■ 研究の概要
本臨床研究は、本院において実施され、「糖尿病性神経障害のスクリーニングにおけるデジタル振動覚計の臨床応用についての検討」をテーマとしています。
既に薬機法に基づくクラスII医療機器として認証済の「デジタル音叉」(認証番号:302AFBZX00094000)を応用し、糖尿病性多発末梢神経障害を定量的にスクリーニング評価することを目指します。
研究責任医師は矢部教授が務め、研究期間は2025年7月から2026年6月までを予定しています。
■ 背景と意義
国際糖尿病連盟(IDF)の報告によると、世界では20秒に1人がダイアベティス(糖尿病)関連の下肢切断を受けています(*1)。その約80%が足潰瘍に起因しており、早期段階での末梢神経障害の発見が重要とされています(*2)。
糖尿病性神経障害のうち痛覚の低下により足潰瘍発症や足切断のリスクとなる多発末梢神経障害については、複雑な機器を用いた確定診断を行う神経伝導検査および簡易神経伝導検査機器がこれまで用いられてきましたが、スクリーニング検査として用いるには課題がありました。また、既存の用手的スクリーニング手法については再現性・定量性の問題を抱えていました。
今回の臨床研究ではより簡便で再現性の高いスクリーニング方法の検証を行います。これによりプライマリケアの現場でより広く糖尿病性神経障害のスクリーニングが行われることを狙い、日本だけでなくASEAN諸国の糖尿病足切断の一次予防・重症化予防の実現に向けた重要な一歩となると期待できます。
出典
(*1) International Diabetes Federation. “IDF Diabetes Atlas, 11th Edition, 2025.”
(*2) Armstrong DG et al., Journal of Foot and Ankle Research, 2020.
■ 研究実施体制
研究機関:国立大学法人 京都大学
研究責任者:矢部大介 教授(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学)
共同研究企業:株式会社セカンドハート(代表取締役CEO 石田幸広)
被験機器提供:株式会社衣川製作所(デジタル音叉/クラスII医療機器)
■ 今後の展望
本研究で得られる臨床データは、糖尿病患者における末梢神経障害のスクリーニング精度向上に活用される予定です。
また、本共同研究を通じて、国内外の医療機関や研究機関との連携を拡大し、糖尿病合併症重症化予防の医療インフラの構築を目指します。
【矢部教授 コメント】
アジアではダイアベティス(糖尿病)による足切断は依然深刻な問題で、そのリスクとなる神経障害の発症・重症化予防は重要であり、簡便かつ安価で信頼性の高い診断技術の確立が喫緊の課題です。京都のものづくり企業と本学の研究力の強みを相互に活かした産学連携を通じて、アジアそして世界でダイアベティスの合併症進展防止に貢献できる大きな一歩になると考えています。
【石田代表取締役 コメント】
糖尿病による足切断の多くは防げるものです。今回の京都大学との共同研究は、“社会参加を継続できる未来をつくる”という私たちのビジョン実現に向けた大きな一歩となります。
■ 株式会社セカンドハートについて
セカンドハートは、「糖尿病患者の足を守り、足切断をゼロにする」ことをミッションに掲げるヘルステック企業です。
足病診療支援プラットフォーム「Steplife®」を中心に、末梢神経障害や足病変の早期発見・診療支援を行うソリューションを提供しています。
現在、日本国内での実証を進めながら、マレーシアをはじめとするASEAN諸国での展開を推進中です。
【会社概要】
株式会社セカンドハート
本社所在地:京都府長岡京市勝竜寺巡り原22番地の9
代表取締役CEO:石田幸広
ウェブサイト:
https://www.secondheart.co.jp
本リリースに関する取材・お問い合わせ先
京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科 教授 矢部大介
Email: tounaiei@kuhp.kyoto-u.ac.jp
株式会社セカンドハート
Email: info@secondheart.co.jp
プレスリリースに関する詳細は、お気軽にお問い合わせください。