変性という病気について、今の眼の状態、治療、予想される経過などについて詳しく説明し、治療希望がある場合は適応があるかどうかを判断します。加齢黄斑変性は良い方の眼にも発症するリスクがあり、また、萎縮型から新生血管型に移行することがあります。病気が進行すれば、視力低下により日常生活に不便さを感じるようになります。現在治療希望や治療の適応が無い場合でも、適切な経過観察により視力予後や生活の質を改善できる場合がありますので、病状に応じて患者さんと相談しながら適切にフォローいたします。
