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病院長挨拶

病院長挨拶

京大病院は、大学病院の使命である「診療・研究・教育」に関する3つの基本理念「患者中心の開かれた病院として、安全で質の高い医療を提供する」「新しい医療の開発と実践を通して、社会に貢献する」「専門家としての責任と使命を自覚し、人間性豊かな医療人を育成する」をベースに、「安心・安全な医療の提供」に努めています。

「京大病院のあるべき姿」を目指して2013年にとりまとめたマスタープランに基づき、高度先進医療と高度急性期医療を担う病院として、施設設備や組織の設置を推進しています。施設整備として、2015年の南病棟(生活習慣病病棟)開設を皮切りに、2019年には、最重症患者を受入れられるスーパーICUのほか脳卒中緊急症例を受入れられるES-ICU、重症新生児を受入れられるNICUなど多数のケアユニットを集約させた中病棟(高度急性期病棟)を開設しました。翌年、次世代医療を開発する新組織Ki-CONNECT(次世代医療・iPS細胞治療研究センター)も稼働しました。近年では、2021年に病院西構内にあった精神科神経科を北病棟へ集約するとともに、救急のモデル病床設置と新型感染症にも対応した結核病棟の増築を行いました。現在も手術部門の改修が進んでおり、病院の機能強化のための取り組みを継続しています。

また、京大病院は、臨床研究中核病院、がん診療連携拠点病院、がんゲノム医療中核拠点病院、小児がん拠点病院、総合周産期母子医療センターなどの法令による医療機関の指定を受けており、診療体制を整備するための様々な組織設置を進めています。がんセンター、細胞療法センター、こども医療センター、もやもや病支援センター、VHL(フォン・ヒッペル・リンドウ)病センター、摂食嚥下診療センターなど、部門横断的な診療センターを設置し、希少疾患にも対応可能な診療体制を整備しています。2022年には、患者さんの外来診療から入退院までを一元的に支援するPFM(Patient Flow Management)センターも設置しました。

京大病院に求められるものは、患者さんの希望となる新たな医療の開発と実践です。まだまだ原因やメカニズムのわからない病気や、有効な治療法のない病気に対し、今はまだ世の中に存在しない治療法や治療薬を少しでも早く患者さんの元へお届けできるよう、iPS細胞を用いた研究を筆頭に、世界で初となるような革新的な医療開発に取り組んでいます。

一方で、高度急性期医療を担う病院として、地域医療の強化に寄与する、地域に根差した京大病院でありたいと考えています。京大病院は、心筋梗塞・大動脈瘤や脳卒中に代表される緊急疾患に対し、国立大学病院としてトップクラスの救急応需件数を誇っています。これからも今まで以上に地域のかかりつけ医の先生方や医療機関との連携を密にし、地域全体でしっかりと患者さんを支える安全で安心な救急医療の実現に注力していきます。

現在の緊迫した世界情勢や長引くコロナ禍の影響によって、医療業界のみならず社会は大きな変革を求められています。
 -世界に発信できる画期的な臨床研究を
 -最新の先進医療を一人でも多くの患者さんに
 -地域の医療機関と連携して最善の地域医療を
ポストコロナ時代において、こうした目標をこれまで以上に高い水準でかなえ、実現していくために、全職員が一致団結して前進していきます。患者さんのために全力を尽くし、すべての患者さんへ、安全で安心のできる質の高い医療をお届けしたいと考えています。どうぞ、今後とも京大病院をよろしくお願いいたします。

病院長 髙折 晃史