2020年1月24日
1.概要
京都大学医学部附属病院は、京都大学 iPS 細胞研究所(CiRA)と連携し、ヒト iPS 細胞からiPS 細胞由来軟骨を作製し、膝関節軟骨損傷を治すことを目標に、再生医療の臨床研究を計画してきました。令和元年 11 月 7 日、厚生労働大臣に本研究に係る再生医療等提供計画を提出し、この度、厚生科学審議会にて再生医療等提供基準に適合していると認められましたので、下記のとおり発表いたします。
2.背景
私たちの関節は、2 つの骨が擦り合わさって動いており、骨同士が擦り合わさる部分 は関節軟骨で覆われています。関節軟骨は特有の構造を持ち滑らかなため、私たちは関節をスムーズに痛み無く動かすことができます。 この臨床研究では、膝の関節軟骨がけがなどにより傷んだ「膝関節軟骨損傷」をかかえる方を対象としています。膝関節軟骨損傷をかかえる方は、膝を動かしたり歩いたりする際に違和感や痛みをともないます。この場合、傷んだところに正常な軟骨を移植することが望ましい治療法になります。 そこで我々は、ヒト iPS 細胞から質の高い軟骨を作製するための研究を積み重ね、iPS 細胞由来軟骨の作製に成功しました。この研究成果により、膝関節軟骨損傷の傷んだ部分に、質の良い軟骨を十分な量供給することができるようになりました。 これまでの動物実験などにおいて、この iPS 細胞由来軟骨は、腫瘍をつくらないことを確認してきました。また、移植したところに軟骨が再生することも確認しました。膝関節軟骨損傷をかかえる方においても同様の効果がみられることを期待して、今回の臨床研究を計画しました。
3.経過
令和元年10月15日
京都大学特定認定再生医療等委員会より承認
令和元年11月7日
厚生労働大臣に再生医療等提供計画を提出
令和元年12月11日
厚生科学審議会 再生医療等評価部会にて初回審議
令和2年1月24日
厚生科学審議会 再生医療等評価部会にて第2回審議
4.臨床研究計画の概要
5.臨床研究実施体制
6.本研究への支援
本臨床研究は、下記機関より支援を受けて実施されます。