外国人診療における包括的支援を提供するために
「国際診療センター」を設置しました
―相談・調整機能の窓口の開設と伴走型支援により、
受診前から受診後までの支援体制を整備―
京都大学医学部附属病院は、2026年4月1日、外国人患者受入に関わる相談・調整機能を院内横断で担う「国際診療センター(Kyoto University Hospital International Medical Center、略称:iMeC)」を設置しました。本センターは、外国人患者診療に伴う各種調整、医療通訳、院内連携を一元的に担う窓口機能を整備するとともに、受診前から受診後まで継続的に支援する体制を構築するものです。言語・文化・宗教・制度の違いを踏まえた対応を院内で標準化し、患者及びその家族がより円滑に、かつ安心して受診できる環境の整備を進めます。
- ●設立の背景
京都大学医学部附属病院では、2000年代後半以降、外国人患者、海外から受診する患者への対応機会が徐々に増加してきました。これに伴い、診療現場では、言語の違いに加え、宗教・文化的背景への配慮、同意取得や文書対応、受診導線の調整など、通常診療とは異なる多面的な対応が求められる場面が増えてきました。
一方で、従来は各診療科が個別に対応せざるを得ない場面も多く、通訳手配、患者対応、院内調整などの業務が現場ごとに分散していました。その結果、対応のばらつきや院内ルールの不統一が課題となっていました。
また、海外在住の患者にとっては、渡航前の段階で十分な情報整理や受診相談を行う機会が限られており、時間的・経済的負担が大きいことも課題の一つでした。
こうした背景を踏まえ、京都大学医学部附属病院では、外国人患者診療に伴うさまざまな業務を院内横断的に整理し、相談・調整機能を集約するとともに、患者ごとの事情に応じて継続的に支援する伴走型の受入体制を構築するため、国際診療センターを設置することとしたものです。
- ●センターの役割
- (1)外国人患者受入に関する院内基盤整備
国際診療センターは、外国人受入に必要な院内基盤の整備を推進します。具体的には、外国人患者診療を現場ごとの個別対応にゆだねるのではなく、院内で継続的に運用できる仕組みとして、医療通訳体制の構築、外国人患者対応に必要なコミュニケーションツールの整備などを進めます。
- (2)相談・調整窓口の一元化と伴走型支援
本センターは、外国人患者受入に関する相談・調整窓口を一元的に担います。受診相談の初期対応から、必要な情報の整理、関係診療科との調整、受入可能性の検討、外来受診、入院、退院後フォローアップまで、各診療科、看護部門、事務部門等と連携しながら支援を行います。
- (3)外部連携窓口としての機能強化
本センターは、医療コーディネート機関、企業、支援団体、紹介元医療機関等との連絡調整を担う窓口としても機能します。受診相談、必要な情報の整理、院内調整を含む一連の流れを整理し、本院と外部機関との協力関係を強化することで、国際診療の実務的な連携基盤を構築していきます。
- ●主な提供機能
受診相談・受入調整
医療コーディネート機関から外国人患者の相談内容を整理し、適切な診療科との調整を行います。紹介や事前相談を含め、受入までの流れを支援します。
医療通訳
診察、検査、入院、手術説明等、適宜診療の支援が必要な場面で、院内通訳者または遠隔医療通訳サービスによる通訳対応を行います。
医療コーディネート
外来から入院、退院後フォローアップまで、各部署と連携しながら診療プロセス全体を支援します。
院内運用支援
外国人対応に必要な院内ルールやツールの整備、関係部署との調整、運用改善を進めます。
- ●対応言語
通訳者対応言語:英語、中国語、広東語
上記以外の言語については、遠隔医療通訳ツール等を活用し、最大32言語に対応します。
- ●今後の展望
京都大学医学部附属病院は、国際診療センターを通じて、外国人患者受入を一時的・個別的な対応ではなく、院内横断的・持続的に運用できる仕組みとして整備していきます。今後は、各診療科・部門との連携をさらに進めるとともに、外部の医療関連事業者、支援団体、紹介元機関等との協力を通じて、安全性、実務性、継続性を備えた国際診療体制の強化を図ります。